インスタのメッセージで
「三鷹で神沢利子さんの100歳おめでとう展があります」と教えてもらいました。
会期は2月4日まで。
三鷹市芸術文化センターにて。
なんと入場無料。
わたしが行ける日はこの日しかない。
「明日、行きます」とメッセージをして、行くと決めました。
神沢利子さんの初の句集『冬銀河』を読みながら、会場へ向かいました。
想像以上に見応えのある展示でした。
100年の年譜とか
手書きの原稿とか
お若い頃のお写真とか
書斎再現コーナーとか
にじりより
池谷陽子さん作のくまの子ウーフ家族のぬいぐるみとか
くまの子ウーフとツーショットコーナーとか
神沢利子さんが手がけた絵本や児童書など、知らないものもずらり。
神沢利子さんの原画とか(絵も描かれるんですね)
3時間くらい滞在時間があればよかったです。
でも2時間ちょっと、見させてもらいました。
スタッフの皆さんも、なんともあたたかい。
この展示に携わった方々の、神沢利子さんを敬愛する気持ちがひしひしと伝わりました。
わたしが特にグッときたのは、神沢利子さんの読み聞かせ動画と読み聞かせ音声。
『くまの子ウーフのたからもの』(作: 神沢 利子 絵: 広瀬 弦 ポプラ社)
と
「ウーフちゃんへ めんどりより」というあとがきの
読み聞かせのビデオ映像は全集中で拝見しました。
この動画を撮影したのは、2023年の10月と12月、つい最近のことだそうです。
99歳の神沢さんの読み。
白寿の読み。
尊い。
わたしは、絵本やお話の中にある、「はっはっは」みたいな笑い声のところを読むのがすごく苦手でへたくそなんです。
この映像の神沢さんの笑い声の部分、見事でした。
なんと自然で、なんと楽しそうで、なんと明るい。なんとお茶目。
いや〜。聞き惚れる。
あんなふうに読めたらいいなあ。
このビデオ映像をみるためだけにでも、この展示会、行って欲しいです。
さらにこちらも必見。
もうちょっとお若いとき、と言っても80歳代の神沢利子さんが
80才のときの作品『鹿よ おれの兄弟よ』(神沢 利子 作 / G・D・パヴリーシン 絵 福音館書店)を口琴の音色に乗せて朗読している音声が流れる中で
『鹿よ おれの兄弟よ』のすべての原画がずらりと並べられている展示はそれはもう圧巻でした。
(絵本には採用されていない原画もあったそうです)
『鹿よ おれの兄弟よ』
手元に置いておきたいなとずっと思っていたのですが、読む自信がなく、購入する勇気が持てずにいました。
しかし、あまりに精密で美しい原画を間近でじっくり見ながら
神沢利子さんの、低く、落ち着いた、言葉のおと、一つ一つをないがしろにしない、この物語の音をやはり全集中で聞いていたら、
やっぱり、やっぱり、ここで購入しないでどうする自分!と
わたしのものにしました。
絵本ではわからないのですが、原画は、線が凹んでいるんです。立体感があるんです。
絵を描いたG・D・パヴリーシンさんは、シベリア在住のロシアの人間国宝のような画家なんだそうです。
この絵本は、約30センチ四方の正方形に近く、本棚からはみ出るのですが、でもやはり、この大きさである必然性があるんだなと原画を見て、思いました。
オノマトペ のところをどうやって読んだらいいかなあと思っていたのですが、
神沢さんの読みを聞くことができたので、その記憶を元に、わたしも声に出して読みたいと思います。
神沢利子さんの、この絵本のアイディアメモが展示してありました。
そこに「ことばの世紀末」という言葉が書いてありました。
ことばの世紀末・・・
ことばの世紀末・・・
80歳の神沢さんの この絵本のベースにある 真摯な想いの一旦をチラッと触れた気がして、「ことばの世紀末」という自筆メモからしばらく目が離せませんでした。
もしも、会期中にチャンスを作れる方は、ぜひ、展示を実際に目にしていただきたいです。
神沢利子さんと交友関係のあった方とのお手紙の現物も展示がありました。
まど・みちおさん、松居直さん、いぬいとみこさん、石井桃子さん、赤羽末吉さん、宇野亜喜良さん、片山健さん、佐野洋子さん、スズキコージさん、長新太さん、今江祥智さん、、、、
直筆〜。
1枚しかないもの〜。
めっちゃ貴重。レア〜。
と一人でコーフンしてました。
三鷹市内でスタンプラリーを開催してて、3つ集めると、くまの子ウーフの缶バッチ、
全部集めたら、神沢利子さんの絵の『こぶたのブウタ』のミニ巾着ももらえるそうです。
わたしは時間がなくて(このあと、幼稚園の先生への絵本読み聞かせ研修でした)
一つしかスタンプが押せず、残念でした。
会場で、ご自由にお持ちくださいとあったので
「三鷹・神沢利子研究会」さんの
「Uff Ouf uoof ウーフ ウフフフ!」という小冊子をもらってきました。
帰りの電車内で読みました。
全号、もらってくればよかった!
読み物としてとても面白く、マニアックと言っても良いくらいの神沢利子さんへの敬愛の気持ちがより一層具体的に伝わりました。
一人の偉大な作家が、長く、地域の人たちと温かな交流を続けていることで育まれるもの、に羨ましさすら感じました。
いーなー。
神沢利子さんの未読の作品がたくさんあることが判明したので、じっくり読みたいと思います。
20のコツ