あれから3年、今日子は何時の間にか坂本を心から愛するようになっていた。
昨夜、二人で食事に出かけた。そして何時ものように食事の後にホテルに行った。
激しいセックスをした後に坂本が今日子の長い髪を名残惜しそうになでながら呟いた。
「しばらく会えないかもしれない・・」と
今日子は驚いたようにベットから起き上がると悲しそうな目で坂本に言った。
「それ・・どう言う意味なの??」と
坂本は少しだけ辛そうに・・
「もう、こんな関係はいけないと思う。君の将来もあるし・・」と
何とも常識的な言い訳であると今日子は思った。
非常識な関係を散々、今までして来たのに最後は常識的な言葉で幕を降ろそうと言うのか?何とも男は実に身勝手な生き物である。
「それは別れると言うことですか?」
「えっ・・いや!そうじゃなく!しばらくだね!間を置いて・・その間に君に好きな男が出来たなら仕方が無い!私は潔く身を引くから!そろそろ結婚だって考えないといけない頃だろ!君だって・・」
平手の一発でもお見舞いしてやりたい気持ちを今日子は必死に堪え唇を噛み締めた。
都合の良い女?そうなの私は??
それならば今まで一緒に過ごした3年間はいったいなんだったの?何百回も私を抱きしめながら言ってくれた愛の言葉は嘘だったの??
坂本はそう今日子に言うとタバコを一本吸い吸い終ると、それがまるで何かの合図であるかの静かにベットを出ると部屋を出て行った。
次の日、今日子が会社に行くと何時もと変わらない陽気なおしゃべりの坂本が笑っていた。
一瞬、今日子は彼を睨みつける・・・
昼時間の時も坂本はまるで何事も無かったかのように今日子に接した・・
今日子は我慢できずにトイレに駆け込むとメールで「なう」の画面を出し呟いた・・
「死にたい・・」と
すると直ぐに仲間のヒデさんがなうにコメントくれメールを直接くれた・・
死にたい・・
正直、本当にそう思って居た訳ではない。でも、今の自分の気持ちを素直に文字で表すとそんな言葉以外に見つける事は出来なかった。
ヒデさんからメールが来てやり取りをする前にポンちゃんから書き込みが入る。
「姉さん!どうした?大丈夫か?あと、死にたいなんて軽々しく言うなよ!」
そんな何時もと何となく違う重い感じの書き込みに少しだけ困惑した。
しかし、直ぐにヒデちゃんからメールが来たので今日子はポンのそんな書き込みを完全に忘れてしまったのだ。
なんとなく曖昧な感じで今日子でヒデちゃんのやり取りは終わってしまった。
ヒデちゃんも何時までも今日子の事を気にしてる訳にもいかない。
彼は彼なりに店長と言う激務をこなさねばならなかったからだ。
その日の晩、雪の事が気になって嫁の目を盗んでPCの電源を入れピグの雪の部屋に行って見たが誰も居なかった。
今日子は今日子でその夜はやり切れない想いを胸に一人、飲んでいた・・
次の朝、自分の「なう」の掲示板を見た今日子は驚いた。
ポンから何度も心配の書き込みが入っていてメッセージが10通も来ていた。
「ありがとう!ポンちゃん!元気になったよ!」
今日子はそうポンにメッセージを送ると会社に向った。
私は次の日、旦那を忙しく送り出すとパートに行く準備を始めた。
念入りに化粧をするのは何年ぶりだろう?久々に気合を入れた化粧を自分の顔を鏡で見て
まだまだ、私も女として枯れてないわね!なんて独り言を呟く。
家を出る前に「なう」に書き込みをした。
「今日からパートに行きます!久々の仕事に少しだけドキドキよ(。-_-。)ポッ」
するとポンとヒデちゃんから直ぐに・・
「頑張れ!」の書き込みが入った・・
本当にこの二人はどんな仕事をしてるのだろう?もしかしてポンちゃんは本当の作家さんなのかもしれないな!
そんな事を思いながら私は久しぶりの仕事に少しだけ緊張しながら向うのであった。
「どうも先日は!店長の石川です!」
そう名刺を差し出しながら彼は言った。三島店 店長 石川秀雄
それが彼の名前らしい。
「よろしくお願いします!坂本友美と申します!」
私は少し緊張した顔で彼にそう言った。
私のそんな態度に彼は笑いなら「そんなに緊張しないで!仕事は簡単ですから!」と言った。
私の仕事は殆ど、品出しであった。まぁ~3時間の仕事ではこんな内容であろう。
しかし、私は久々の仕事になんとなく嬉しくなりウキウキしながら品物を陳列棚に並べた。
「佐藤さん!楽しそうですね!笑顔・・良いですよ!」
店長がそんな私を見ながら笑顔でそう言った。
なんとなく最初は怖そうな印象を持った彼であったが少し話をすると気さくな感じの人で
少しだけ好感が持てた気がした。
それにても気がかりなのは雪ちゃんの事である。朝、ポンちゃんが何度も「なう」に書き込みをしているのを読んだが雪ちゃんからの返事は書き込まれて居なかった。