コロナ禍の真っ只中ではあったが、緊急事態宣言も解除された2020年6月。
現場再開の知らせもないまま、新曲発売の10日後に推しが脱退を発表。さらにその10日後、グループを脱退事務所も退所した。
おたくならば脱退の前後で、涙ながらにはてブロかnoteに“推しが脱退しましたブログ”を書かねばならぬところですが、そうゆう感じじゃなかったので、遅ればせながらアメブロにて“推しが脱退しましたが元気ですブログ”を書き残したく候(突然の武士)。
推し始めてから脱退まで4年半。
今は野生化し、フリーでアーティスト活動をしている。
野良のおたくとなった私も、なんやかんやとそれを見守っているので、もうすぐ推しの人生観察生活もまるっと5年になる。
卒業間近とはいえ高校生だった推しも今や社会人5年生。立派な個人事業主らしい。
推しの卒業とか脱退で世界が終わっちまう人も多いと思うが、私の場合は4カ月経ってなかなか楽しく暮らしている。
もちろんケース・バイ・ケースなのだが、推しの野生化案外悪くないよ、今んとこ。
推しのいたグループは男子アイドルで、メジャーデビューして脱退までに出したシングルが7枚。研究生時代を含めると11枚かな。
大箱ライブは毎回、チケット手売りによる粉飾決算みがぬぐえないが、武道館まで立てた。
接触があって現場数が多い。
コロナ禍で最後に会って話せたのは2月で、最後に姿を見たのは3月の舞台で、最後に話したのは6月の生電話特典会。まだ脱退が発表される前だった。
最後の電話特典会は、他のメンバーが次々完売する中、なぜか買っても買っても売り切れなかった。
結果的に最後にたくさん話せてよかったのだけど、メモいっぱいに話すことひねり出して書いても最後は困って、なんにも知らなかったから、「次の目標なんかあんの?」なんて聞いてしまった。
その返事は「なんで?」と思うものだったけど、脱退した今つじつまがあう。
脱退のお知らせはTwitterや公式ブログで知った。
マジか!? っていうより、マジかー…って感じだった。
今でこそ、辞めるのもありだなの心境だが、発表があった時は寂しかったし悲しかった。
けど、一番心の割合で大きかったのは「ごめん」。
辞めるにあたって、たくさん「辞めると思ってた」って言われてた。
人のブロコメとかもどうしても目に入るし。
でも私、実のとこあんまりそう思ってなかった。
そりゃベースにほんのり、辞めたい、これは違うって感情はあるのかなーと想像してたけど、ブレイクとはいかないまでもグループは大きくなっていってるように見えたし、その中で人気もあったし。
処世術に長けた賢いヤツだと思ってたから、辞めるよりここにいたほうが、少なくとも今は得だって分かってると思っていた。
現場数が多いと、今日ダメそうだなって日がある。
体調なのかメンタルなのか、短期的だったり少し長引いたりする。
辛そうだなあと感じても、頑張る姿を見せようとする限りは、「頑張れ」と言おうと。
見てるこっちがしんどくなるようなときだって、心配って顔はしないぞと。
踏ん張ってるのに「無理しないでね」なんて言えないし、私は分かってるアピールみたいなこともしたくなかった。
だから最後は、最後まで辞めると思わせてなかったよ、と伝えた。
一度、推しもう死んだかと思って、思い余って毎日神社に通ったことがある(笑)。
参拝してスタート地点まで戻り、目印の石を1つ増やしてはまた参拝する。
やったことありますか、お百度参り。
あれは、おすすめですよ。何やってんだろう自分…と正気に返りますから。
おたくの心配って本当に無だなと思いました、あの時は。
最近、辞めてからのインスタライブで「活動できなかった時期があって」と初めて言葉にした。
絶対あんときじゃん。
あとから答え合わせして、あのときやっぱりそうだったんだと思うことは多い。
おたくの勘は侮れない。
いつからか個人仕事がなくなった。
以前は選抜に入っていた仕事も選ばれなくなった。
唯一続いてた個人仕事も、ひとりでやる配信も公式はお知らせしてくれない。
脱退前の舞台の収録日は2日とも外されて、DVDに残らなかった。
もしかして、辞める意志を伝えたからこうなったのかなと思い、個人的にとっている記録を遡った。
遡って、青ざめて、こんなに長い間、辞められもせず、干されていたのかと思うと、たまらなかった。
さらにそのずっと前から辞めたかったのか、自分の違和感とすり合わせるとあまりに昔で絶望した。
選ばれなった時、「またあの番組出てほしい」なんて、言わなきゃよかった。
「運営なんでお知らせしてくれないの」って、怒ったことで悲しませたりしなかったかな。
いつのことだか知らないが、辞めると決めて、辞めると切り出し、辞めると決まっていった日々。
気持ちがついていかなかったり、心が折れた日だってあったろうに、私の伝え続けた「頑張って」は、推しを苦しめなかっただろうか。
