Q.コレペティトールとして、日々ステージやステージ練習で弾いています。


最近、奏法改善を試みていて、脱力の意義や方法は何となくわかってきたのですが、
なかなか思うようにはいきません。


私は、弾き始めは全然ダメなのですが、それは多分、最初は身体が固まっている
からだと思っています。


また、精神的に『スロースターター』という刷り込みがあるので、
その思い込みも解除しないと、抜け出せないだろうとも思っています。


ところで、脱力法メソッドのトレーニングをしていたら、
数日弾かなくても大丈夫なのですか?


$ピアニストとして限界突破するための、ピアノのための「脱力法メソッド」 -piano33


A.私は、意図的に、弾いている時の状態、つまり、身体が温まってきた時の状態を
作っています。


ホッカイロや手袋は、何もしないより良いとは思いますが、外せばすぐ
冷たくなってしまいます。(ただでさえ、緊張すると冷たくなります。)


それよりは、身体の中心から、肩を通って指先まで血液を流してあげることを
意識します。


そのために、人目を気にせず、脱力体操(立ってできるバージョン)を直前まで
行っています。


オススメは、上半身の投げ出しと、肩の脱力横と、肩の脱力縦


人目が気になってできない、という場合は、前腕や手指のストレッチをしているだけでも
だいぶ違うと思います。


水かきストレッチと、前腕ストレッチと、肩からのストレッチ


何の準備もせずにステージに立った場合、私も『スロースターター』です。


身体が温かく、脱力した状態が当たり前の状態になるよう、
常に意識して練習されると良いと思います。


手にとっての脱力に一番大切なのは、まず肩甲骨の付け根からの脱力です。
それが出来てから、指の脱力ですので、特に意識してください。


それから、最後の質問ですが、
私の場合、1ヶ月以上弾かない時もあります。


それでも、「弾けなくなってしまう!」という不安感がないのは、『脱力法メソッド』の
おかげなのです。


そもそも、子供を一人、二人、三人と産む中で、練習は殆どできなくなり、
たまにピアノに向かうとひどい状態なので、それをどうにかできないかと
実践してきた方法です。


ですので、テクニックが落ちてしまう、という不安はまったくなく、
しかも最近では、一ヶ月前に練習中断していた曲でも、その続きから
できるようになりました。


ただ、さすがに一ヶ月弾かないで、初日にいきなりステージ曲を弾くと、
腱のだるさや痛みが起こることがありますが、翌日に治まり、
曲の練習を開始することができます。


イメージ的には、オフシーズンの野球選手が、オンシーズンに入る
という感じでしょうか。


ですので、オンシーズンの一日目は『脱力法メソッド』とバッハ2声を
注意深くじっくり練習する、というのが、私にとってベストです。


Satoko.O