これは仙樽の滝に続く川原にかかる吊り橋。ここから対岸に渡って少し登ると、また水路沿いの遊歩道に戻れます。



 そこから仙樽の滝への道を見下ろすとこう。通れた頃からこんな感じでしたが、右手の岩壁が少し崩れていてまだ崩落の恐れがあるので行けなくなってます。橋の上からも滝が見えないのが残念ですね。


 橋を渡って水路沿いの遊歩道に上がり、少し進むと取水口。もっと奥の堰堤から水路が続いてますが、ここは中継地点のよう。山から下ってくる流れがあり、ここも天然のクーラーで気持ちよいです。


( * ̄▽ ̄)v- このパイプには時々 岩魚かな?魚がすうっと入っていくのが見られます。公園内は釣りは禁止だと思うけど、少し下流の本谷園に岩魚料理店があり、上の高樽の滝に続く道沿いでは渓流釣りの人を見かけます。付知川は里だと鮎釣りが盛んで、上流域は水温が低く鮎が食べる苔が生えないので冷水を好み雑食の岩魚のフィールドです。本谷園も吊り橋から見下ろす青い淵が綺麗すね。近年はお店のお客しか吊り橋を渡れなくなったのが辛い(涙)  岩魚の天ぷらや甘露煮が美味しいすね。


 これは自然の沢。あちこちから水が下ってきてて、小さな堰堤も多いです。冷たく湿った冷気が満ちるので夏は幸せ。水の中を歩むがごとしです。


 その先に開けた川原があり、ここでは唯一水辺に行けるところです。水路沿いに歩いてくるとちょっと距離がありますが、谷底から来ると割とすぐ。この前は濁流になってたけどどうかな?


( * ̄▽ ̄)v- うん通常モード。透明度が戻ってきて水量も引いている。この先にけっこう高い堰があり、そこから谷底に向かう流れです。ここも増水すると危ないのでキャンプや遊泳、BBQは禁止されてますが足を浸すには良いところです。


 奥は足首ほどの深さで、前は岸から連なる箱形の岩底でしたが砂利を敷いて浅くなりました。この下り口にタマアジサイとオカトラノオの群生があり、この間はまだ咲いてなかったけど・・・・・


( * ̄▽ ̄)v- タマアジサイはまだ開花前。でもこの間は出来たばかりのつぼみの茎が伸びていて、珠のようなつぼみを少し高く掲げてました。


 珠をつくる苞が二裂して、内側から淡紫色が透けて見えるようになってきた。この苞はこれから細胞分裂するみたいに割れてきて、中から紫色の両性花と白い装飾花が現れます。


 上から見ると梅の実のようにも見える。苞の真ん中に筋が入っていて、これが裂けて花が現れると剥落します。完全に咲ききるまで欠片が残りますが、その過程が細胞分裂みたいなんですね。苞が落ちれば他のヤマアジサイと見た目は変わりませんが、そこまでが他の品種とは違います。初めてここで見た時はとても不思議でした。アジサイと言うよりシャクヤクのつぼみみたいすね。いちばん遅く咲く夏のアジサイです。


( * ̄▽ ̄)v- おお、オカトラノオは咲いてきてた。花の房が虎の尻尾みたいに垂れる多年草で、サクラソウ科なんですって。涼しげな白い花で、群生してると壮観です。


 つぼみの群れも涼しげ。下の方から咲くようで、ここではちょうど開花が始まった頃でした。


 小さな白い星のような花がだんだん咲いていく。咲き揃うとボリュームがあり、周りの草にもよく映えます。


 うだる梅雨どきの目の癒しですね。沼地に咲くヌマトラノオはまだ見た事がなく、湿地にはあるのかな? オカトラノオは私はここしか自生地を知りません。タマアジサイはここでは上の方まで自生していて、飛騨小坂の巌立峡の林道にも少しありました。白や淡い色の花は夏には目に嬉しいですね。暑さが和らぐ気がします。


 不動滝の上に不動明王が祀られていて、ここに袈裟だけが川を遡ってきたお坊さんも合祀されてます。霊神というのは御嶽講の先達さんが亡くなるとつく尊称ですが、この智證というお坊さんは都から来てお寺を構えていたようです。のぼり旗の「大前」という言葉に身が引き締まりますね。



 不動明王の祠は少し高いところにあり、後ろの木は岩に根を張って育ってます。大昔は行場だったそうですがその頃はまだ観音滝はなく、不動滝は滝行は無理なのでここで瞑想とかしてたのかな?  飛騨小坂の巌立峡の三ツ滝は円空上人がほとりで瞑想したとあり、やはり滝を浴びるのでなく水音と澄んだ冷気が行場にふさわしかったかと。滝じたいでなくその近くも煩悩を祓い心身を清める場所だったよう。


