僕が死ぬ日・・生まれる日 -56ページ目

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

次回作を書き終え私は自宅に戻っていた。


インターネットの掲示板に読者からの私の作品の評価が沢山書き込まれていた。


私の作品を絶賛する書き込みが大多数であったが中には批判的な人間も多く居た。


二番せんじの在り来たりな表現。


薄っぺらな恋物語・・


私でもこれくらいの作品は書ける・・


私は基本的に誰かの作品を評価する事が苦手であった。


ある意味、私の中でその行為は無意味だと思われていたからだ。


難しいくだらない言葉を駆使しながら作者を批判する。


ならば・・貴様がこの作品以上の話を書けるのか???


無理だろ!なぜなら貴様は、作家でもなんでもない・・


ただの読者だからだ・・


中には作家を夢見て小説を書いてる人間も居た。


そんな中身の無い批判をする人間に限ってそいつの作品はつまらない物語ばかりであった。


文字とは実に厄介だ。


作者の人間性、そのままと言っても良い過ぎでは無いと思う。


誰かを批判することで優越感を得る人間は・・・


所詮はその程度の文字しか操れないのかもしれない。


ネットの掲示板を見ていると不意に私の携帯電話が鳴った。


見慣れない電話番号が表示されている。


「はい・・坂本です。」


そう相手を探るように私は電話に出る。


「美香です・・覚えていますか??」


美香・・・


「あ~っ!お久しぶりです!」


「覚えてくれていたようですね!

処であの約束・・まだ覚えていますか??」


「ええ・・漫画の原案の話ですよね・・」


「そう!覚えてくれていたんですね!

それで・・どうですか??

よろしかったらご都合が良い時にお会いしたいのですが??」


「今日・・会えますよ!

明日から次回作の執筆に入らないといけないので忙しくなります・・

今夜、会いましょう・・」


「なら・・新宿の寄り道と言う居酒屋を覚えていらっしゃいますか?

そこに7時に・・」


その日の夜、私は新宿に居た。


寄り道は私達、文芸同好会の溜まり場であった。


ほんの数日前まで、私は貧乏学生としてこの店で安酒を飲んでいた。


店に入ると既に美香は来ていた。


まだ、春だと言うのに胸元が大きく開いた洋服を着ている。


私は一瞬、目のやり場に困ったくらいだ・・


「飲み物・・何にしますか??」


「ええ・・とりあえずビールを・・」


飲み物が来て二人で乾杯をした。


「大作家先生の未来に・・」


何とも在り来たりの言葉である。


「それで、どんな漫画が書きたいのですか??」


そう彼女に聞いた物の私は彼女の答えを知っていた。


リセット前の私の部屋の本棚に場違いのように全巻揃えられている漫画・・


それが美香がデビューして一流と呼ばれる事になるきっかけの漫画・・


「空の如く・・」であった。


「ええ・・ネクラな女の子が不良の男の子に片想いをして・・」


なんともありがちな話。素人が考えそうな発想・・・


「そうですか・・でも、私も忙しくなってしまってね!

お断りしますよ!原案の話は・・」


そんな私の言葉を聞きながら・・・


美香は私の手を優しく握った。


そして・・ポケットからホテルのルームキーを取り出す。


「報酬は・・・私って言いましたよね・・」


そう呟きながら開いた胸元を強調して私に見せた。


私は童貞であった。23歳ににしてまだ・・


初めては好きな女と・・・なんて考えを持っていたのだ。


だから・・初めては・・今日子と・・なんて子供的な考えを・・・


「なんとも・・魅力的な報酬ですね・・・」


私はそう呟くとタバコに火をつけた。


「でも、私が原案を書いたからと言って売れるとは限りませんよ??

