邪心・・・ | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

晃の中学生活が始まった。


父の義明の新しい店は最初は抵抗を感じられていたが便利だと口コミで広がり少しずつ繁盛し始める。


小雪の旅館は毎日、多くの観光客が珍しい露天風呂を目当てに訪れていた。


そんなある日、晃が自宅に帰ると小雪が真っ青な顔をして寝込んでいた。


「小雪ちゃん!具合が悪いの??」


そんな晃の問いに・・


「うん・・昨日からなんとなくね・・」と


「オヤジには言ったの??」


そんな問いに小雪は首を横に振った。


晃はそのまま近くの小さな診療所に先生を迎えに走った・・


「おめでたですね!4ヶ月ぐらいかな?

詳しい事は今、わからないので・・

体調が戻ったら1度、大きな病院に見せに行きなさい・・」


晃はそんな医師の言葉に耳を疑った・・・


「俺に妹か弟が出来るのか???」


小雪は突然の幸せに目にいっぱい涙を溜めて言った・・


「もう、赤ちゃんなんて授からないと思って居たのに・・」と


その知らせは直ぐに義明に連絡をされた。


義明がその後直ぐに駆けつけたのは言うまでも無い・・・


「で・・出来たのか!俺たちの子供が・・」


義明は小雪を抱きしめながらそう呟いた。


そんな光景を見ながら・・


晃は少しだけ不機嫌そうな顔をした。


なんとなく・・なんとなく・・孤独であった。


なんとなく・・・


目の上にある大きな傷・・


それは晃にとって大きなコンプレックスになっていた。


そして、その傷を多くの人間が生意気の象徴として見ていた。


その日も晃は2年生の不良たちに屋上に呼び出されていた。


「お前・・俺らにガンくれたべ!」


リーダー格の少年が晃にそういんねんを吹っかける・・


「そんな・・僕は・・」


晃はそんな奴らがうざったく仕方が無かった・・・


そんな全ての人間が・・


「うざいんだよ!お前・・・」


1人の男がそう言いながら晃の腹に重い拳を・・・


ウッ・・・・


晃の口の中にすっぱい胃液が逆流し・・


口の中が何とも言えない違和感に包まれる・・・


「俺は別に不良でもなんでもない・・

そっとしておいてくれよ!

俺は別に目立ちたくないんだ・・

目立つということは・・苦しみしか生まないのだから・・」


晃のそんな言葉に余計に彼は憤激した。


周りの仲間も集まり集団のリンチが始まった・・・


薄れる意識の中である心が何かを解き放った・・・


晃に心に住む・・・


悪魔と言う名の・・感情を・・・


次の瞬間・・・


1人・・また・・1人・・


次々と血まみれの2年生達がひび割れたアスファルトに倒れ込む・・


「こ・・拳は!誰かを痛めつけるために使うんじゃね~んだよ!

拳はな!大切な相手を守るために使うんだ!」


地面に倒れこむ彼を見つめながら晃はそう呟いた。


そんな彼を屋上の建物の影からじっと見詰める一人の人間が居た・・


そんな存在にその時の晃は気が付く事は無かった・・・


それが、晃の激動の中学生活の幕開けのゴングであった・・