平塚市美術館で、舘野鴻さんがすごいことをしています。
絵本の原画を描いています。
オープンで。
フリーで。
絵本の大きさの1.5倍だかのキャンバスに、直接、下書きなしで、描いてます。
喋りながら。
見せながら。
使う筆は1本。
ラフは見ない。
ラフを確認するのはカンニングと同じ。
フェアじゃない。(何に対して?) 自分に対して。
蜂に刺されないと
フェアじゃない。
刺されましたよ。
ほら(と写真を見せてくれた)
頭の中にあるものを身体性でもって描く。
午前1枚、午後1枚のペースで、数日間、ライブで描き続ける。
描いたものが、絵本になる。
失敗は許されない。
縛りがいっぱいある。
縛りを作ったのは、舘野さんご自身。
わたしたちは、
通常は、絵本になったものを絵本として目にする。
原画は、原画展で見ることができることもあるけれど、絵になる過程を見ることは、普通は、ない。
どんなふうに描き始めるか。
どんなふうに描き進めるか。
どんなふうに描き終わるか。
それを、目の前で見ることができる。
しかも、描いている人は、ずっと、喋ってる。
質問すれば、どんどん答えてくれる。
筆が止まることもあれば、喋りながら、描き続けることも多い。
喋りながら、描けるってすごいよね。
体に入っているから、描けるんだそう。
聞きたいことがどんどんあふれてきて、いろいろ聞きました。
(以下、聞き覚えなので、表現違うかもしれません)
なんでひらがな表記なんですか?
→カタカナで書くと科学絵本になるから。
科学絵本ではない。
スズメバチ、怖いです。正面からのこの絵もゾクゾクするほど怖いです。
→怖いってことは大事です。怖いと感じなくなったら、おかしいです。怖いのは当然です。
絵を見て、怖いと言ってもらえるのは、嬉しい。
ラフを作るまでにはどのくらい時間がかかったのですか?
→半年くらい。
今、描いている絵は、ラフにはないですよね?
→直前に、変更した。
どうして変更したんですか?
→わかった。気がついた。こうじゃないって。だから変えた。
直前に変えて、描けるんですね。
→そりゃ、描けますよ。
今、出版されている絵本について、どう思いますか?
→自己満足のものが多いよね。
もっと批評しないと。もっと批判しないと。これでいいと思っちゃう。
公開制作見た人は、全員、絵本買いますよね。いい作戦ですよね。
→でしょう(笑)
→見て、感じたことを、喋っていいですからね。
1月末まで毎日2枚、絵を描き続けるの、すごいです。疲れませんか?
→疲れますよ、ぐったりです。
ほかにも、たくさん、お話ししてくれたんですけど、今、パッと思い出せるのはこんな感じ。
(言い回し違ったかもです、ごめんなさい)
2025年1月31日(金曜日)まで、平塚市美術館でやってます。
無料です。
すごいです。
ぜひ。
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00045.html
三島のちえちゃんと舘野さんとわたし
舘野鴻さん関連過去記事の一部
↓
2013年が最初の出会いだ
こどものための絵というのは 最大限 誠実であるべきだ 舘野鴻 ぎふちょう
2020年
舘野鴻さんのディープでエグい講演会2回目
https://ameblo.jp/osekkainaobasan/entry-12650070973.html
手元に置きたい児童文学 舘野鴻さんの新作 「ソロ沼のものがたり」
【7月9日(土)小田原】 ファンタジーの沼にハマる会 with 舘野鴻さん
「ソロ沼のものがたり」作者 舘野鴻さんを囲んで読書会を初開催しました