 二童子を従えた不動明王坐像。滝のそばにとても多く、古くからある所は昔は行場だったんじゃないのかな?  インド由来ですがいちばん像を造って奉じてるのは日本だそう。滝には不動滝という名前がとても多いけど、日本人の心性に合う明王なのかなと。恐ろしい憤怒相は慈悲のあらわれで、迷える人間を羂索と呼ばれる投げ縄で捕らえ、倶利伽羅剣で煩悩を断ち切るとされます。母親が車道に飛び出す幼児を捕まえて叱りつけるような感じすね。修験者の本懐は不動明王との一体化ですが、「明王まではまだ煩悩がある」とも言われ、菩薩や如来ほど遠い存在ではなかったんすね。大日如来の化身でもあるけど、地蔵菩薩のように衆生に近いものです。


 祠の左隣に東屋があり、ここが谷底の突き当たりになります。木が茂っていて景観はあんまりかな。


 不動滝の淵から溢れた水が里まで下っていくところ。まだまだ狭い峡谷がしばらく続きます。


 ここから「袈裟よどみの淵」を見ると多少は明るい。けど水に穿たれた洞穴の影が濃く、底も見えないので深さはかなりあると思います。あの洞穴はどのくらい奥行があるのかな? ずっと奥まで続いてるようにも見えますね。


 そちらとは対照的に水の青さが際立つ観音滝の淵と、その奥からの流れ。晴天だと虹が出る事もあり、青い淵がもっと鮮やかです。ここの花崗岩は本来は灰白色で、同系色の流紋岩も多いので水の青みが際立つのかも。石灰岩の多い山県市の神崎川とはまた少し違う澄んだ青さです。


下りてきた観光客と入れ替わりに引き返す。この巨岩には盃状穴っぽい穴がいくつも空いていて、これは人為的な穴じゃないだろか?といつも気になります。


 線刻と言われるとそう見える筋も入ってる。岩は自然に窪みができたり亀裂や節理が現れるものだそうで、人為的なものかどうかは考古学調査で見分けられるとか。東濃だと恵那市の笠置山はふもとから頂上にかけて盃状穴や線刻のある岩が多く、古代の雨乞いの祭祀の跡だと言われます。ここは調査はしてないようで、ひょっとしたら・・・って感じですね。神が降りたり宿るとされる磐座なのは間違いないと思うので、ロマンが膨らみます。


 また螺旋状に階段を上る。谷底の冷気ともここでお別れで、今度は登りになるので汗をかきます(涙)


 分岐から吊り橋へ。もうひとつの仙樽の滝には行けないと思うけど、こちらにはタマアジサイがあるので咲いてないかなぁ?


 橋から見下ろす上流側。木の枝が覆いかぶさる形になっていて、これはこれで良い彩り。流れは仙樽の滝のところで広いカーブになっており、そこから観音滝の下まではこんな感じの渓流です。


 橋からだと観音滝はこう見えます。今は青葉が多いのでこちらからの眺望はあんまり。


 橋を渡ると野趣あふれる遊歩道。この先にも東屋があり、そこが仙樽の滝への入り口です。


( * ̄▽ ̄)v- タマアジサイのつぼみ。まだやっとつぼみが出始めたところでした。この間は奥の川原の自生地がこのくらいだったので、そちらは開花が期待できるかな?


 この道ならヒルの心配はあまり無し。けど足元は滑りやすいのでヒールやサンダルは危ないかもです。


 これは何という虫だろう? 白いヤマアジサイに蜜があるのか、色のコントラストがいい虫が乗ってました。カミキリムシかな?


 やっぱり通行止めのままだった。ここから川原に下りて仙樽の滝に行くのですが、なかなか道が復旧しません。


 この先で川がカーブになってて、岩壁の向こうに滝があるのですがここからでは見えない(涙)  幅広くどっしりした滝で、水量が多いと水煙は少し見えるのだけどこの日は見えませんでした。


 奥の川原と谷底の滝への分岐点。この水路は里の生活用水になっていて、奥に取水口があります。



 水は透明度が高くてとても冷たい。上に青紅葉が垂れかかってて、ほんのりと緑色が映ってる。曇りでもコンパクトな水鏡になってますね。


 谷底に下りるまでの斜面が森林公園になっていて、これは入り口から下ってくる流れ。付知峡の上流域はもっと上の「高樽の滝」に続く林道の脇にこういう沢がいくつもあり、車の窓を開けて通りかかるとひんやりした風が吹いてきます。気持ちの良いポイントが他にもあるけど、今は熊がちょっと怖いすね。


