勘違い・・ | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

その日の夜に飲み会が開催された。


メンバーは、私と木村、今日子と友美の4人であった。


「純子は呼ばないのか??」


木村が不思議そうに私に聞いた。


どうも、この世界では仲良し5人グループらしい。


「ああ・・あいつも誘ったんだけど今夜は都合が悪いんだとさ!」


私は嘘をついた・・


本当は純子を誘っていなかった。


なぜか・・私は純子と言う女が怖かったからかもしれない。


自然と彼女を避けるようになっていた。


飲み会は、「木村と友美のカップル誕生祝賀会と今日子の失恋慰め会」と言う・・


大人の感覚では理解できない趣旨で行われた・・・


ようは・・ただの飲み会なのだ。


学生の飲み会などそんなものなのかも知れない。


11時をまわると何時ものように木村が時計を見ながら叫び出す。


「やば!終電じゃん!」と


それを合図に飲み会はお開きになる。


私は今日子を自宅に送る事にした。


今日子のアパートは私の降りる駅の1つ後の駅であったが歩いてもさほど遠くは無い。


2人で最終電車に乗り込み自宅に向った。


駅を降りて二人でくだらない話をしながら歩き出す。


それは・・何時もと変わらない光景・・


「ねぇ~誠・・」


「何だ??」


「島田君は何で私を嫌いになったのだと思う??」


「えっ??何でだよ!」


「だって・・私、彼に振られた理由がわからないから・・」


「多分・・あいつが本当の今日子の良さを理解できない子供だったんだろ!」


そんな私の言葉に今日子は納得が出来ないような顔をした。


「あのな!今日子・・

本当に好きだったらな!たとえ何があっても別れないんだよ!

どんな苦しみが待ち構えていようと・・

自分がどんなに傷つく事になろうと・・

愛する女を男は手放す事なんか出来ないんだよ!

島田がお前と別れたと言う事はさ~

その程度だったって事さ!

あいつのお前に対する想いが・・その程度だったのさ!」


私がそう言い終ると今日子は私の肩に寄りかかり・・


「でも・・別れは辛いもんだよ・・誠・・」と呟いた。


今すぐにでも・・抱きしめたい。


今夜の今日子はそう思わせるほど、魅力的な女であった。


本当は気弱になっている女を口説くのは自分のポリシーに反する行為であった。


しかし、私はもたれかかる今日子の肩をグッと抱きしめ・・・


「お・・おれ・・は・・お前を絶対に・・」


そう呟いた瞬間・・また、背後に人の気配を感じる・・・


「えっ??何??誠・・何か言った??」


私はゆっくりと後ろを振り返った・・・


そして私達を睨みつけるように見つめる女の顔を見た瞬間・・


私の全身に鳥肌が立ち・・体が震えた・・


「ど・・どうしたのよ!誠・・・」


驚いたように今日子も後ろを振り返る・・


そして・・言った・・


「あれ!純子じゃない?どうしたの??」と・・


「やっぱり~何か良い感じのカップルが居るな~って見てたら・・

もしかして誠と今日子??とか思ってさ~

やっぱり正解だった!」


純子は笑顔で私と今日子に近寄って来た。


「用事は済んだの?今夜、来れなくって残念だったよね!」


私は一瞬、全身に悪寒が走る・・


「ええ・・今、用事が済んでね!家に帰る途中だったのよ!

終電が終ってしまったから歩いていたの・・」


「そう・・大変ね!」


そう今日子は純子に言うと私に向かって言った。


「誠、私はもう大丈夫だから・・純子を送ってあげてよ!」と・・


私はあからさまに嫌な顔をした。


しかし、今日子は気がつかなかったようである。


「そんじゃね~」


そう呟くと今日子は足早に自宅へと走り出す。


今日子の姿が暗闇に消えると・・純子は微笑みながら呟いた・・


「なんか・・お邪魔してしまったようで悪かったわね!」と・・


なんとも・・なんとも表現できない冷めた微笑を浮かべながら・・


「お・・お前はいったい誰なんだ!

何で何時も!何時も!俺の邪魔をするんだ!」


そう叫びそうになった・・でも私はその言葉を必死に飲み込んだ・・


言ってはいけない・・


それは動物の防衛本能に似た・・脳からの命令だったのかも知れない・・


私と純子は歩き出す。


不意に純子が私の手を握った・・


「えっ・・お・・おい!何だよ!」


焦った顔をした私を見て純子は笑いながら言った・・


「純なのね!誠・・可愛いわ・・本当に・・本当に可愛いわ・・」と


私はその時に思った・・


時期が来るまで俺に告白をさせない気なんだ・・


俺をこの世界に招いた悪魔は・・・


もしかしたら・・


私は人生をリセットしたのは無いのかも知れない・・


ただ・・得体のしれない悪魔のゲームの駒として送り込まれただけなのかも??


私はその時期が来るまで今日子に自分の想いを告げる事を止める事にした。


たぶん・・今日子の答えが、このゲームのゲームオーバーを告げる合図なのだと思ったから・・


もう少し・・私はこの世界に居たい・・もう少し・・


私は純子と夜の暗闇に消えて行くのであった。


人生は辛すぎ私の手には負えない・・


そんな言葉を呟きながら・・


誰かの声が聞こえた・・


「この女の正体を探ってはいけない・・

この女の正体を知った時に・・

お前は消えてしまうのだよ・・」と