大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]【映画レビュー】 | おたるつ

おたるつ

モノホンのおたくにジャンルは関係ねえはずだ!
ってわけで、おたくのるつぼ。略しておたるつ

今年1本目は大好きなよしながふみさんの【大奥】から。

【大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]】

監督:金子文紀 124分

◆ストーリー◆
赤面疱瘡により男子の数が激減し、男女の立ち位置が逆転した世も
家光の時代から五代将軍綱吉の時代へと移り変わっていた。

綱吉の側室候補として京からやってきた右衛門佐は、大奥総取締となり権勢をふるう。
一方、一人娘の松姫を失った綱吉は父・桂昌院の期待に応えたい思いと
孤独、失政の中で苦しんでいた。
右衛門佐は綱吉を補佐し続け、間者に襲われた夜二人は男女の仲となる。
即物的な男女の営みとあらゆるしがらみから綱吉が解放された朝、
右衛門佐は帰らぬ人となる。

◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

むむむ……。

むむむむむ……。

これは……駄目だ!!

ということで、すっごくすっごく楽しみにしていたので怒っています。
ブログでは結局書けなかったけどドラマも全話観まして
まあまあ多部ちゃんかわいかったし、良かったと思ってたんです。

なんだかなー。
やっぱり金子文紀はドラマの人なのかなー。
でも今回、私がいかん!! と思った部分てドラマではできてたと思うんですよ。
何が! 何があったんだ。

今回の男女逆転大奥。
重要なセリフがあって、それが軸になってると思うんですね。

「また男と子を作らねばならぬ」
「睦みおうてみよ」
「月のものなどとうに来ておらぬわ」
「さあ 右衛門佐に会いに行こう」

今回の【大奥】では上のセリフがあるシーンがちゃんと作りこまれてなかった。
というか、そこに行くまでの経過がきちんと描かれていなかったと思います。
それと、描かれているのが本当に綱吉のことだけなので
なぜ綱吉がそこまで桂昌院を裏切ることができないかとか、
なぜ右衛門佐はいきなり結ばれるのかとかが浅いんですよ。

まず、綱吉は天然モテ女なんです。
最初に頭が良くて可愛らしくて小悪魔な綱吉をもっときちんと描いて欲しかったです。
ちょっと華やかさが足りない印象。
菅野美穂のせいなのかメイクのせいなのかはわかりませんけども。

天然モテ女で小悪魔だから、いろんなとこに手を出しちゃう。
最初はそれでいいんですが、映画の中だとずっとそのままになっちゃう。
本当はそこそこの年齢で、もう男遊びには飽きているんですが、
その変化が伝わらないので「また男と子を作らねばならぬ」が響かない。

さらには政治の場から遠ざけられ、世継ぎはできず、一方で加熱する権力争い。
次第に壊れていき、「睦みおうてみよ」で、
ああ、マジで綱吉がもう限界!! ってわかる。
そこで少し嫌悪感抱いたりするかと思うのですが「月のもの---」で
感情が離れたところでまたグッと引き寄せられるはずなのに、これもない。

最後に綱吉が右衛門佐によって解放される最大のメタファーが
桂昌院に打掛を掴まれてスルッと脱げるところなんですが
映画だと自分で脱いじゃう。
これは……あかん!!


ここまで来るのに綱吉が一生懸命にこうあるべき将軍になろうとしながら
様々なしがらみに阻まれ、駄目将軍にならざるを得なかったフラストレーションが
あんまり伝わらない。

これ私は、柳沢吉保をきちんと描かなかったのが一番の原因だと思います。
一番綱吉を愛していたのは他でもない柳沢吉保。
あの小刀ザクッシーンじゃ恐怖で綱吉に従ってるように見えてしまう。

加えて、右衛門佐が死んだシーンで終わっているんですが
(あの死に様もどうかと思う、ホントに。まぶた動いてたし)
やっぱり綱吉を巡る愛の話なら、柳沢吉保に殺されないと!
そこで、綱吉は本当の愛に巡り合えないと思っていたけど
本当はみんなから愛されていて、それにあんたが応えなかったんだよ!ってなる。

本当は話の軸足を秋本に据えたほうが良かったと思うんですが
秋本もまたパーソナルがわからないまま中途半端に居続けるし、
キャストに妙に存在感のある柄本佑起用しちゃってるから
なんか解決していない感がハンパなく漂ってるんですけども……。

あと、桂昌院はやっぱボケたほうが良かったと思う。

綱吉の二面性が描けていない。
サブキャラが描かれていないので愛憎劇が薄い。

うーん……。
残念です。
次はもうないだろうな……。
家宣の話もかなりイイのにな……。

大奥~誕生 [有功・家光篇] DVD-BOX

新品価格
¥14,636から
(2013/1/4 23:29時点)


大奥 <男女逆転>豪華版DVD 【初回限定生産】

新品価格
¥2,000から
(2013/1/4 23:29時点)


大奥 コミック 1-8巻 セット (ジェッツコミックス)

中古価格
¥4,595から
(2013/1/4 23:30時点)




にほんブログ村