 ここが「花の森」。春にシャクナゲとヤマツツジの花がたくさん咲きます。黒い木の桟道が巡らされてて、青木立によく映えます。


 他の観光客がまだ下りてきてないのでとても静か。谷底まで下りて滝を見てから、この奥に上がって来られる道があります。桟道からは下りてはいけないところで、今は下りればヒルがいるから無理無理無理。江戸時代は尾張藩の管轄で、木曽と同様にヒノキやサワラの伐採を禁じていたので豊かな原生林が残ってるんですね。高樽の滝のあたりは今は国有林で、伐採をしない休養林になってます。昔は尾張藩や伊勢神宮の式年遷宮に大きなヒノキ等を供出していたところです。


 花の森の下にまた分岐。谷底には観音滝と不動滝、あと仙樽の滝の3つの滝がありますが、不動滝は少し離れてて吊り橋を渡るんですね。そこだけ落石で遊歩道が荒れていて、もう何年も前から通行止めになってます。このでは唯一 川原に下りて真ん前まで行ける滝なのに勿体ない。分岐には上の水路から水が下ってきていて、ここも涼しいです。


 これは人工の沢。観音滝の落とし口に続いてて、ここでは観音滝だけは人工滝なのですが言われないと分からないくらい景色によく溶け込んでます。この流れはいつも勢いが良く、何となくいつも撮ります。水が白い布のように撮れるのがイイっすね。スマホだとあまりこんなふうに撮れません。


 すぐ先が観音滝の落とし口。ここからは見えないけど落差20mの断崖なのでこれ以上行きませんキリッ!!  ここは斜面に水を流してるので、足元がどこまで安定してるか分からないから危ないすね。


 分岐から右に螺旋状に下りていくと観音滝と不動滝。階段の下に苔むした巨岩が2つあり、その下に不動明王が祀られてます。あの巨岩は元はひとつの岩で崩落してきてあそこで止まったのだと思いますが、いかにも磐座。ここは詳しい資料が残ってないけど大昔は行場だったそうで、いかにもな雰囲気です。


 階段を下り始めるとはっきりと気温が下がり、下から吹き上げてくる川風がとても心地よい。ああ極楽じゃー。滝ミストも吹きつけてきて、観音滝とその下の青い水がとても綺麗。おお水が澄んでいる。先日はもっと上流が濁流になってたのでこちらには来ませんでしたが、この日は当たりでした。


 水量は多すぎず少なすぎず。これは人工滝には見えませんよね。本流が岩壁の間に淵をつくるところにこさえた滝で、水がまっすぐに落ちるところで分岐瀑になってるのがいかにも涼しげ。真冬は氷瀑になるそうですが、深山幽谷テイストのある美しい滝です。


( * ̄▽ ̄)v- これぞ付知峡という眺め。「青川」とも呼ばれる付知川の上流域の淵は曇りでもこんなに青い。中津川市では花崗岩の中から水晶やトパーズが採れますが、トパーズは大半が無色透明でごく稀に青みがかったものが見つかるそう。鉱物ではなかなかお目にかかれませんが、水が溶けた鉱物みたいです。ここは下りられないのがつくづく惜しい。高樽の滝に行く途中の赤石園というところにも地獄淵という淵があり、下りるのはちと大変ですが美しいです。高樽の滝の周りにも青い淵があり、落とし口の上の青みは極上です。


 下の分岐瀑。高さは5mもないと思うけど見ごたえがあってとても好き。直瀑は端正で、段瀑や分岐瀑はダイナミックなのがイイ。黒っぽい岩に白いしぶきがよく映えます。


 その下の淵の青いこと。底まで見える透明度で、その為かえって深さが分かりづらい。身長150cmの私がずっぽり水没するのは間違いないと思います(笑)  こんなところで潜れたらなぁ。


( ; ̄▽ ̄)v- 淵は徐々に浅くなってますが、すぐに下の不動滝の落とし口なので、下りられたとしても危なくて入れません。鈍色の岩を乗り越えるクリアな水が美しいですね。真ん中に一筋の青みが見えますが、不動滝は狭い落とし口から水が轟音をたてて噴き出す荒々しい滝です。


 落差は8mしかないけど、噴出する水の勢いが凄い。こちらは自然滝で、ここが谷底。切り立つ岩壁は花崗岩だと思いますが、深い亀裂がいくつもあり、下の方は水に穿たれた洞穴になってます。こちらの淵はいつも暗くて怖い感じで、賊に殺害され川に投じられた僧侶の袈裟が流れを遡ってここに浮かんだという言い伝えから「袈裟よどみの淵」と呼ばれます。


 滝は白いしぶきに淡い青みが浮かぶ美しさですが、下の淵は暗くて怖い。淵フェチの私も畏怖を覚えるところです。周りの濡れた岩肌がつややかで、鉱物めいて見えますね。滝には黒い岩が似合います。


 手ブレがひどいけど、不動滝から観音滝までの動画を録ってみる。まだ他の観光客がいなかったので録れたけど、すぐに続々と下りてきてました。