『傭兵ピエール』 佐藤賢一
15世紀のフランス、ジャンヌ・ダルクをめぐる傭兵ピエールの冒険譚。
私はこの話が全て実話だと言われても
「あ、そうですか」と答えてしまう程歴史に疎いのですが、それでも
時代の空気感や登場人物の実在感が、そこに息づいているように
リアルに感じられて、ワクワクしながら読み進める事が出来ました。
確かな知識に裏打ちされた、重厚で壮大な、まさに冒険活劇です。
ここで描かれる15世紀のフランスは、平民なら虐げられるのが日常、
女なら犯されたり殺されたりするのが当たり前、
というまるで北斗の拳 のごとき世界なのですが、
そんな中、力強く生き抜こうとする人々のエネルギーがすごい。
薄ぼんやりと生きている身としては、少々あてられました。
ただの大団円では終わらないストーリーもいい。
ジャンとピエールのラストシーンでは松尾芭蕉の辞世
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」を思い出しました。
寂寞とした、それでいて夢見るような美しさです。
『葬儀の日』 松浦理恵子
3篇からなる短篇集です。
やはり印象的なのは、デビュー作でもある表題作の『葬儀の日』。
葬式の時に雇われて泣く「泣き屋」(なんでも中国には実在するとか)と、
ある日彼女の前に現れ表裏一体を成す「笑い屋」の関係を描いた物語。
人は心のどこかで、完璧に自分と一致してしまう程にピタリと合う
相手の存在を求めているのかもしれませんが、
もし、本当にそんなにも似通った、同一の、濃密で緊密すぎる、
しかし「自分ではない者」に巡りあってしまった場合どうなるのか、という、
他者との関係性が描かれています。
とにかく全篇を貫く、緊張感がすごい。
他者との関係性は常に痛々しく、精神を削り傷つけ合うもので、
それ以外のぬるい関係(一般的には、暖かく安心できる関係かもしれません)
は全く意味を成さない、と言い切ってしまっているような、
残酷なまでの純粋さと切実さがあります。
周囲の人達がどのように説得しようとも、当人にとっては
逃げ道はないのだ、という感覚がひしひしと伝わってきました。
松浦理恵子の作品は、この他に『ナチュラル・ウーマン』 と『セバスチャン』
を読みましたが、残念ながら『葬儀の日』ほどの切迫したものは
感じませんでした。
この作品集に収められた他の2篇(『乾く夏』、『肥満体恐怖症』)も
『葬儀の日』に比べると、普通の印象なのですが、
完成度とは別の所で『肥満体恐怖症』はインパクトがありました。
私は、この主人公くらいの勢いで、太った人に否定的です。
何の恨みもトラウマもないので、ただ単に嫌なだけですが、
もしかして憧れの裏返しなのでしょうか?
J1リーグ 第29節 ジュビロ磐田対浦和レッドダイヤモンズ
優勝争いとは既に完璧に無関係で、
すっかりモチベーシュンを下げた今日この頃ですが、
前半6分の段階で「ロスタイムあと何分?」と呟いたりもしましたが、
勝ってくれて何よりです。(弱腰!)
とりあえず福西は交代する時側転を決めて、
時間稼ぎと共にお手本を示してあげて欲しかったです。
犬塚!出来てないよ!!
U-21 日中韓3ヶ国対抗 日本×中国
間があきすぎて何の大会だかわからなくなっていますが
色々気になる事があります。
新聞のテレビ欄が「イケメン軍団」になってた事とか。
いえ、一向にかまいませんよ !
梶山の眉毛とか。
抜きすぎてない?いや、描くのを止めただけかもしれないけど。
苔口がガンダムっぽいとか。
スタメンじゃないカレン(しかも出番なし)とか。
しかし何より気になったのは、平山がゴールを決めた瞬間に
頭を抱えた反町さんでしょうか。
ハンドにしたって(いや、肩、肩!)なにその苦虫を噛み潰したような表情。
投げキッスが自分に向かって飛んできたとか?
ついでに反町さんは
とか言ってますが、交代とかいう手段があるの、
完全に忘れてたんだと思います。
枝村投入のタイミングでさえ遅いと思ったけど、
谷口や康太ちゃんに一体何をしろと…
(7人交代できる交流試合で時間稼ぎか?)
何はともあれ、いつものごとく体ごとガンガン突っ込んでた
アオが怪我しなくて良かった。
もうちょっと、勢いの制御とか…出来ないんだろうね…
J1リーグ第22節 ジュビロ磐田対アルビレックス新潟
スタジアムで見た事ない虫見ちゃった…
3センチくらいで黄緑色で長くて飛ぶやつ。あれなに?
それはともかく7得点 です。
前半終了時には「まだまだ油断できないから」
6点取った時には「無失点じゃないと駄目だから」
試合終了後には「問題は大量得点の次の試合」
と、どこまでも心配の種は尽きません。
まあでも、こんなのは久しぶり。
うやむやのうちに上手くいく事ってあるのですね。
特に前半は、両チームにそれ程差があったようには見えませんでした。
動き良かったのに交代しちゃったカレンと、泣いてた成岡は大丈夫かなー
ところでノザは相変わらず楽しい。
何故相手チームのサポと、あんなにもコミュニケーションを
取っているのか。
GKとしての技術面は分からないけど、愛に溢れたキーパーだね。
AFCアジアカップ2007 予選イエメン対日本
聞きなれない感じの君が代の伴奏や、
応援のテンポが何だか楽しいイエメン戦 です。
イメージトレーニングが万全だったせいか、
見ているこちらまで息苦しく…
決定力がどこかに落ちてるといいんですが。
ともかく本戦には出られるようなのでめでたしめでたし。
『下妻物語』 嶽本野ばら
茨城県の片田舎下妻で繰り広げられる、人生これロココのロリータちゃん
ことモモコと、原付上等!のヤンキーちゃんことイチゴの青春友情物語。
『下妻物語』の素晴らしいところは、全く押しつけがましくないところです。
二人は自分の絶対的な価値観に従って行動していますが、
他人のそれに難癖をつける事はありません。
自分の世界を大切にするように、他人の世界も認めているのです。
だからこの物語は嫌な方向進むことがない。
独特で、主張が激しいようでありながら思いやりがあるのです。
混じり合う訳ではなく、否定し合う訳でもなく、
ありのまま一緒に居る二人の有り様が、とても爽快でした。
最後にモモコが、イチゴの為にあっさり信念を捨てて原付に乗る場面
は胸を打たれました。
心の中に大切なものをはっきりと据えている、勇ましい姿です。
映画 も良いですね。
原作をしっかり踏まえつつ、映像ならではの良さも生かされている。
洋服が重要な位置を占める話なので、視覚的にロリータ&ヤンキー
ファッションをみられたのも嬉しかったです。
『BABY.THE STARS SHINE BRIGHT』 って思わず調べたね。