辞めたかったのに頑張ってって言い続けて、ごめん。
脱退で気持ちが一番苦しかったのはそれでした。
正直、ほっとしたこともあった。
推しは好きだけど、ずっと、運営とグループがどうしても愛せなかった。
現場で直接話せるスタッフさんは、困ったり何か要望があった時に対応してくれたりと親しみはある。
けどもっと大きな規模で、人を喜ばせよう、人を大事にしようという部分が欠けている。
そんな環境で推しが大人になっていく。
そりゃないだろと思うことも当たり前だと思うような大人になったらすごく悲しい。でも染まらなきゃ悩むことも増えるだろう。
脱退したグループは、推しとメンバーたちがメジャーデビューするためにつくられた。
だからグループが好きになって推したわけじゃなくて、推してたらグループができた。
その波に乗れなかった。
ライブは好きだし楽しい。メンバーひとりひとりに情もある。
でも、どうしてもグループとして好きになれない。
途中で、こんだけライブ見て好きになれないならもう諦めよ、このままでいい、と割り切るまで結構しんどかった。
けれど結果的に脱退してしまったことで、罪悪感は濃くなった。
そんな影響力ない。思い込みなのは百も承知だけど、グループを愛せないおたくが足繁く通ったせいで、辞めたい気持ちをわずかでも育ててしまってなかっただろうかと考えると苦しい。
逆のパターンもあるけどそれはあんまり考えたくないな。私の気持ちは私のせいにしたい。
推せない運営の考える活動計画は、コスパは悪くなるしもんやりするし、しんどくなっていった。
いくつかの段階を踏んで、正直そろそろついていけないと思っていたのも嘘じゃない。
今は配信とオンラインリリイベをやっているのだけれど、この内容を考えた人はおたくにどんな怨みがあるのだろう…と戸惑うようなもので、推しが脱退してなかったら私は会えないまま脱落していたかもしれない。
今もやることなすこと見ていたいと思えるのは、脱退したからなのは間違いない。
脱退後は音楽活動をする的なことをほのめかしていた。
今後も推していけたらなという気持ちはあったが、推しのやりたい音楽が趣向を考えるとたぶん私の好みとズレている。
もし曲が好きじゃなかったら、推してちゃダメなんじゃないか。
それに、退所したらすべての権利は推しにある。応援されて嫌だったら、嫌と言ってもいい。
自分が応援してもらいたいと思ってもらえるおたくなのかも不安。今も。
野生現場はルールがあるようでない。あるのはモラルのみだが、その基準は推しの心ひとつ。
今までは“やったもん勝ち”はルールを破るかかいくぐる必要があり、ある程度悪だったが、野生現場はやったもんがそのまま勝ちの場合がある。
多少、遭遇したり話したりできるようになって思うのは、特典券があったほうが気は楽だ。
話したいだけ特典券を買えばいいし、特典券を売ったからには向こうも対応する義務がある。
運営がいないから推しからのNGは最初から最終通告だ。さじ加減がわからん。
がっつけないと損、高額プレゼント合戦みたいな世界に参加したくない。
しかし、そんな心配よりずっと手前に壁はあった。
脱退して数日後、推しがSNSを始めて、派手に染めた髪や穴の空いた耳、飲み会実況、あんまり読みたくないツイートを披露してくれた。
辞めたのが楽しくてうれしくてたまらないのが全開だった。そりゃそうだよな。
私には、SNSでの発信が横柄で舐めた態度や言葉に感じられた。
イキリモンスター爆誕。
こ、このイキリモンスターを推すのは、ちょっと…。
一方で、辞めたうれしさもある一方で、ライブもできないご時世で、ファンだってどれくらい残ってるか分からない。
これからはひとりでやっていかなくちゃ、舐められちゃいけない、自分を大きく見せなくちゃ、と小型犬が吠えまくるがごとく、イキってしまうんだろうなあとも思った。
とりあえず落ち着くまで、SNSとはいえ積極的に関わるのはやめようと思い、フォローをはずした。
「応援しなくちゃ」と意気込んでいた。
それなのに蓋開けたらイキリモンスター出てきちゃて、推せないと思ってしまう自分がダメだと感じた。
「自分の気持ちが一番大事」と、気が乗らない時は乗らない気持ちを優先しようと意識して、SNSはうっかりコメントしないように鍵アカウントから覗くようにした。
イキリモンスターは徐々に落ち着き、今では感謝モンスターになった。
初めての有料配信の出来がよくて、私もその前後からSNSもフォローしてコメントしたり、手紙を出したりするようになった。
活動の第一弾としてTシャツを売ると言い出した時、周りの大人におたくの金が狙われているのでは!?と勘ぐった。
でも出てきたデザインは純粋にステキで、1枚1枚シルクスクリーンで手刷りするという手間のかかり具合。決しておたくがお情けで買うようなものじゃなくて驚いた。めっちゃ着てる。今日も着てる。