それでも良いのですか??」


「あなたには才能がある!絶対に私の絵とあなたの文字があれば成功する!」


そう言いながら美香は握っていた私の手をそっと自分の胸に持って行った・・・


何とも柔らかい感触であった・・


私は生まれて初めて母親以外の女性の体に触れた・・・


「行きましょうか・・・」


私はテーブルの上に置かれたキーを握り締めそう呟いた。


そんな言葉に一瞬、美香が微笑んだ・・


落ちた・・・こいつ・・・


それがきっと、彼女の率直な気持ちだったに違いない。


愛が無くても抱けるんだ・・・


男は欲望だけで・・女を抱ける・・


そして女は・・野望だけで男に抱かれる事が出来る生き物なのかもしれない・・


私は横で寝息をたてる美香の顔を見つめながらタバコに火をつけた。


ホテルの窓から新宿の夜景が見えた。


まるで宝石のように色とりどりの明かりが散りばめられていた・・


「綺麗だな・・・」


私はそう呟くとタバコの火を消し・・


眠っている美香をもう一度起こし・・抱いた。


それが私と美香との契約の証であるかのように・・


人生は辛すぎて私の手には負えない。



2次審査通過


そんな文字を私は冷めた目で見ていた。


これがきっと、自分自身の作品であったのら涙を流して喜んだに違いない。


季節は3月、3次審査通過の知らせが来た頃にはもう卒業式の準備に追われていた。


木村は結局、就職をする事をせずにそのままアルバイトをしながら小説を書くと宣言した。


同好会の中でもっと、多くの人間がそんな生活を選ぶのかと想ったがそんなに多くは無く・・


私と親しい数人だけで後の皆は現実を選んで就職をした。


4月に入り「扉」の4次審査が行われた。


残ったのは私を入れて4人。


その中には私の記憶の中で今年、この賞を取るはずである作家の顔も見える。


未来は変えられるのか???どうなのだろう・・・


今までの審査とは違い、4次審査は大掛かりな物であった。


文芸雑誌や新聞社の記者達が私達の前に陣取りカメラを向けている。


司会者が現れいよいよ今年の優秀者の発表が行われる・・・・


一瞬の沈黙・・


大げさに司会者が渡された封筒を開いた・・・


「今年の扉の優秀者は・・・・」


私の体が一瞬、緊張のあまりに小刻みに震える・・・


「今夜も何処かの星の下で・・を書いた坂本誠さんです!」


その途端・・私はシャッターの光に包まれた・・・


私は一応・・涙を流す・・


そして微笑を浮かべた・・・


私は賞金の一千万と受賞作品の出版の権利を手に入れた・・・


私の人生が変わった。


失った人生の忘れ物を私は1つ手に入れた。


その日の夜、私の自宅の電話と私の携帯は鳴り続けた・・


最年少受賞者!天才小説家登場


次の日の新聞の見出しはそんな文字で埋まった。


私は次の日からホテルに缶詰になる。


次回作の執筆が賞金を貰う条件なのだ。


鉄は熱いうちに打てではないが、話題になっているうちにもう一儲けって感じだろう。


ただ、原稿を書くのは簡単な事であった。


その時の私の頭の中にはまるで自宅の本棚が丸々入ってるような感じであった。


読みたい本を本棚から選ぶようなそんな感じで・・・


傑作と言われる私が今まで読んだ本の内容が頭に浮かんだ。


結局は小説などと言うのは早い者勝ちだ。


どんなに素晴らしい言葉を作家が考えても世に出さなくては意味が無い。


誰かが1度でも使った言葉は・・「猿真似」と評価される。


実に不可思議な世界なのである。


私は・・・


本来なら木村が書くはずだった小説「神の目・・悪魔の心」を書き始めた。


「今夜も何処かの星の下で・・」


「神の目・・悪魔の心」


この2作は木村と言う作家の代表作になる作品であった。


私は彼から作品のみならず・・・


未来をも奪った事になる。


しかし、最初は大いなる罪悪感に包まれたものの・・


書き始めるとその作品は何時の間にか私の作品へと変わって行った・・


人間の感情とは実に都合が良い・・


だから犯罪は無くならないのかもしれない。


私は「神の目・・悪魔の心」を書き終わったのは・・


