命尽きるまで・・ | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

だからあの男以上の男性と出会う事が出来たのならきっと、自分は結婚するに違いない。だから私は「結婚できない」のではない!「結婚しないのだ!」

30歳を越えては居るが決して女を捨てた訳ではない。エステにも通っているしファッションにも興味はある。しょぼくれた独身女だけにはなりたくない!それに同年代の女性と比べたら自分は有る程度のランクの顔立ちだとも自負をしている。

あいつに捨てられなければ、自分は絶対に幸せになれたのに・・・

見得で買った高層マンションの窓から毎晩、新宿の夜景を見ながらお気に入りのブランディーを飲んでいる。そんな時に不意に清美はよく呟くのだ。

「なんで!私はこうなってしまったの?」と・・

大きな瞳から溢れんばかりの涙を浮かべながら・・・

今から13年前、清美は大学を卒業しある貿易会社に就職した。

その時、新人研修で一人の男性と同じ班になってしまったのが、そもそも清美の不幸の始まりであった。

その年は美人が多く、社内の独身男性は「豊作」などと言う言葉を使いながら色めき立っていた。

清美も当時は社内で№1かと言われるほどの美人であった。

偶然出会った一人の男・・彼の名前を坂本誠と言った。

二人が恋に落ち特別な関係になるのにそんなに時間はかからなかったと思う。

入社して一年目のある晩に誠に綺麗なピアスをプレゼントされた。

夜景が綺麗なレストランで飲みなれないワインに酔いながら清美は恋に落ちた。

それから二人は6年程、付き合う事になる。

その間に多くの同僚達が適当な相手を見つけて寿と呼ばれこの会社を去って行った。

言い寄る男が居なかった訳ではない、上司から条件が良い見合いの話も沢山あった。

しかし、清美はそれらを全て断り、誠のある言葉を待ち続けていたのだ。

「結婚しょう!お前を絶対に幸せにするから・・」

そんな言葉を・・

誠の自分に対する態度がおかしいと思い始めたのは付き合い始めて7年目の事である。

その間、清美は別に結婚について誠に催促した事など一度も無い。

偶然に見かけた一組のカップル。

そこは清美が誠に愛の告白をされた夜景の綺麗なレストラン・・

「接待で今夜は会えない・・」

そんな言葉を信じた自分が情けなく、清美は窓際の席で楽しそうにワインを飲んでいる誠を美しい相手の女性をただ、見つめていた。

「別れよう!」

そう誠に言われたのはその日から一週間後の日曜日であった。

始まりのレストランに誠に呼び出され、清美は終わりを告げられた。

それから2年後、誠はその女と結婚した。安藤友美と言う名の女。

誠と同じ営業1課のマドンナ的存在の女性であった。

嫌味なのか清美の自宅に二人の結婚式の招待状が友美から送られて来た。

当時、清美はもう既に社内では古株の女子社員として恐れられていた。

別に意地悪とか怖いとかではない。女の世界は男と違い実に複雑なのである。

この友美と言う女は多分、清美が誠の女で合った事は知らないはずである。

そうだ、社内で二人が付き合って居た事を知る人間は一人も居なかったのだから・・

清美は送られて来た招待状を握り締めながら、ただ、泣いた・・

「本当は私の名前が横に載るはずだったのよ!」

そんな言葉を呟きながら・・

それからしばらくして、総務課に在籍していた清美は友美の代わりに営業課に移動になった。実は清美本人が移動願いを出していたのだ。

少しだけ清美の事を疎ましく思っていた上司はその願いに快く応じた。

まだ忘れる事が出来なかった。結婚などもう望んで居なかった。でも側に居たかった。

誠の側に何時も居たかった。清美はそんな女だった・

誠が結婚して2年目に一人の新入社員が営業課に配属された。

彼女の名前を佐藤今日子と言った。

髪の長い色白の誠が好きそうな女であった。清美はなんとなく不安な気持ちになりながら今日子の挨拶を聞いていた。

それから半年後のある晩、清美は偶然に誠と今日子の姿を新宿の街で見かけた。

今日子は幸せそうに誠の肩に寄りかかりながら歩いていた。

向う先は解っていた。新大久保のラブホテル街・・・

「私は何であんな男が好きなんだろう??何で忘れられないの??」

そう叫びながら清美はその場に座り込んだ。

その晩、浴びるように酒を飲み見ず知らずの男に抱かれた・・・

男のタバコ臭い息を感じる度になぜか涙がこぼれ出した。

「どうだ!気持ち良いか??どうだ・・」

男のそんな言葉にわざと淫靡な目つきで男を見つめ呟く・・

「もっと、メチャクチャにして!もっと・・」と

男に激しく抱かれる度に誠への思いは愛から憎しみに変わって行く・・

「あいつにさえ会わなければ・・あいつにさえ・・」

清美は見ず知らずの汚らわしい男に体を愛撫されながら悪魔に魂を売った・・

復讐してやる!あんな奴の家庭なんか絶対に壊してやる!

そしてあいつの人生を地獄に落としてやる・・

その晩から清美の生きる希望は愛を貫く事から復讐に変わった・・

最近、清美はある情報を手に入れた。

誠は最近、ブログにはまっていると言う情報を・・