義明はつがれたビールを再び飲み干して言った。
「小雪さん・・
良かったら、借金、俺が肩代わりしようか??」
そんな義明の言葉に
「えっ?またまた・・そんな冗談を・・」と小雪は微笑みながら言った。
「金額を見せてもらったけど払えない額ではない。
それに今の私があるのも君が居てくれたおかげだと本気で思っている。
それの恩返しだと簡単に思ってくれれば良い。」
そんな彼の言葉に小雪は少し考え言った・・
「遠慮しておくわ・・」と
「な・・何でだ!何で・・」
「私・・あなたに借りを作りたくないの・・あなただけには・・」
「別に肩代わりをしたからと言って君に何をしろと言う訳ではない!
私はそんな卑怯な人間ではないぞ!」
少し興奮気味に義明はそう叫んだ・・
「解っているよ!そんな事・・解っている・・」
「なら、何で何だ!」
「えっ・・
それは・・
あなたの事が・・好きだから・・」
頬を赤く染めながら・・
小雪はまるで少女のようにそう呟いた・・・
「えっ・・・え・・ええ~~~~~~~~っ!」
義明はそんな突然の小雪の告白に動揺した・・・
「だから・・
私は不器用な女だから・・
大好きな男に借りを作りたくないの!
だってその為に好きだと言ったみたいでやじゃない!
そんなの・・」
そう呟きながら小雪は微笑んだ・・
「それに、私、この店を閉めようと思っているのよ!
ここもばれてしまったみたいだし・・
皆にも迷惑をかけたくないし・・
明日の朝にこの街を出るわ!
どうせ、身寄りなんか無いんだし!
女だから・・
お金を稼ごうと思えば幾らでも方法はあるしね!
ありがとう!義明さん・・
私、悦子さんに会えてよかった。
彼女が死んだ時に私も死のうと思ったのよ!
でも、あの日の晩に・・
悦子さんが私に会いに来たの・・
夢の中で・・
そして言ったの!彼と晃を頼みます・・って
そうか~私は悦子さんに恩返しなんか何もしてなかったって!
その時に思った・・
だから死ぬのを止めたのよ!
私の悦子さんへの恩返しは・・
義明さんと晃君が不住なく暮らせて行ける様に助ける事!だってね!
でも、これ以上、ここに居たらあなたにきっと、迷惑をかけるわ!
だから私はこの街を去ります・・
ありがとう!義明さん・・
私にもう一度・・笑顔をくれて。
晃君とあなたと一緒に居られて何時も笑っている自分がいた!
あ~私も笑えるだって本気で嬉しかったよ!
あなたには、あなたに相応しい女性が絶対に居る!
私の役目はこれで終わりみたい・・」
「な・・何が俺に相応しい女だよ!
そんな奴!そんな奴・・・見つけられないよ!
それに・・そんな奴は悦子以外に居るとすれば・・
小雪・・きっと、お前だけだ!
小雪!俺と結婚してくれ!」
義明は顔を真っ赤にしながらそう叫んだ・・
小雪の目に一筋の涙・・・
「ばかね・・
さっき、私の過去を話したじゃない・・
私は夜の街で体を売っていた女なんだよ・・
ばかね・・
私は汚れてしまった女なんだよ!
あなたには似合わないわ・・」
「お前の何処が汚れているんだ!
もしも、お前が汚れているのなら・・
俺と晃の笑顔で洗い流してやるよ!
お前が何時も笑っていられるように・・・」
それは義明の心からの言葉であった。
そして最後にもう一度・・呟いた。
「小雪!俺はお前を愛している・・
だから結婚をしてくれ!」と・・
小雪は目にいっぱい涙を溜めてうつむきながら言った・・
「馬鹿ね・・こんな女に・・・ありがとう!」と・・
義明は笑顔で言った・・
「俺は馬鹿な男だけど・・
女運だけはあるようだ・・」と
※今回のお話はこれでお終いです。
それでは皆様!ごきげんよ~~う(=^_^=)