多分!続く・・№28(死人にクチナシ) | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

「先生!領収書を絶対に貰ってください!私が本間に怒られますから!」

酔っていても一応はこれが仕事であると言う認識はあるらしい。

私は笑顔で小さく頷いた。

「タクシーを呼んでもらうから!」

そんな私の言葉に友美は小さく首を左右に振りそれを拒否した!

「絶対に吐くと思います!歩きましょう!ホテルまでそんなに遠くないですから!」

ふらつく足を必死に動かしながら友美がそう言った。

「すいません!お酒なんか久しぶりに飲んだものですから!昔は送り狼殺しとまで言われた酒豪だったのに・・ダメですね!飲んで居ないと・・」

不意に友美がバランスを崩し私にしがみ付いた・・

私はその時、何であんな行動を取ってしまったのだろう?今でも正直、不思議である。

私はバランスを崩し私に寄りかかる友美をそのまま強く抱きしめていた。

「せ・・先生!ダメです!わ・・私!ダメです!」

友美のそんな言葉に私は意識を取り戻す。

「ああ・・ごめん!私も少し酔っているようだ!バランスを崩した!」

苦しい言い訳であった。なぜなら、私の両腕はそう言いながらも友美の細いひ弱な体をしっかりを抱きしめていたのだから。

「もぉ~勘弁してくださいよ!酔っ払いなんだから・・」

そんな私の行動を否定するかのように友美はそう笑いながら言った。

しかし、その目はあまりにも冷たく私を見つめている。そんな友美の視線を感じた瞬間に私の心はまるで凍るように感じられる。

友美は私の手を逃げるように振り解きフラフラとする足取りで歩き始める。

私を甘い香水の香が包み込み何とも言えない気持ちで友美の後姿を私は見つめていた。

次の日、何事も無かったような朝が勝手に訪れる。

私と友美は何事も無かったように朝食を済ませ静岡の町を目指して走り出した。

三島の駅で行きと同じように友美を降ろし私は近くのパチンコ屋に向かい少しだけ時間を潰した。今でも鮮明に友美の体の温もりとあの甘い香水の香が私の体に残っている。

ダメだ!ダメだ!あの女にこれ以上、関わってはいけない!そうだ!絶対に・・・

その時、私の台に熱めの演出が起こる。そうだ!この演出で当たらなかったら本間に言って担当を替えてもらおう!そうだ!それが良い!あの女に近づいてはいけない!神は私にそう忠告した。私は賭けをしてその神の言葉を現実の物に変えようとした。

当たるはずの無い画面に何時の間にか7が3個揃っていた。

画面に写る間抜け面の私の顔の横で悪魔が微笑んだ・・

どうやら私に付いているのは神では無く悪魔のようである。

彼は私に向かい優しく呟いた。

「地獄の扉は開かれた!ようこそ!地獄に・・」と

無事に20連の終わらない連ちゃんを終了させ自宅に戻ったのはもう10時を過ぎた頃であった。私は台所をあさり遅い侘しい夕食を食べていた。ふと隣の部屋から男と女の声が聞こえる。

「本当に女だったんだろうな!本間とグルになって俺を騙したんじゃないだろうな!」

「違うわよ!本当に女よ!」

「嘘言うな!俺に逆らうな!体に聞いてやる!本当に抱かれて無いか聞いてやる!」

「やめてよ!疲れているの!それに今夜はそんな気分じゃないの!」

バシッ!バシッ!数回、頬を叩かれる音が響き渡る。

「脱げ!その服を!汚らわしい男の匂いがするその服を脱げ!」

「止めて!あなた!勘弁して!だめ・・許して・・あぁ~~ん!だめ・・」

友美の何とも言えない拒否の言葉は何時の間にか淫靡なメスの喘ぎ声に変わっていた。

「俺が一番だろ!俺の事を愛してるんだろ!もって聞かせろ!お前の艶かしい声を!もっと!もっと!俺に聞かせろ!」

私は持っていた箸を床に叩きつけ両手で耳を覆った!

そして声にならない雄叫びを上げる・・

「止めてくれ!止めてくれ!抱かれないでくれ!そんな声を出さないでくれ!

俺をこれ以上!苦しめないでくれ!!」

私は何で泣いている?別にあの女と何の関係も無いのに・・

私は何で泣いてるのだ?

私はその場に蹲りただ、時間が過ぎるのを待っていた。

そんな事しか出来ない自分が情けなくまた涙がこぼれる。

意味の無い涙!なぜに自分が泣いてるのかも解らない涙

俺は彼女を愛してしまったのか?そんな馬鹿な!そんな馬鹿なことは絶対にない!

なぜなら私は二度と誰も愛さないと今日子と別れた瞬間に誓ったのだから。

友美の声が消えた

それと同時に私は深い眠りに堕ちて行った。

私はもしかしたら本当に地獄に堕ちてしまったのかもしれない。

次の日の朝、まいのブログを開くとデビュー曲の歌詞の募集の告知がされていた。

私は友美との約束をふと思い出す。

そして原稿用紙を取り出し歌詞を書き始める。

何時もなら勝手に頭に浮かんでくる文字がまったく浮かんで来ない。

やはり小説とは勝手が違うようである。

それでもその日の夕方にはなんとか歌詞を書き上げまいのブログから投稿した。

それから一週間後、まいのブログにある詩が掲載された。

「おめでとう!」そんな題名の記事にまいのデビュー曲の原型になる採用された歌詞が掲載された!北海道在住ken 題名「今夜も何処かの星の下で・・」