結果的にいい感じに売れたらしく、その資金で「すごい人にMVを撮ってもらえる」とインスタライブで報告していた。
どこまで先のことを考えてやっていたか分からない。
最初からMVを撮るためのクラウドファンディングもできただろうに、自分がやってみたかった服づくりで人を喜ばせて、その対価を音楽活動に使っていいものをつくる。
推しすごいじゃん、やるじゃん。考え方もやり方も拍手を送りたい。
インスタライブで「クラウドファンディングってなあに」とおっしゃってましたが。
グループにいた頃はろくにブログも更新しなかったくせに(昔はしてたからいろいろ思うことあってそうなったのだろう)告知なく始まりアーカイブを残さない野生のインスタライブを頻繁にやるようになった。
これが逃すと結構病む。知らない間に現場始まって終わってた。
私はインスタライブを見逃したくないために海外の野良アプリを探し出して自動録画できるようにした。深夜配信のためにイヤホンも買った。
それでも外にいる時や映画を見る時に電源を切るのが心配で、スマホをもう1台買って野生のインライ録画専用機にした。
そのうち毎日やると言い出し、なんと2ヶ月間ほぼ毎日、1時間のインスタライブを続けている。
半分寝ながらしゃべっていることもあるし、咀嚼音が響いていることもある。
こちらも聴きながら寝そうになったこともあるし、入浴中に始まってそのまま風呂から出られない日が何度あったか。
推しのスマホは高温にると配信が止まってしまうため、何かぼんやり映ったと思ったら冷蔵庫の中だったり、冷凍肉の上に乗せてみたりとハプニングが耐えない。毎晩笑わせてくれる。
元来、自由で人間みが丸出しなところが魅力だが、お腹すいた、寒い、今日何した、明日何するという日常の報告から、今度何やるといったフライングめの告知までしてくれる。
毎日毎日、推しが何に頑張っているのかわかる。
これがすごくうれしい。
運営にほとほと嫌気が差していたことのひとつに、グループが歩む物語の共有と演出が下手すぎて“知らないふりをされる” “知らないあいだに何もかも終わっている”ことが何度もあった。
ただのいちファンなんだから、知らないことがあって当然なんだけどね。
要所要所で繰り返す、「そっか…」は少しずつ心を疲れさせていく。
野生化した推しが今、何をどう頑張ろうとしているか伝えてくれる環境は、こんなにも毎日うれしいものなのか。
ひとつひとつの思いをリアルタイムで素直に伝えてくれる、辞めることでそれができるようになったのであれば、それは歓迎したい。
私の“推していたい”という勝手な都合からすると、運営から外れてくれたこと、毎日楽しそうに頑張っていてそれが分かること、この2つだけで脱退してくれてありがとうと思える。
推しが「脱退してよかった」と思うのはまだ先であってほしいけど、とりあえず私にとって今の環境は前より健やかな気持ちで推せている。会えないけど。
脱退してくれてありがとう(2020年10月現在)。
まだ関わり方は測りかねることも多いが、基本は野生動物だと思って接していこうと思っている。
○野生動物のナワバリは大切にする(ワンチャン裏現場に行かない)
○森で野生動物に会っても驚かせない(おたくの現場じゃないことを忘れない)
○野生動物だから森に行って会えなくても諦める(人の遭遇ワンチャンで病まない)
○野生動物にエサを与えすぎない(高額な贈り物や大金を使うことでアピールしない)
○人と野生動物の適切な距離感を忘れない(SNSを見すぎて勘違いしない)
○野生動物の命を守る会(出たものは買う、行けるものは行く)
今、こうゆう心掛けでかなり穏やかに暮らしています。
今月、10月29日についに1stシングルが出る。
こなれてない感じとか、今までの背景を歌っていて反則っちゃ反則なんだけど、伝えたいことが真っ直ぐ優しく伝わってくるとてもいい曲。
曲が好きじゃなかったらどうしようと、グループを抜けてソロ活動をするアーティストの曲を聞きまくって精神を鍛えていた私に大丈夫だよと言ってあげたい。
Tシャツもインスタライブも音楽も、予想を超えたものが出てきて、5年目にして推しを見直すことばかり。
10月23日(明日)には有料ですがライブ配信もします。
思い出の場所から生配信し、新曲も歌うということで、推しいわく「エモい」そうです。
こんな呼びかけで1000円の有料配信見てくれる素っ頓狂な人はなかなかいないと思うのですが、それでも私はどこかにこの配信のリンクを貼りたかった。
これです!!
TENKI T’s Base04 -Memory&Sing-
1stシングルはこちらから
TENKI 1st Single "Shutter" 完全限定M-CARD
だから今、ブログを書いたわけです。
鬼滅の刃とポイ活の記事で挟んでアクセス稼ごうと思ったけど全然うまくいってないや。
むしろこの記事が間に合ってよかった、ワッハッハ。
「頑張って」