多分!続く・・№10(アンコ~ル) | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

そんなりさの言葉をかき消すかのように歌が始まる。

まいは少しだけ不甲斐ない自分に悲しそうな顔をしていた。

そして最後の曲が終わった。

舞台に整列する天使たちに多くのファン達が各々、大きな花束や可愛い熊のぬいぐるみを手渡していた。こんな時も貰える子と貰えない子の差は激しい。

沢山の花束とプレゼントを両手で抱えているのはりさやあいである。

そしてそれを羨ましそうに見つめるメンバー達の姿にこんな世界も大変なのだと私は深いため息をついた。

すると先程か会場の隅で隠れるように立っていた一人の男が大きな風呂敷包みを抱えながら舞台に走りよった。

開演前にまいのファンだと言っていた北海道から来た青年である。

「まいちゃん!まいちゃん!」

彼は必死に舞台の後ろの方に隠れるように立っているまいを呼んだ!

まいは驚いたように前に出て来る!そして彼の顔を見ると一瞬、驚いたような顔を見せる。

青年は嬉しそうにまいにその風呂敷包みを手渡した。

周りのメンバー達がそんな二人を好奇と嫉妬の目で見つめる。

ゴロッ・・そんな音を立てながら風呂敷から数個の物体が落っこちた。

何?そんな視線が一斉にメンバーから向けられる。

「ジャガイモ??ジャガイモだよね!これ・・」

メンバーの一人が笑いを必死で堪えるようにそう言った。

「今年のジャガイモは豊作で!出来が良いんだ!お前好きだろ!だから・・」

青年のそんな言葉にまいは引きつった顔をしながら呟く。

「どなたか知りませんが、ありがとうございます!これからも応援をヨロシクね!」と

そんなまいの言葉が意外だったのだろう。青年は少しだけ悲しそうな顔をした。

「イモ娘の田舎者にはベストなプレゼントよね!」

そんな心無い言葉が何処からか聞こえた。私は椅子から立ち上がり持参した紙袋の中か花束とプレゼントを取り出す。

「初ライブ!お疲れ様!まいちゃん!」

そう言いながら私は笑顔でまいに花束とプレゼントを手渡した。

まいはその場に似つかわしいプレゼントに嬉しそうに微笑んだ。

そんな彼女から逃げるように青年はゆっくりまた、暗闇に姿を消した。

まいは私に笑顔を見せながら目は彼の姿を追っていた。

そして誰にも聞こえないような小さな声で呟く。

「ごめんね!健ちゃん・・」と

その言葉と同時くらいに幕が一度降り、メンバー達が姿を消した。

「アンコ~ル!アンコ~ル!!」そんな掛け声がお決まりのように叫ばれていた。