多分!続く・・№8(ファン同士・・) | 僕が死ぬ日・・生まれる日

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僕が死んで・・生まれる日までの記録

なんとも場違いなオヤジの存在に周りのファンの若者達が私を好奇の目で見つめるかと思っていたが、そんな事は無く周りを見渡すと私と同じ年ぐらいのオッサンの姿も目立つ。

15や16歳の小娘に30歳を超えたおっさんが黄色い声援を送るとでも言うのか?

私は何となく苦笑いを浮かべ会場に入って行った。

観客席も暗黙の了解でファン同士が固まる。まいのファンの輪を必死に探したがそれらしい集団を見つける事は出来なかった。

りさ、あい、のぞみ・・そんな団扇を手に持った男達がワクワクしながら楽しそうに話をしている。どうやらこの3人がこのグループのメインのメンバーらしい。

ふと、会場の隅に目が行く。そこに一人の大男がまるで人込みを避けるかのようにひっそりと立っていた。

どう見ても地元の人間ではない。何となく田舎の香がするそんな男。

もしも、私が悪徳キャッチセールスならば100%声をかけるに違いない。

「君は誰のファンなんだい?」

私は思わず彼にそう話しかける。

一瞬、彼は驚き巨体に似つかないような怯えた目をしながら私を見つめた。

「ま・・まいです!まいのファンです!」

まい・・ほぉ~仲間なんだ!私は嬉しくなり彼に言った。

「僕もなんだよ!今日が初ライブだね!まいちゃんの・・」

そんな私の言葉に少しだけ彼は安心したような表情を浮かべる。

「ぼ・・僕!北海道から来たんです!今日のために!まいの初ライブをどうしても見たくって」

北海道から?なんとも熱心なファンだ!そしてこんな山梨の地下グループが北海道にまで知られている事に少しだけ驚いた。

「そう!北海道から、それは、それは・・今日は一緒に応援しょうぜ!」

年は18歳位だろうか?大柄な体に不釣合いな程、可愛い目をした男であった。

そんな若者と30歳を超えた私が楽しそうに話をしてる。

これがファン同士と言うものなのか?ふと、自分が想像していた以上に芸能人のファンと言うものは面白く奥が深いものではないのかと楽しくなる。

「開演5分前です!」

そんなアナウンスが流れ会場の照明が全て消された。

目の前の舞台の内側を隠すように垂らされている幕の裏で若い女性達の楽しそうな声が何気に聞こえる。

「りさ~~愛してるよ!」

そんな一人のファンの叫び声をまるで開演の合図にしたように大音量の音楽が流れ出す!

「ラブ&ピース!待ってました!」

静かに幕が開かれ、そこに20人の天使が笑顔で立っていた。