妻は名探偵 | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

職場に着き自分のデスクに座るといきなり携帯がなった。

表示に「友美」の文字

私はドキドキしながら電話に出る。

「あなた!今、何処に居るの?」

不機嫌そうな妻の声にドキドキは最高潮に変わる。

「えっ!店の居るよ!」

どうする?こいつはどんなつもりで連絡をして来てる。

何も言うな!自分からしゃべるな!相手の出方を見ろ!

「もぉ~あんまり木村さんのお宅に迷惑をかけないでくださいね!

酔いつぶれて寝てしまうなんて!見っとも無い!

木村さんの奥さんから電話をもらって恥ずかしくて何も言えなかったわよ!」

美香・・・美香が友美に電話をしたと言うのか?

なぜに?なぜに美香が知っている?木村にしか連絡をしていないのに・・

いつの間にか私を襲っていたドキドキ感は消えていた。

相手の状態がわかればそれに合わせて話せば良いだけだ。

「ああ・・悪かった!少し飲み過ぎたようで・・俺も年かな?」

そう笑いながら言うと妻は少し怒ったような口調で・・

「控えてくださいよ!友達との付き合いも大事だと思うけど!

体が心配だから・・」

この女は本当に私を裏切っているの居るのだろうか?

ふとそんな疑問が浮かぶ。

本当に・・浮気をしてるのか?と

「ああ・・解ったよ!今夜は早く帰るから・・」

そう言って私は電話切った。

解らなくなっていた。本当に・・

しかし、妻が浮気をしてる事実と相手の男への怒りは今でも存在してる。

嘘かも?そうかも・・違うのか?いや・・嘘かも・・

そんな言葉が何度も私の脳裏を駆け巡っていた。

「店長!今度、その店、連れて行ってくださいよ!」

急にそう部下の一人に言われて現実に戻る。

「その店?何処だよ!その店って・・」

「えっ?店長が最近、はまってる店ですよ!

クラブですか?それともキャバクラ??」

「何でそんな風に思うんだ?」

「えっ・・だってその甘い匂い・・女の香水でしょ?」

最近、よく匂いますよ!その香り・・」

私は少しだけバツが悪そうに部下を見つめる。

「ばれた?悪友がさ!キャバクラにはまっていてさ!

最近、よく付き合わされるんだ!今度、一緒に行こう!

結構、可愛い子がいるんだ!」

そんな私の言葉に彼は疑わしそうに私を見つめる。

基本的に私はそんな飲み屋に行く人間では無い事を彼は知っているのだ。

「本当ですか!お願いします!」

しかし、そこは大人・・彼はそう無難な言葉を残し去って行った。

美香が何で・・

彼が去ると急にそんな疑問が私の脳裏に浮かぶ。

するとまた、携帯が鳴る。

見慣れない番号?誰だ・・

「はい!坂本です!」

そう慎重に出ると・・

「あら・・どうも!お助け美香ちゃんです!」

そう私を馬鹿にするように相手が答えた。

美香・・

「お前!何で俺の番号を知ってるんだ?」

「えっ・・だって毎晩、私、旦那の携帯をチェックしてるから!

それに誠の番号って昔と変わって無いし・・」

携帯をチェック・・だから・・知っていたのか?

いや・・そんな訳は無い!だってあれは秘密の暗号なのだから・・

何で知ってる?俺が家に帰らなかった事を・・何で?

「で?俺に何の用だ?」

「あら。お言葉ね!助けてあげたのに・・」

「お・・お前!何で知ってるんだ?」

「えっ・・何年、旦那の携帯を盗み見てると思ってるのよ!

あんな暗号・・」

ばれている・・秘密の暗号が・・

「それで!報告!よろしく!」

「えっ?報告って何だよ!」

「何だよじゃないわよ!探りに行ってくれたんでしょ!旦那の事・・

あのね~あんた、探偵なんだからね!もっとしっかりしてよね!」

私はいつの間にか探偵にされていた。この美香と言う女の中で・・

「それで?どんな女?あいつの女は??」

世界で一番の名探偵は・・きっと自分の妻に違いない!私はそう思う。