見返り美人 | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

それからと言うもの私は会社が終わると毎晩、浴びるように酒を飲んだ。


忘れたかったのだ・・忘れてはいけない物を忘れたかったのだと思う。


今日子はあれから、数回、私に連絡をよこした。


しかし、友美からの連絡はあれ以来、まったく途絶えてしまった。


人間とは面白い物で追う事が好きならしい・・


手を伸ばせばそこには美しい私を愛してくれる女が居るのにそんな人間には興味が無く・・


手の届かない女を求めるのだ。


酔っ払って自宅に戻る。


部屋の明かりを付ける瞬間が辛かった。


孤独である自分が辛くそして怖かった・・


ふらつく足取りで私は書斎に向かいパソコンの電源を入れた。


こんな時はTVや音楽を聴くよりもネットを見たほうがなんとなく孤独感が忘れられるから・・


メールボックスを何気に開くと先日保存していたあるメールに目が行った。


「絆・メール相談」


あの時は馬鹿馬鹿しいと鼻で笑って見たがなんとなく誰かと話したかった。


自分の事を何にも知らない人間と話をしたかったのだ。


私は絆のホームページにアクセスをすると無意識に入会登録をしていた。


支払いはカードのようであった。


カード番号を入力すると登録完了の返信メールが直ぐに送られて来た。


「独り言」


そんな題名のメールに私は今の心境や悩みを包み隠さず書き込むとそのメールを送信した。


送信のボタンを押した瞬間、不思議な事に少しだけ心が軽くなった気がした。


心の重荷を少しだけメールと言う物で捨てる事が出来たような気がしたのだ。


「誰も愛せないけど愛したい。家庭のある女性を好きになってしまいました。

私はいったいどうすれば良いのでしょうか?」


現実の世界では絶対に他人にはそんな事は言えない。


それは社会からドロップアウトすると言う事だからだ。


別に返事などいらなかった。いや、むしろ、こんな戯言への返事を見る事自体が怖かった。


「そんな恋愛は止めないさい!」


そんな奇麗事な当たり障りの無い返事が来るか、私の事など、何も知らない誰かが適当にわかった様な

私への中傷を書き連ねてくるだけに違いないと思って居たからだ。


私はメールを送ると何時の間にか眠ってしまった・・・


次の日の夜も私は泥酔して自宅に戻った。


また、何気なくパソコンのメールボックスを開く。


絆から返事が来ていた。


私は少しだけ躊躇いがちにその返事のメールを開いた。


これで1000円!この値段が高いか安いかはきっと、受け取った本人しだいなのだと思う。


「恋愛には色々な形があるからね!好きになってしまったものは仕方が無いと思うよ!

それは、世間から見たら非常識な事だと思うしその恋愛によって傷つく人も居る。

でも・・それも仕方が無いって割り切るしかないんじゃないかな・・

無責任な言葉かもしれないし、別に私はあなたの味方でもないけれど・・

どんなに非常識な愛でも大切な愛は存在すると思う。

そして、その愛を貫くのか?それとも引くのはあなた次第だと思います。

でもね!こんな事を言ってはなんだけど・・

お日様の下で堂々と手を繋げる恋をした方があなたの為かもしれないね?

また、メールください!当社は指名制になっております。

もしも私でよろしければ、次回からは私宛にメールを送ってください!


私の名前はベッキーと申します。一応は恋愛の達人でございます(*⌒∇⌒*)テヘ♪


結局は自分の責任なのだ!この道を進むのも、この道を避け違う道に進むのも・・・


なんとなく気が楽になった気がした。


まぁ~あちらも商売だからきっと、そんなに強い否定はしないとは思っていたが・・・


お日様の下を堂々と手を繋いで歩ける恋愛か・・・


なんとなく自分が友美と二人で歩いている姿を想像してみる・・


なんとなく心がポカポカした。