親子の絆 | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

「晃!新しいかあ~ちゃんが出来るぞ!」


その日の晩、義明は既に深い眠りについている晃を無理矢理起こし嬉しそうにそう言った。


晃は寝ぼけた表情をしながら、そんな久々に見る嬉しそうな顔の父に一言、呟く・・


「良かったね!とおちゃん・・」と


それから数日後、義明は小雪の全ての借金を返済した。


それが住むと近所の住人を集めてささやかな披露宴を開催した。


大いに盛り上がる会場・・


「今夜は美味い酒だ!」と長屋の男達はたらふくただ酒を飲み干した。


そんな中・・


義明は妙な視線を感じていた。


それは会場の入り口のドアの辺りから感じる冷たい視線・・・


ふとその場所を見つめると・・


悔しそうに顔をしかめる小池の姿があった。


これが義明と小池との長い戦いの合図だとも知らずに・・


義明は自分に訪れた小さな幸せに酔っていた・・


3人での生活が始まった。


別に今までの生活と何一つ変わるわけでは無かった。


ただ、今まで夜になると帰って行った小雪が帰らないだけであった。


ただ、晃はそんな生活を幸せだと感じていた。


ただ1つ変わったのは、悦子が死んで毎晩のように二人で言っていた言葉が消えた。


小雪はあの晩に義明に言った・・


「結婚する条件は一つだけ・・

もう、山田屋さんを怨むのは止めて欲しい・・

悦子さんもきっとそんな事は望んで居ないと思うから・・」


義明はその小雪の条件に小さく頷いた。


しかし、大人の義明にとって毎晩の言葉はある意味、行事であっても・・


幼い晃にとっては生活の一部であった。


何年も寝る前に呟いて来た言葉・・


「絶対に山田屋の人間を許さない・・」


そんな恨みの言葉・・


晃がその言葉を寝る前に念じようとすると義明はもの凄い剣幕で晃を叱った!


晃はそんな父親を見ながら何とも言い表せない憤りを感じていた。


今まで自分達が人生の目標として目指して居た事・・


それを否定された気持ちになったのだ。


今まで厚い絆で結ばれてきた親子の間に・・


小さな溝が生まれた瞬間であった。


しかし、晃は賢い子供であった。


そんな気持ちを押し隠すように笑顔で父に言った。


「ごめん・・もう言わない・・」と


義明はそんな晃の言葉に安心をしたように微笑んだ。


それから数年後、毎日のように新聞やニュースが書き立てる大事件が起こった。


「オイルショック!トイレットペーパーが消える日・・」


そんな見出しのニュースが毎日のように世の中に不安を仰いだ・・・


晃が8歳になろうとしていた・・そんな頃の話である・・


※今回のお話はこれでお終いです!

それでは皆様!ごきげんよ~~う(=^_^=)