また「大阪都構想」を持ち出した橋下徹  適菜収(作家・哲学者)〈新潮45〉 | 「構造改革・規制緩和・国家戦略特区」で国家解体!! 「地方分権・地域主権・道州制」で日本国家分断!!

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また「大阪都構想」を持ち出した橋下徹  適菜収(作家・哲学者)〈新潮45〉
BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 11月6日(金)19時9分配信

■ウソが商売
 大阪の例のアレがまた変なことを言い出した。

 11月22日の大阪府知事、市長のダブル選で、再び「都構想」を旗印に掲げるんだって。つい先日、大金をかけた住民投票で、大阪市民が下した判断は一体なんだったのか。

 5月17日の住民投票直前になると、橋下は「都構想の住民投票は1回しかやらない」「賛成多数にならなかった場合には都構想を断念する」と明言。

「今回が大阪の問題を解決する最後のチャンスです。2度目の住民投票の予定はありません」

「衰退する大阪を変える最初で最後のチャンス」

「僕のことはキライでもいい。大阪がひとつになる、ラストチャンスなんです」

「大阪を変えれるのは、このワンチャンスだけ」

 大阪維新の会の公式HP、街頭演説、タウンミーティング、在阪民放5局の大阪維新の会のCM……。ありとあらゆる場所で、橋下は「これが最後だ」と繰り返した。

 退路を断ったかのように見せかけて、票を集める手口ですね。

 橋下のウソはこれだけではない。

 住民投票否決後の会見で、記者から「(政界復帰は)100%ないですか?」と問われると「ウソをつく必要もない。政治家は僕の人生から終了です」と即答。国政進出については、「ないですよ」「(議院内閣制の中では)僕は5秒ももたない」と述べた。

 にもかかわらず、現在、アレは「おおさか維新の会」なる政党をつくり国政進出を狙っている。

 私は住民投票後、すぐに次のような記事を書いた。

 ――橋下は否決直後に開かれた記者会見に満面の作り笑いを浮かべて登場。巷のバカは「爽やか」「鮮やか」などと評していたが、極めて卑劣でおぞましい会見だった。橋下は自身の進退についてこう述べた。

「市長任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない」「もう政治家はぼくの人生では終了です」「ぼくみたいな敵をつくる政治家がずっと長くやるなんて世の中にとって害悪」。どんなに状況が変わろうが、将来にわたり政治家に戻ることはないと断言したが、いつも通りの嘘でしょうね。

 橋下は府知事選出馬は「2万パーセントあり得ない」と言って知事になり、任期途中に市長を辞職することはないと言って市長を辞職した職業的デマゴーグです。すでに国政に出る気まんまんでしょう(「週刊文春」6月4日号)。

「私には先見の明がある」などと自画自賛したいのではない。これまでのアレの言動を見れば、ウソしかつかないことくらいチンパンジーでもわかるでしょう。

 腹が立って仕方がない。

 橋下に対してではない。

 この期に及んで「橋下はウソつきだ!」と騒いでいる連中に対してだ。

 詐欺師がウソをつくのは当然でしょう。それが商売なんだから。

 ラーメン屋が麺を茹でたら怒るのか?

 サッカー選手がボールを蹴ったら怒るのか?

 ピントがズレているとしか言い様がない。われわれは詐欺師が野放しになっていることを批判すべきなのだ。

■橋下は神ですか?
 そもそも「都構想」という言葉が詐欺である。ご存知のとおり、先の住民投票が通っても大阪府が大阪都になったわけではない。単に政令指定都市である大阪市が解体され、その財源が維新の会により流用されるだけだった。大阪市民は自治を失うだけで、百害あって一利もない。

 橋下らは当初、大阪府と大阪市の二重行政の解消により、最低でも年間4000億円の財源が生れると言っていた。でも、大阪府と大阪市が試算して出した数字は最大976億円。さらにこの数字も粉飾だった。「都構想」による財政効果とはなんの関係もない案件を組み込んだり、数字を捏造したり。

 なぜこんなことが起きたのか?

 橋下が粉飾を指示したからだ。この件について記者から追及された橋下は「議論しても仕方ない」と言って逃げている。橋下がついたウソは次々と発覚、最終的に大阪市会の野党が出した「効果」は約1億円だった。さらに制度を移行するための初期投資に約600億円、年間コストが約20億円かかる。明らかにマイナスだ。

 そしたら住民投票直前に橋下が何を言い出したか。

「財政効果は無限」と言ったんですよ。


「財政効果は無限」と言ったんですよ。

「財政効果は無限」と言ったんですよ。

 興奮して3回書いてしまいましたけど「無限」ですよ。

 無限って、世界の総資産より大きい数字ですよ。いや、それどころではない。宇宙全体のあらゆる価値より大きい。なにせ無限ですから。

 普通に考えれば次の2つのうちのどちらかである。すなわち、橋下は神であるか、デマゴーグであるか。

■政界に侵入した詐欺師
 橋下は、住民投票により「民主主義がレベルアップした」と言う。

「ここまで住民のみなさんに対して行政が、権力者側が説明を繰り返したことはないと思う」

「パネルを使った街頭タウンミーティングなんてどこでもやってない」

「大正時代の自由民権運動のような雰囲気でしたね」

 自由民権運動が行なわれたのは明治時代である。「僕は近現代史の教育が不足していると言い続けている」が口癖の橋下だが、教育の崩壊が詐欺師の増長を招いたのだ。なお、自由民権運動で目盛りを誤魔化したり数値を捏造したりした詐欺パネルが使われていたかどうかまでは確認できなかった。

