【連載】料理エッセイ

ゴボウともちキビの柳川風鍋がメインの献立(2)

〜衝撃!つぶつぶ雑穀との出会い〜

 

*前回の記事を読んでいない方はこちら

(1)え、あのどじょうを食べるの!

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

それから数年して、

つぶつぶ雑穀と出会いました。

衝撃でした。

 

 

 

あれこれ調べ海外にまで食べ歩いて食通と思っていた私が

知らない食べ物が日本にあったことに、

心底驚きました。

 

 

その種類の多さに驚き、

その未体験なのに懐かしい深いおいしさに感動しました。

 

 

「どうして、いつ、

こんなにおいしいごはんの仲間たちが、

日本の食卓どころか

日本の意識からもすっかり消え去ってしまったのか。」

 

 

雑穀を案内役に、

日本の食の歴史をたどる大冒険の始まりでした。

 

 

まずは、色とりどりの雑穀たちの

色と味と食感の個性に魅了されました。

 

 

 

ほとんどがお米と同じイネ科の作物で、

ごはんの仲間、

日本に稲作が伝わる前から

日本人の生命を支えてきた主食作物です。

 

 

ごはんの仲間なので、

基本の味はお米と同じく

ニュートラルで飽きない味わいですが、

噛みごたえというか

それぞれ異なったテクスチャーの弾力感があり、

お米のごはんよりもうま味が強いのです。

 

 

調べていくうちに、

遠い昔の食べ物と思っていた雑穀は、

多くの山間の地域では、

昭和40年代後半まで日常の主食だったことを知りました。

 

 

そして、すでに絶滅危惧種になりかかっていることも知ったのです。

 

 

そして、次に知ったのが、

人間の生命は、

1年間に60kg(1俵)の精白しすぎない穀物と

海の塩と少しの野菜や海草で

養うことができるということです。

 

 

ごはんはでんぷんという燃料のかたまりで、

栄養的に足りないから

おかずをたくさん食べないといけないと

教わって育ったので、

にわかには信じられませんでした。

 

 

>>つづく

 


 

大谷ゆみこの最新情報&人気記事一覧は>>>こちら