初訪。

浜名湖の北岸を走る “天竜浜名湖鉄道” は、
斬新で、進取のスピリットを持っている。
駅舎の半分を、店舗物件として賃貸に出し、
好きなように改造して営業してもらい、
ついでに、駅そのものまで任せてしまう☆という
実に驚くべき、思い切ったアイデア。

さて、この線の [気賀駅] に、
かねて気になっていた「貴長」が移転したと知り、
これはタイミング、と、早速訪問。

ポップな店の看板が、物凄いインパクトだ。
加えてクリスマス仕様の電飾がキラキラ煌めく。
“気賀駅Dreaming!(夢の気賀駅)”って感じ。

『貴長塩らーめん』 +チャー+味玉 を麺固めで。

おぅ、なっかなか良いじゃん。
スタイルと美意識が際立った、一級の顔。
味玉がデフォでつくので2つになっちまったが、
自分的にはラッキー・ミスの類、OK!

キリッと斬れ味のシャープな、鋭角系塩スープ。
珍しい、グリーン系のスープである。
中央の “とろろ昆布”が放つ、強い潮の香。
個性的な主張が、たまらなく良い感じだ。

麺は、グリーンの細麺ストレート・ややウェーブ。
その色の源は、麺に練り込んである、
「幼稲(ようすい)粉末」 とのこと。
青々とした初夏の水田を吹きわたる風のような、
さわやかな香りと余韻が心地良い。

具材は、濃厚でクリーミーな味玉。
しっかりしたガタイで、フレッシュ感のあるチャー。
その他、メンマ・海苔・ワカメ・とろろ昆布、等々。
それぞれに、一級の役者揃いである。

その腕前と、ピンと際立ったマインドに拍手!
コンセプト明快で、完成度が極めて高い。
従来の、“駅ラー=三文ラー” の定説を覆す、
まさに、“気賀駅Dreaming!(夢の気賀駅)” だ。



(今、[気賀駅] がアツい!!)



海老蔵 5訪目。

この店の、白・黒・赤・黄 を一巡して、
残すは “つけ麺系”のみだと思っていたのだが、
あとひとつの大事な柱を見落としていた。
そう! 『海老蔵の塩』 の存在だ。

主軸の海老蔵ラーと つけ麺の光彩のハザマで
やや影の薄い 『塩』 ではあるが、
これを食せずして、いったいどうするっ。
苦手なつけ麺よりも、こっちの方が先じゃぁっ!

ということで、『塩スペシャル』 を麺固めで。

スペシャルというVer.は初めてだが、
なるほどスペシャルの名に相応しいビジュアル。
よろこびが満載、湧き上がる歓声。

キリッと直線的、明快な塩角のスープだ。
他のメニュー群と比して、少しく異色の感あり。
ただし、そのバック・グラウンドには、
豊潤で丸い、海老蔵的裏づけをしっかりと持つ。
鋭角的な塩角と、どっしりと丸い背景。
この相反する二者の “乖離と共存の絶妙”
嗚呼 これでこそ 『海老蔵の塩』 である。

カネジン麺の、例のスープ持ち上げの一件も、
この塩角が、共に持ちあがってくることによって、
明快なエッジ感となり、クリアな手応えだ。

よろこびに満ち溢れた、満載具材の圧倒感。
海老蔵式チャー、メンマ、味玉、海苔、
そして、どっさりと盛り上げられた刻みネギの山。
“熱い”と“冷たい”が、同時に同量ずつ主張する。
この不思議な快感、クセになりそうである。

ただひとつだけ惜しむらくは、
この冷たいネギがスープを早く冷ましてしまうこと。
なにか、画期的な解決方法はないものか。
おっといかん! 眠れなくなりそうだ。

さて、残すところは “つけ麺系”である。


(“乖離”と“共存”の絶妙)