 ただし、「一連のプロセスが民主主義」という部分は、あながち間違っていない。橋下維新の運動は、民主主義に内在する悪、すなわち全体主義そのものだった。

 ウソ、デマ、プロパガンダにより世論を誘導し、都合の悪いメディアや言論人に圧力をかけた。憎悪の対象をでっちあげ、社会に遍在する悪意を吸収することで拡大した。橋下は法治主義に攻撃を仕掛けたのである。

 政治に関する知識も素人以下。

「今の日本の政治で一番重要なのは独裁」

「僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ」

「(選挙は)ある種の白紙委任だ」

 こうした妄言に喝采を送ったバカが、「都構想」という巨大詐欺事件を生み出したのだ。なお、独裁は専制と異なり一方的な権力の行使ではない。騙すバカと騙されるバカが一体となり自転車を漕ぎ続けるのが全体主義である。大阪で発生した現象はまさにこれだ。

 プロパガンダに洗脳された維新支持者は「橋下さんはウソつきではない」と言う。橋下は著書『まっとう勝負!』で「ウソをつかない奴は人間じゃねえよ」と述べているが、橋下がウソつきでないなら、人間ではないことになる。

 まあ、たしかに普通の人間ではない。橋下は2秒でばれるウソを平気な顔で繰り返す。

 橋下は9月3日のツイッターに「(これまでついた)明確な嘘は私人のときの知事不出馬発言だけ」と書き込んでいるが、これ自体がウソなのだからわけがわからない。

 二重三重四重五重にウソをつくので、まわりまわって時々「本当」になったりするから紛らわしい。

「エピメニデスのパラドックス」って言うんですかね。「クレタ人はみなウソつきであるとクレタ人が言った」みたいな。すでに橋下は詐欺師のレベルを突き破っている。

 アレの発言のすべてはウソであり、同時にすべてが「本当」である。朝令暮改どころではない。数秒ごとにウソと「本当」が入れ替わるので、何を言ってもムダ。ウソだと言った瞬間に「本当」になり、本当だと思った瞬間にウソになる。禅問答のようだが、これがアレの実態だ。

 私は維新の会のタウンミーティングに潜入し、「新潮45」5月号にルポルタージュ(「これぞ戦後最大の詐欺である」)を書いたが、ほぼすべての説明がウソだった。

 アレは一貫して「都構想」のメリットを訴え続けたが、タウンミーティングでは「(都構想は)メリットの話ではない」と言う。「(総務相の意見に)従わなくてもいいんです。誰も従うわけありません、そんなもの」と言った同じ日に、総務相の意見がどれほど重いものかを延々と説く。

「(東京では)完全に二重行政はなくなったんです。根絶したんです」

「まあ見事に子供教育予算を5倍に増やしました」

 すべてが大ウソである。

 8月27日、維新の党の所属国会議員に「今、党が割れるようなことはしない」とメールを送り、その翌日にアレは党を割る。政党交付金が目当てだろう。

 8月29日、新党結成を正式に表明。

 9月3日、「都構想」を再び掲げることについて「ラストとは、都構想以外では二重行政はなくならない、唯一という意味だ」「ラストチャンスと言ったんだから二度とやるなというのは政治を知らない人の意見」と喚きたてた。麻原彰晃だってここまで無茶苦茶なことを言わないでしょう。

 9月8日、「私人のときの出馬するかしないかや、政治家が引退した後の人生について、こんなこといちいち国民に約束する話ではないし公約でもない」とツイッターに書き込む。

 9月15日、「政治に関心が薄れたわけではない」「今日から大阪維新の会の第2ステージ。大阪再生のためにもう一度大阪都構想の賛否を問い、政治力を持った国政政党にしたい」と発言。

 政党結成について「本気のやつ以外は来なくていい」などと言っていたが、本気というか狂気でしょう。

 以下、結論。

 橋下は詐欺師のような政治家ではない。政界に侵入した詐欺師なのだ。

 その最終的な目的はなにか?

「日本国民と握手できるか分からない」

「能や狂言が好きな人は変質者」

 アレがわが国およびわが国の伝統文化に浴びせかけてきた呪いの言葉を思い出すべきだ。

 11月22日の大阪府知事、市長のダブル選挙が近づいてきた。大阪の皆様には賢明な判断を下してほしい。


***

適菜収(作家・哲学者)
1975年山梨県生まれ。早稲田大学で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。著書に『キリスト教は邪教です!』『日本をダメにしたB層の研究』『バカを治す』。『デモクラシーの毒』(藤井聡氏との対談集)等。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151106-00010005-shincho-pol&p=2

























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