カオスの根源。 | 暗くなるまで待って

暗くなるまで待って

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本とガーナを比べたら日本の方がなんでも厳しいルールが敷かれている、と

私は勝手に思っていたのだけど、夫が小さいながらもガーナで事業を始めるように

なってから、実はガーナの方が法律は厳しくないか?と思うようになった。

 

ルールって問題は中身ではなくてその遵守率なんだね。

法律自体は存在しているのに誰も守らないから法律そのものがないと思っている

ガーナ人も少なくないのかもしれない。

 

で、他国や他組織が作るルールというのは、その背景までわからないだけに

余所者からみれば謎でしかないものも結構あるのだけど

先日聞いたやつもなかなか厳しいな、と思った。

 

それはガーナで法人を立ち上げる際に

 

・役員ひとりでは法人として登録ができない(少なくとも二人は必要)

・役員に支払う給料の最低額が法律で決められている

・役員の常駐、非常駐に関わらず最低額を支払う必要がある

 

というもの。

 

例えば、夫が法人登録したかったら役員として夫と私を登録し

私がガーナにいようがいまいが自分と同じ給料を支払う、という

スタイルにしなければならないのだ。

 

夫が税務署の職員から聞いた役員手当ての最低金額は

だいたい今のレートで2000ドルほどということなんだけど

会社の規模によってこれが上下するのかはわからない。

 

でも普通の人の給料がだいたい200ドルくらいでやっている国で

その10倍ってどうなの?って夫の周りの経営者達は思うらしい。

日本で言ったら社員の給料20万なのに社長と取締役の給料は

最低でもそれぞれ200万払う義務があるってことだからね。

そりゃあ会社としての負担は重いよ。

 

そう考えると役員報酬を好きなように決められる日本の方が

全然緩いよね。

 

ちなみに従業員の最低賃金というのももちろん法律で決まっているのだけど

こちらは設定がべらぼうに低すぎて、その3倍は貰わないと普通に生活できない

というレベルの額だった。

どうせ会社のコストになるなら、このふたつのバランスを考え直したらどうなのか。

 

という具合に「うわ、ガーナ変・・もとい厳しいな」って思う話はポロポロと

出てくるんだけど、それでもあのカオスっぷりっていうことは

まず「ルールを守る」っていうのを当たり前にしていかないといけないし、

また守れる余裕を持てる環境にしていかないといけないってことなんだよね。