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「休養=寝ること」は間違いかも。医学博士が教える、あなたを疲れから救う“7つの休養タイプ”
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朝起きた瞬間から、体がだるい。
休日はゆっくりと過ごしているはずなのに、週始めからクタクタに疲れている……。
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そんな悩みを抱える人は、もしかしたら“休養の仕方”が間違っているのかもしれない── 。
『あなたを疲れから救う休養学』(東洋経済新報社)を上梓した医学博士 片野秀樹さんに、効果的な休養について教えてもらった。
寝るだけの休養では「フル充電」は出来ない
休日はクタクタな体を癒やすために、昼過ぎまでベッドで過ごしたり、何もせずにソファーでゴロゴロしたりという人も多いだろう。
しかし片野さんによれば、寝ることや何もしないことを繰り返すのは、最適な休養ではないという。
「人間は、『仕事や日常生活などの活動→活動をしたことで疲労する→休養する』というサイクルを繰り返しています。
日本人の多くは、休日に眠ったり何もしなかったりして、次の活動のための充電をしているわけですが、それでも日本人の8割は「疲れている」と感じています※。
つまり、眠ること・何もしないこと=効果的な休養というわけではないのです。
私の感覚では、休日に体を休めるような休養をとっても、マックスで50パーセントくらいしか充電ができない人が多いイメージです」 ※日本リカバリー協会「日本の疲労状況」より
活力を満たす“攻めの休養”とは?
せっかく休むのであれば”100パーセントフル充電”をして、元気に仕事や家事に打ち込みたい。効果的な休養の取り方はどのようなものなのだろうか。
「活動→疲労→休養というサイクルの中に、疲労を打ち消すような要素、つまり『活力』となる要素を足すことをおすすめします。
ただの休養だけでは50パーセントしか充電できないところに、活力を高め、フル充電に近づけていくイメージです。 活力を高めるための積極的・主体的な休養のことを、私は“攻めの休養”と呼んでいます」
「生理的休養」の3タイプ
片野さんによると休養は、生理的休養、心理的休養、社会的休養の3つのパターンに分かれる。
さらにそれを1~3タイプに分けたのが、片野さんが考案した「7つの休養タイプ」だ。
それぞれのタイプごとに具体例を見ていこう。
休息タイプ
休息タイプは、睡眠や休憩、ソファで横になるなど、一般的な「休み」のイメージに近い休み方を指す。
「睡眠をとることや『今週は寝不足だったから、数時間横になろう』と自分で決めて、主体的に休憩するのは必要なことです。
ただし、やることがないからと言って、漫然とゴロゴロするのは望ましくありません」
運動タイプ
片野さんが提唱する休養学では、激しい運動ではなく、ウォーキングやストレッチ・ヨガなど体を軽く動かすことを運動タイプの休養に分類する。
軽い運動は血流を良くして、老廃物の除去を促進する。
更にリンパの流れが良くなり、疲労感の軽減につながるそうだ。
さらに夜になると副交感神経型が高まって、深い睡眠が取れるという嬉しい効果も期待できる。
「運動が難しい場合は、入浴もおすすめです。体が外から温まる上、水圧がかかることで血行が良くなるので、老廃物が除去されて酸素と栄養が細胞に届きますよ」
栄養タイプ
一般的には「栄養バランスの良い食事をすればよいのでは?」と思いがち。
しかし、休養学では食べないことや食事の量を減らすことを栄養タイプの休養に分類する。
片野さん曰く、食事を減らしたり、あるいは食べなかったりすることで、体の消化器系を休ませて老廃物を排出するデトックス効果を得られるという。
一方で、疲れたり、ストレスが溜まったりすると、やけ食いやスイーツに走ってしまう人もいるだろう。
一見ストレス解消になりそうな行為だが、休養学的にはNGだ。
「やけ食いをしたりスイーツを食べると、体の中でコルチゾールというホルモンが出て緊張・興奮状態になります。
副交感神経を高めてリラックスすべきタイミングで興奮状態になり、寝付きが悪くなることもあるので注意が必要です」