私はホテルに入って一週間後の事であった。


その頃には多くの書店で私の受賞作の「今夜も何処かの星の下で・・」がうず高く積まれていた。


私は次々に人々が手に取るそんな光景を見ながらなんとなく・・


涙がこぼれた・・・


私は成功した・・・確かに・・・


しかし、私の脳裏に木村のある一言が思い出される・・


「成功すると言うことは・・

新たな戦いの始まりなんだよ・・」と


そう・・この瞬間が私の新たな戦いへの始まりの合図であったのかもしれない。


人生は辛すぎて私の手には負えない。

2次審査通過


そんな文字を私は冷めた目で見ていた。


これがきっと、自分自身の作品であったのら涙を流して喜んだに違いない。


季節は3月、3次審査通過の知らせが来た頃にはもう卒業式の準備に追われていた。


木村は結局、就職をする事をせずにそのままアルバイトをしながら小説を書くと宣言した。


同好会の中でもっと、多くの人間がそんな生活を選ぶのかと想ったがそんなに多くは無く・・


私と親しい数人だけで後の皆は現実を選んで就職をした。


4月に入り「扉」の4次審査が行われた。


残ったのは私を入れて4人。


その中には私の記憶の中で今年、この賞を取るはずである作家の顔も見える。


未来は変えられるのか???どうなのだろう・・・


今までの審査とは違い、4次審査は大掛かりな物であった。


文芸雑誌や新聞社の記者達が私達の前に陣取りカメラを向けている。


司会者が現れいよいよ今年の優秀者の発表が行われる・・・・


一瞬の沈黙・・


大げさに司会者が渡された封筒を開いた・・・


「今年の扉の優秀者は・・・・」


私の体が一瞬、緊張のあまりに小刻みに震える・・・


「今夜も何処かの星の下で・・を書いた坂本誠さんです!」


その途端・・私はシャッターの光に包まれた・・・


私は一応・・涙を流す・・


そして微笑を浮かべた・・・


私は賞金の一千万と受賞作品の出版の権利を手に入れた・・・


私の人生が変わった。


失った人生の忘れ物を私は1つ手に入れた。


その日の夜、私の自宅の電話と私の携帯は鳴り続けた・・


最年少受賞者!天才小説家登場


次の日の新聞の見出しはそんな文字で埋まった。


私は次の日からホテルに缶詰になる。


次回作の執筆が賞金を貰う条件なのだ。


鉄は熱いうちに打てではないが、話題になっているうちにもう一儲けって感じだろう。


ただ、原稿を書くのは簡単な事であった。


その時の私の頭の中にはまるで自宅の本棚が丸々入ってるような感じであった。


読みたい本を本棚から選ぶようなそんな感じで・・・


傑作と言われる私が今まで読んだ本の内容が頭に浮かんだ。


結局は小説などと言うのは早い者勝ちだ。


どんなに素晴らしい言葉を作家が考えても世に出さなくては意味が無い。


誰かが1度でも使った言葉は・・「猿真似」と評価される。


実に不可思議な世界なのである。


私は・・・


本来なら木村が書くはずだった小説「神の目・・悪魔の心」を書き始めた。


「今夜も何処かの星の下で・・」


「神の目・・悪魔の心」


この2作は木村と言う作家の代表作になる作品であった。


私は彼から作品のみならず・・・


未来をも奪った事になる。


しかし、最初は大いなる罪悪感に包まれたものの・・


書き始めるとその作品は何時の間にか私の作品へと変わって行った・・


人間の感情とは実に都合が良い・・


だから犯罪は無くならないのかもしれない。


私は「神の目・・悪魔の心」を書き終わったのは・・


私はホテルに入って一週間後の事であった。


その頃には多くの書店で私の受賞作の「今夜も何処かの星の下で・・」がうず高く積まれていた。


私は次々に人々が手に取るそんな光景を見ながらなんとなく・・


涙がこぼれた・・・


私は成功した・・・確かに・・・


しかし、私の脳裏に木村のある一言が思い出される・・


「成功すると言うことは・・

新たな戦いの始まりなんだよ・・」と


そう・・この瞬間が私の新たな戦いへの始まりの合図であったのかもしれない。


人生は辛すぎて私の手には負えない。