【連載】料理エッセイ

ゴボウともちキビの柳川風鍋がメインの献立(1)

え、あのどじょうを食べるの!〜

 

 

 

 

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柳川鍋は、ささがきゴボウを浅い鍋に敷いた上に

背開きにしたドジョウを並べ、味付けしてにて、

卵を流し込んでとじた料理。

名称は、江戸末期に売りだした店の屋号からとも、

九州柳川焼の土鍋を使ったからともいう。

(辞書より)

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どじょうは、夏ばてを防ぐ滋養のある食べ物として

土用の丑の日に食べるうなぎの蒲焼きとともに、

精力食として食べられて来ました。

 

ある夏の日、私が小学校から帰えると、

たらいの中でドジョウが泳いでいました。

 

うなぎも1匹混じってヌルヌルと泳いでいました。

天秤棒を担いで売りに来たと言っていました。

 

 

私は神経質で、好き嫌いが多く食べられるものは

数えられるくらいしかなく、

骨のある魚ですら喉につかえて食べられない子どもだったので、

とても食べ物とは思えませんでしたが、

父は精がつくからと奨められてまるごと味噌汁にして食べました。

 

母は作っただけで食べなかった記憶があります。

 

 

社会人になって、

珍しいものを何でも食べてみようと

友人達と様々なジャンルのレストランを食べ歩く中で、

浅草にある柳川鍋の老舗に行ってみようということになりました。

 

「えっ、あのどじょうを食べるの!」

 

気が進みませんでしたが、

骨を抜いて開いたのがあるから大丈夫と言われて、

好奇心の方が勝って行ってみることにしました。

 

でもやっぱり、生臭くて泥っぽい味で、

とても食べられませんでした。

でも、甘辛く煮たささがきゴボウと

降るようにかかっていた薬味ネギと、

とじた卵はおいしかったのです。

 

 

>>つづく

 


 

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