「心理的休養」の3タイプ
親交タイプ
「親交タイプの休養」は、同僚との会話や、家族とのハグ、ペットとのふれあいなど、人などと交流を持つことでストレスを解消して、活力を得る休み方を指す。
また森林浴などで自然と触れ合うことも、このタイプに分類される。
「人付き合いが苦手な人は、無理に親交を深める必要はありません。
ただし同じマンションですれ違った人に会釈をするなど、些細なコミュニケーションであっても、それが自分の感情をポジティブにしてくれることもありますよ」
娯楽タイプ
音楽を聞く、映画を観る、習い事をする、一定時間ゲームをするなど、主体的に趣味・嗜好を楽しむのが娯楽タイプ。
娯楽の一つとして「気分が良くなる行動」を、スマホやメモ帳にリストアップしておくのも、片野さんのおすすめだ。
「『鼻歌を歌う』『炭酸飲料を飲む』など、これをすれば気分転換できるという行動をいくつか集めておいて、ストレスを感じたら実行するとよいでしょう」
造形・想像タイプ
造形・想像タイプの休養には、絵を描く、手芸をする、DIYに打ち込むなどの創作活動全般が分類される。
加えて、瞑想や空想もこのタイプ。
必ずしも実際に何かを作る必要はないので、日常生活で手軽に取り入れやすい。
「例えば仕事中に目をつぶって、ビーチで寝転んでビールを飲んでいる自分を想像するだけでも、立派な想像タイプの休養になります。
コツは、思わずニヤッとしてしまうような楽しいことを考えること。
休養をとる上では、ストレスを感じるものから物理的・心理的に”分離”することが大切なのです」
「社会的休養」
転換タイプ 服を着替えたり、部屋を掃除したり、買い物や外食をすることは転換タイプの休養に当てはまる。
外部環境を変え、気持ちをリセットするのが狙いだ。
「旅行は転換タイプの最たる例。長期休暇に多くの人がこぞって旅行に出るのは、旅行が気分転換になることを知っているからでしょう」
タイプを組み合わせて“最強の休養”をデザインする
7つの休養タイプはいくつか組み合わせて実行することで、疲労回復効果が2倍にも3倍にもなるという。
「同じ時間を使うのであれば、一度にいくつかの休養を取り入れるほうがお得ですよね」と片野さんは語る。
特に片野さんがおすすめするのは、スープ作りだ。
「料理をすることは材料や調味料の組み合わせを考えることになるので、造形・想像タイプの休養になります。
もし料理が好きであれば、娯楽タイプの休養にもなるでしょう。
暖かく消化に良いスープを食べるのは、栄養タイプの休養。
さらに、家族と一緒にスープを作れば、親交タイプにもなります。
さらにスープをジャーに入れて公園で食べれば、公園までの道すがらウォーキングが出来て、運動タイプを満たします。
さらに、場所も変わるので転換タイプでもありますよね」 また仕事中にできる休養としては、同僚とのランチがあるという。
「同僚とコミュニケーションをとるのは、言わずもがな親交タイプ。
ランチを選んでそこまで足を運ぶのは運動タイプですし、『どんな料理だろう?』と楽しい想像を巡らすのは造形・想像タイプの休養になりますね。
同僚とのランチは、仕事中にも気軽にできる良い休養だと思います」 いくつかの休養を組み合わせて効果を感じたら、それを自分の中のルーティーンにしてしまうのも良いとのこと。
しかし意気込んで、休養の方法をあれこれ欲張ってしまうのは禁物だ。
まずは1つの休養を試して、効果を感じたものを記録しておく。
それを2~3個組み合わせてみるのが、片野さんのおすすめだ。
「良い休養を組み合わせていくと、活力を得られる自分オリジナルの休養モデルが出来ますよ。
休養も技術の一つ。
試行錯誤を重ねて、自分に合った休み方を見つけましょう」
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいてヘルスケアにまつわるポイントをまとめたものですが、効果には個人差がある場合がございます。
記載内容はBusiness Insider Japanが保証するものではございませんので、参考にされる際は個人の責任においてご判断いただきますようお願いいたします。
市川みさき
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