秘密のノート | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

人はなぜに孤独を怖がるのだろう・・


何時も仲間に囲まれていたい・・


1人になりたくない・・


そんな戯言を繰りかえりながら・・・


孤独以上の人間関係と言う名の苦しみに心を痛めていく・・


別に1人でも良いではないか??


別に親友などと言える人間など必要が無いでは無いか??


所詮は人間など冷たい者である。


結局は自分が可愛いのだ。


そんな事をわかっているくせに・・


多くの人間は仲間を常に求めそんな複雑な人間関係に心を痛めている。


晃から言わせればそれはあまりにも子供じみた考えであった。


ただ、残念な事に晃は子供であったのだが・・


彼の名前を秋山と言った。


彼の父親は三島市の偉い役人であった。


晃はその事をよく知っていた。


だから、そんな秋山の道路が出来ると言う話にも現実味を感じた。


昔、父の義明が話してくれた。


商売とは人を観察する事から始まる・・・と


才能や商品を選ぶ能力はその次であると・・


お客を観察できる経営者が成功するのだと・・・


晃はその言葉を大切にしていた。


そしてクラスの人間を毎日、よく観察をしていた。


「道路が出来る・・・」


秋山の話は実に現実的であった。


「凄いな!お前!その情報・・何処から??」


情報源など聞かなくてもわかっていた。


彼の父親からに決まっている。


「晃ちゃん!君だけに言うけど・・」


君だけに言うけど・・


人間はそんな言葉が好きである。


それが友情の証のような錯覚をしているからだ・・


「家のオヤジの机の上に書類があるんだ!

伊豆横断道路計画書とか書いたぶ厚い書類が・・

それで、最近、毎晩、その書類を見ながらオヤジが誰かと電話で話をしてる・・

絶対に道路が出来るんだぞ!凄いよな!」


晃はその書類が見たくて仕方がなくなった・・


「秋山!今度、お前の家に遊びに行って良いか??」


秋山はがり勉タイプの子供であった。


それに一応はキャリヤの役人の子供である。


周りに居る多くの子供達は彼を敬遠していた・・・


「えっ!本当に!ぜひ!来てくれよ!

お母さんに美味しいお菓子を用意するように言っておくから・・」


それから3日後、晃は秋山の家に居た。


大きな一戸建ての家であった。


部屋が何個もあるような・・そんな晃の住む長屋とはまるで別世界のような・・


応接間に通されると秋山の母親が嬉しそうに紅茶とケーキを持って現れる・・


「雄一がお友達を連れてくるなんて初めてなのよ!

晃君・・仲良くしてあげてね!」


そんな優しそうな母親の笑顔に少しだけ晃はイラついた・・・


「なんか!かくれんぼが出来そうな広い家だな!」


晃は笑いながら言った。


そんな晃に秋山は照れくさそうに・・


「晃ちゃん!俺たち、親友になろうよ!」と馴れ馴れしく笑顔で言った・・


くだらない・・何が親友だ・・


晃は心の中でそう思ったが笑顔で答える・・


「ああ・・俺たちは親友になろう・・」と


人間とはなんて愚かな生き物なのだろうか??


そんな言葉に安心をする・・そんな戯言に・・・


それから、数回、晃は秋山の家を訪れた。


その度に探検だ!と言って彼の父親の書斎を探した。


そして彼の父親の書斎を発見した数日後、晃は計画を実行した。


「雄一!マジでかくれんぼしないか!」


その日、丁度、秋山の母親は不在であった。


「うん!良いよ!」


秋山が鬼になり晃が隠れる。


秋山が目をつぶり数を数え始めると急いで晃は書斎に向った。


何処だ!何処にある・・その書類は・・・


晃は必死に・・それでいてとても冷静に彼の父親の机の上を物色した。


そして、とうとう一冊の書類を発見する。


「伊豆横断道路計画(最終版)」


そう書かれた書類・・


晃はむさぼるようにその書類をめくった。


そして、その文章を暗記しはじめる。


前の晩に晃は義明にそれとなくこの計画を話してみた。


「そうだな!道路のルートがわかれば大きな商売になるな!

まぁ~そんな事は無理だけど・・」


そんな言葉を思い出す。


晃は必死に道路の予定ルートを暗記した。


「晃君!どこだよ!何処!!」


幾ら探しても晃を見つけることが出来ない秋山がふてくされながらそう叫び出す!


晃は一旦、暗記する事を中止するとそっと、その部屋を後にした。


そして直ぐにトイレに駆け込み、今、覚えた内容を丁寧にノートに書き写した。


晃はその行為を5回、鬼ごっこをしながら繰り返した。


「ただいま!あら、晃ちゃん!来ていたの・・」


そんな言葉を呟きながら秋山の母親が帰宅したの丁度、晃が全ての内容を書き写した後であった。


「ええ・・あっ!もうこんな時間だ!そろそろ帰ります・・」


晃は丁寧に母親にお辞儀をするとまるで逃げるように秋山の家を後にした。


ドキドキしてた・・とても・・


しかし、それドキドキは、盗み見た行為によるものではなく・・


これから訪れる自分が考えも出来ないゲームの訪れを予感させるドキドキであった。


自宅に戻るともう、義明は自宅の戻り夕食を食べていた。


「おう!晃・・遅かったな!」


そんな義明の言葉に晃が嬉しそうに鞄から例のノートを出した。


「オヤジ!これ、見てくれよ!昨夜の話の内容をメモって来たんだ!」


義明はまるで晃の子供の遊びに付き合うかのようにそのノートを開き読み始める・・


しかし、数分後・・手が震えだした・・


「お前・・これ、どうやって手に入れたんだ!」


震える声で義明は晃に聞いた・・


「秋山のオヤジ・・三島市の役人なんだぜ・・」


そんな息子の言葉に一瞬、義明はニャっと微笑んだ・・


「お前はやはり、俺の子供だな・・

このノート少し貸してくれよ!」


義明はそう晃に言うと食事もそこそこに急いで何処かに出かけて行った・・


「なんか・・新しい遊びを見つけた顔ね・・あの人の顔・・」


小雪は笑いながら晃にそう呟いた・・


※今回のお話はこれでお終いです!

皆様!ごきげんよ~~~う(=^_^=)