と・・友美!なんでお前がここに居る??
硬直してる私に今日子は不機嫌そうに言った
「何よ!どうしたの?あんた栞ちゃんの事、知ってるの?」と
栞??この子は栞と言うのか?
「い・・いや・・知り合いによく似てるものだから・・
今日子!あの子をこの席に呼ぶ事は出来るか?」
「え~~っ!何、あんた言い出すのよ!
あなたは私のお客でしょうが!」
そう怒ったように今日子が言った
「い・・いや!違うんだ!なんか、木村が好きな女に興味があってな!
別に君からあの子に乗り換えようと思ってるんじゃないよ!
少し話をしてみたいんだ!」
ドキドキしていた・・
しかし、よくみると友美ではない。
そう確信できたから今日子にそう言ったのだ。
そうだ・・栞は友美が20代の頃にそっくりなのだ。
私と出会った頃の友美がそこに居た。
「ちょっと待ってね!そろそろあの客が帰りそうだから・・
帰ったら呼んであげるから・・」
それから10分程して私の席に栞が現れる。
今日子が嫌みったらしく私に言った。
「席・・外した方が良いのかしら?」と
「い・・いや!別に・・・構わない・・」
私の隣に腰掛けた栞の顔をマジマジと見つめる。
見れば見るほど友美に似ている。
出会ったばかりの頃の若い友美に・・
「あら、こちら初めてよね!初めまして!栞です!
今日子さんのお客様ですよね!
何度か木村さんとご一緒にいらしてますよね?」
「ええ・・何度か・・」
「うわ~嬉しい!私も呼んでくれるなんて!
失礼ですがお名前は??」
「えっ・・さ・・坂本と申します!よろしく!」
栞は笑いながら自分の名刺を私に差し出す。
そんな光景を今日子は不満そうに見つめていた。
「別に指名した訳じゃ無いわよ!
ただ、あんたに少し興味があるらしいだけ!
ほら、!三上さんが来たわよ!
どうせ・・あんたを指名でしょ!」
そう今日子が栞に言うと
「あら・・忙しい!売れっ子は辛いわ!」
そう嫌みったらしく今日子を見つめる。
そう言いながら栞は席を立った。
栞が嬉しそうにその三上と呼ばれる客に近づいて行く・・
すると今日子が私の足にそっと手を添え呟く・・
「浮気したら絶対に許さないからね!」と
私はいつの間にかこの女の男になっていた・・・
そんな気は無いのに・・・
「何??説明して!!何で栞ちゃんを呼んだのよ!」
「えっ・・いや・・実は私の妻にそっくりでね!」
そんな言葉に少しだけ今日子の顔色が変わった・・
「そ・・そうなんだ!だったら、あなたの奥さんって結構、美人なのね!」と
「えっ??そうかな?そうでも・・」
「あの子、うちの№1なのよ!それもダントツの・・
まぁ~木村さんが相当、入れあげてるって事もあるけど・・
きっと、寝てるね!あの女と・・あの人・・」
あの人・・
そう木村を呼んだ今日子の顔がなんとなく寂しい女の顔であった。
そう・・寂しい・・女の顔・・
ふと、時計を見ると11時を回っていた。
「わ・・悪い!終電の時間だからそろそろ帰るよ!」
そう言って席を立とうとすると今日子が私の袖をつかみながら呟く
「同伴もしてくれたんだからアフターも付き合ってよ!
これもポイントになるのよ!
私、子供が居るじゃない!
だから、アフターポイントをなかなかつけれないのよ!
お願い!12時まで居て!別にアフターは付き合わなくって良いから!」
12時・・
思わず蒲田から下井草までのタクシー代を計算してしまった。
最悪・・カプセルホテルにでも泊まればよい!
それに始発までなら5時間もブラブラすれば・・
「解ったよ!付き合う・・」
そんな私の言葉に今日子は嬉しそうに微笑んだ。
きっと、多くの男がこんな女の笑顔に騙されるに違いない。
もしかしたら今日子は木村が好きなのか??
なら何で私に近づいたのだ??
売り上げのためなのか??それとも何か私に隠しているのか??
いや・・そんな事を考える事が間違っているのか??
それに別に今日子が誰を好きでいようが私には関係が無い!
嫌いな相手でも売り上げのために見せるのが夜の女なのだから・・