家訓!「休日は家族サービスのこと!」 | 僕が死ぬ日・・生まれる日

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僕が死んで・・生まれる日までの記録

日曜日の朝、前日からそわそわしていた妻の様子はより忙しなかった。


「デズニーは何時に開園かしら?

遅くても8時前には家を出ないと!

8時前には・・」


何度も8時前と言う事を強調する妻を見つめながら・・


あ~こいつは8時過ぎに家を出たいと思っているのだと感じた。


7時50分に私は娘を連れて家を出る。


車の助手席にちょこんと嬉しそうに笑いながら娘が座っている。


車のサイドミラー越しに笑顔で手を振り私達を見送る妻の姿を見える・・


「嘘つきめ!」


私は小声でそう呟いた。


「えっ?パパ!今、なんか言った?

最近、独り言多いよ!年ね~~」


娘はそう楽しそうに私に言った。


私はしばらくサイドミラーを見つめていた。


妻は嬉しそうに笑いながら急いで家に戻った。


邪魔者は消えた・・急がなくて!彼に会いに・・・


そんな声が聞こえたような気がする。


幸せは・・・


今、私が感じている幸せはきっと、本当の幸せではない。


幸せではなく・・きっと、それは安定なのだ。


それも不安定と常に隣り合わせになっている。


何かの小さな出来事で消えてしまう。


それを私達は小さな幸せだと勘違いをして・・


満足し、必死に守ろうとしている。


きっと、世の中に本当の幸せなど存在しない。


そして、世の中に本当に愛し合っている幸せな家族なんか存在しないと思う。


皆、見せ掛けの幸せを守るために家族を演じている役者でしかないのかもしれない。


私はそんな戯言を思い千葉の遊園地を目指し車のアクセルを踏んだ。


時間は9時・・・


妻の友美は自分を最大限に着飾りながらアルタの前に立っていた。


その少し斜めの駅の公園に1人の男がそんな妻を見つめていた。


「お前の嫁さんの顔なんか、忘れちまったよ!」


そう呟く木村に私は自分の携帯から妻の写メを彼の携帯に転送する。


「こんなに美人だったか?お前の嫁さん?」


その写メを見つめながら木村がそう呟く。


「そうでもないよ!こんな女・・・」


私は照れたようにそう木村に呟いた。


しばらく木村は妻を見つめていた。


チラットと時計を見ると時間は9時を少しだけ過ぎている。


すると妻が突然に笑顔になり大きく右手を上にあげ左右に振った・・・


木村はその視線の先を見つめる。


高そうなスーツに身を包んだ20代の茶髪の男が笑顔で歩いてくる。


「あいつか??確かにカッコイイな・・」


木村は少し、嫉妬じみた口調でそう呟いた。


そしてポケットからデジタルカメラを取り出し2人を写真に収めた。


「こいつは誠には少し悪が面白くなって来たな!

ユカとの約束をすっぽかして来たかいがあったってもんだ!」


その日、木村も本当は娘のユカと動物園に行く約束をしていた。


休日は家族サービスの日なり!


木村の家のリビングに貼られている家訓・・・


木村の妻はよく「主婦には休日は無い!」なんて木村に文句を言うが・・


木村から言わせれば男も同じである。


毎日、朝から晩まで働いてたまの休日は家族サービスだと言われ連れまわされる・・


しかし、きっと、これが家族を持つ事なのだと自分に言い聞かせ頑張って来た。


旦那にも自由は無い・・


それは妻も旦那も同じなのかもしれない。


2人がゆっくりと歩き出す。


木村は急いでデジタルカメラをポケットにしまい込むとゆっくりと歩き出した。