地獄?の扉は開かれた! | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

私はたまに考える事がある。


もしも、魔法が使えたら自分は一番先に何をするかと・・・


もしも、人生の中で1度だけ魔法が使えたら・・


私はきっと、言うだろう・・・


もう一度・・人生をやり直させてください!と・・


今夜も私は最終電車の指定席に座っている。


「家が欲しいの・・大きな家が・・」


そう妻の友美が言い出したのが今から丁度、2年前の事であった。


私の名前は坂本誠、東京の貿易会社で営業の仕事をしている。


自慢ではないが、そこそこの給料も貰っているし・・・


現在、課長と言う役職を貰っている私は同期の人間から比べれば優秀な方であると思う。


妻と結婚したのが今から5年前・・


結婚して次の年に長女が生まれた。


現在3人家族・・・次にもう1人増える予定無し・・・


私は大きなリスクと引き換えに静岡の片田舎に夢のマイホームを購入した。


それと引き換えに私は片道2時間30分と言う長い通勤時間を背負わされる事になる。


何度も・・何度も・・反対をした。


しかし・・私の希望など聞き入れてくれる妻では無かった。


別に夫婦仲が悪い訳ではない。


今でもたまにデートをする。


結婚した今でも恋人同士のような関係だ。


ただ・・・


私は何時も妻とある女を何かある度に比べている・・・・


その女の存在は・・・


正直に言うと私の人生の最大の悔いであると言っても良いであろう・・・


そう・・・


その女性とのもう1度・・恋をしたい。


それが私の願い。


もしも、1度だけ魔法が使えるのなら・・


もう一度、今までの人生をリセットして・・


今度はちゃんと彼女にふられたい・・・


自分が年老いて死ぬ時に大きな悔いを残さないように・・・


ただ、そんな魔法など使えるわけも無く・・


きっと、私は死ぬまで自分の妻とあの女を比べながら生きて行くに違いない。


彼女の名前は佐藤今日子・・・


私が永遠に愛する事を誓った女である。


私は今日子を愛してる。多分・・いや・・きっと・・・愛している。


妻が居るのにそんな事・・卑劣な男だと罵声を浴びさせられるかもしれないが・・・


仕方が無い。


ただ、それは自分の心の中で未だに未練と言う名の思いで作られた小さな希望なのかもしれない。


愛してるのか??いや・・もしかしたら・・愛していないのかも???


本当は・・それを確かめたいのかもしれない。


時計を見ると夜中の12時をまわっていた。


最終電車など始発電車と同じようなもので・・


降りる人間も殆ど同じメンバーである。


私は駅を出ると自宅に向かい歩き始める・・


しばらくすると小さな明かりが目に付いた。


「何だろう??こんな夜中に・・こんな寂しい場所で・・・」


私はなぜかその光に導かれるかのように近づいて行った・・


まるで、電灯の明かりに吸い寄せられる羽虫のように・・・


その明かりの正体に気が付いたのは大分、その物体に近づいた頃であった。


「占いか・・珍しいな・・・」


そこには1人の老婆が座っていた。


こんな場所でこんな時間にお客など居ないだろうに・・・


私はそう思いながらその老婆の前を素通りしようとした。


「待ちなされ!そのお人・・・待ちなされ・・・・」


それが私の世にも不思議な世界への旅立ちの幕開けであった。


人生は辛すぎて私の手には負えない。