亜鉛シリーズ③てゆうか亜鉛欠乏症てなんなんけ? | 消化器内科ゴロ寝お勉強日記

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病棟スタッフの皆さんに、日常業務の役に立つ情報を提供しようと思います。ゴロ寝しながらでもサクサク読めて、必要な知識だけ頭に入るような内容にしようと思いますので、是非暇なときに一読して下さいね!

みなさまおつかれさまです。

いい日もわるい日もありますが、

今日も腐ることなくがんばります!

 

本日は、亜鉛欠乏症ってなんなのよ?を

私の故郷である富山弁にして

タイトルにしてみました。

 

これまで2回亜鉛シリーズを書いてきて

なんかいいんじゃない?と

お思いの方もちらほらでてきたのではと思います。

そろそろ実際に亜鉛欠乏症を診断して

ノベルジンをぶちこんでみたいのではないですか??

 

さて、そういうわけで治療をするには

その病気の患者様をしっかりと診断するのが大事!

ということで診断基準について述べたいと思います。

 

血清亜鉛濃度の話が今まで出てきましたが、

ただ数値が低けりゃいいってもんじゃありません。

 

でもひとまず、、

亜鉛<60μg/dl・・・・亜鉛欠乏症

60≦亜鉛≦80・・・・・潜在性亜鉛欠乏

 

と覚えてください。

メーカーはもっと亜鉛濃度が高くても亜鉛欠乏のことがあるよ!

と言っています。

それはホントです。

亜鉛の正常値は個人個人で異なるので

正常値を決めること自体がナンセンス!

基準値(正規分布にして両側2.5%を異常値に設定する)を設けても

なかなかうまくいきません。

でもだからといって相場感が全くないのも困るので

上に書いた基準を何となくでいいので覚えましょう。

 

上記の血清亜鉛低値に加えて、

亜鉛欠乏症の症状またはALP低値を認めること。

それによって亜鉛欠乏と考え

ノベルジンをぶっこんでよい、となるのです。

 

下記のうち少なくとも1つ必要

臨床症状

皮膚炎、口内炎、脱毛症、褥瘡、食欲低下、発育障害、

性腺機能低下、易感染性、味覚異常、貧血、不妊症

検査所見

ALP低値

 

ここで水を差すようでなんなんですが、

一応他に上記症状を説明できる疾患が否定できる、

というのも条件にはなってます。

 

よろしいですか?

亜鉛欠乏症の診断は、

亜鉛低値症状他疾患の否定

が必要であり、

 

亜鉛補充によって症状が改善したら、

亜鉛欠乏症が確定するわけです。

 

では亜鉛低値がない患者さんだったらどうします?

亜鉛がさっぱり低くない!っていうならまだしも、

まあまあ低めなんだったら補充はしてみてもいいと思います。

 

前述の通り亜鉛濃度には個人差がかなりあります。

その辺のところを次回書きますね。

今日も長いこと読んでくださってありがとうございました。