「義明さん!トイレットペーパー100ケース確保出来ました!」
そう義明に三島店の店長の佐々木は誇らしげに言った。
「そうか!今、何処も品不足だからな!引き続き探してくれ!」
そんな義明の言葉に佐々木は言った
「でも、なんか人間って不思議ですよね!
無いと言われるとどうしても欲しくなる・・
店がわからしてみれば、1個100円のこんな物が何個売れようが
あまり関係が無いのに・・・」
そんな佐々木の言葉に義明にふとアイデアが浮かんだ。
「なぁ~佐々木!トイレットペーパーあげちまうか???」
「えっ?意味がわかりませんが??」
「だから・・お客に無料で配ってしまうか!と言ってるんだよ!」
正直、佐々木は義明が気が狂ったのかと思った。
「しかし、今、一番、お客が求め居るものですよ!
飛ぶように売れるのにもったいないじゃないですか??」
そんな佐々木の言葉に義明は笑いながら言った・・
「だからお前は甘いのだ・・」と
義明はそう呟くと大きな模造紙を取り出しマジックで何やら書き始める。
「緊急速報!売り切れ御免!
3千円以上お買い上げのお客様にトイレットペーパー1個を
無料サービス」
そう書き上げると義明は満足そうにその紙を三島店の店頭に貼り付ける。
「明日から限定50ケースずつでやるぞ!佐々木・・・」と言った。
佐々木はそんな義明を尊敬の眼差しで見つめるのであった。
義明のアイデアは成功をした。
多くの店は通常の3倍近い値段で売っているのに義明の店ではそれを無料で配ると言う!
それも3千円違う商品を買うだけで・・
トイレットペーパーを買うだけではそれしか残らない・・
しかし、彼の店は違う!違う商品を手に居いれてトイレットペーパーも手に入れられるのだ!
多くの客が早朝より長い列を作った。
それから数ヵ月後、そのあまりの集客力に周りの馬鹿にしていた店の店主も真似をし始めた。
「佐々木!今、トイレットペーパーの在庫はどの位だ??」
そんな義明の言葉に・・
「200ケースぐらいです!
でも、問屋はウチが望めば幾らでも回すと言っていますよ!」と
佐々木は誇らしげに言った!
「解った!もう、トイレットペーパーを仕入れるのは止めろ!
今の在庫を売り切ったらイベントも中止する!」
「えっ?でも・・・」
佐々木が言いたい事は解っていた。
世間ではまだ、トイレットペーパーを探している。
仕入れれば仕入れただけその日に売れていたのだ。
「な・・何でですか??」
そんな佐々木の問いに義明は笑いながら言った・・
「成功する秘訣は、腹八分目だからだ!」と・・
その言葉通りに義明の店の在庫が全て無くなった数日後・・・
「石油!輸入再開!」と大きな見出し・・・・
義明は誇らしげにその新聞記事を眺めていた。
それと同時に多くの店の店主が溢れる在庫の処分に真っ青になった。
今回の事件で義明の店は大変な利益を上げた。
「義明さん!もう一店舗ぐらい出せるんじゃないですか??」
そんな佐々木の問いに義明は不機嫌そうに考え事をしていた。
「こんなはした金では足りない・・」
義明の瞳の奥に・・
決して消える事が無い野望・・
小雪には忘れると言ったが義明は決して忘れてはいなかった・・
あの日の・・
悦子が死んだ夜の・・
山田屋の人間の楽しそうな笑い声を・・
晃は3年生になっていた。
そんなある日、教室で皆が雑談をしていた。
「すげ~情報!今度、この辺に大きな道路が通るらしいぜ!
国道から伊豆まで伊豆半島を真ん中から突き通すんだって!」
そう自慢げにクラスの1人の生徒が言った。
小学生にそんな話は正直、興味の無い事であった。
しかし、そんな中、1人、彼の話を真剣に聞いている生徒が居た。
晃である。
「おい!なんか面白そうな話だな!もっと詳しく教えてくれよ!」
そう晃は微笑みながら言った。
金の匂いがした。
カエルの子はカエルなのか・・
晃もそんな男であった。
時の総理大臣が「日本列島大改造論」なんて事をしきりに国民に語りかけていた・・
そんな頃の話であった・・
※今回のお話はこれでお終いです!
皆様!ごきげんよ~う(=^_^=)