国宝 太山寺本堂 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

兵庫県は神戸市にあります、太山寺(たいさんじ)


へ行ってきました(^_^)/

調度、桜🌸が満開でした(^o^)



桜吹雪をかき分け進んでいきます。
天台宗のお寺ですが、道すがら出会う方々は、気さくに挨拶してくださるので、地元に密着したお寺との印象を受けました。
国宝の本堂は、境内の少し高台にあります。
↑屋根が緑色だ……銅板葺きの屋根のお堂の紹介は珍しいですネ。
私のブログでは、初めてかも?



それでは、レポートします。



・国宝 太山寺(たいさんじ)本堂
鎌倉時代の作。
奈良時代 霊亀2年(716年)藤原宇合(うまかい/藤原鎌足の孫、不比等の子)の創建と伝わりますが、火災により焼失。現在の建物は、鎌倉時代に再建されたものと考えられ、"和様"と"禅宗様"の両方の特徴を併せ持つ"折衷様"でデザインされています。
入母屋造り


で銅板葺きの、立派な屋根です。
↑桁行き(けたゆき/正面)は7間。
「間(けん)」は、柱と柱の"間"の数を云います。(長さの単位ではありません)
↑正面は、すべて跳ね上げ式の"蔀戸(しとみど)"。"蔀戸"は"和様"の特徴ですね。中央1間のみ開放されています。
↑板張りの縁側には、"高欄(こうらん)"が取り回してあります。

さて、ここで、国宝 太山寺本堂最大の見どころ!を紹介します。

それは、屋根を支える"組物"です。
なんと"組物"が、お堂の左右半分で様式が異なるんです!
"出三斗"という"組物"なんですけど……
↑右半分が曲線と直線を合わせた「和様」。
↑左半分が曲線のみで構成された「禅宗様」のなんです!
↑それは、お堂の内部でもいっしょなんですが、外の組物の方がわかりやすいですよ。
何か気持ち悪いな……あしゅら男爵みたい……
↑軒は、二重の並行垂木。"和様"です。さすがに軒は、左右とも同じです。
↑右側面です。梁間(はりま/奥行)は、6間。側面の扉はバラエティーに富んでます(^_^)
①1間目は"板戸"
②2間目は"蔀戸"
③3間目は"格子戸引違い"
④4間目は壁
⑤5間目は"板戸"
⑥6間目は壁 です。
↑お堂の裏です。扉は中央だけ。"縁側"も、"高欄"もありません。
↑左側面。扉の構成は同じですが、お堂の内部では、手前3間が下陣(げじん)、奥3間が内陣です。
Wikipediaより
下陣は、正面を全面蔀戸とし、左右に扉も多く、開放的です。
一方、内陣は扉も少なく閉鎖的です。

では、内部も見ていきましょう。
↑床は、全て板張り。柱は全て朱塗りの円柱です。
↑板張り3間分が下陣。写真左の緑の欄間と格子戸で区切られている、この奥が内陣です。内陣と下陣が厳格に区切られているのは、密教建築の特徴です。
↑内陣への立ち入りは、できません(^_^;)
↑天井が、折り上げの格天井になっていますね。出三斗をもう1段重ねる"組入れ天井"と云うそうです。
↑下陣の外周1間分は、"虹梁(こうりょう)"と"垂木"が、そのまま見えている"化粧天井"。
虹梁を掛け、垂木を伸ばし、それを組物で支える事によって、母屋からを伸ばして、室内空間を拡大しているのが、良くわかります。

内陣は、暗くて良くわかりませんでした(^_^;)
過去には、内陣も公開したことがあるようですよ。
そんな機会があれば、参加してみたいですね~
桜🌸が散る前に、訪問できて良かったです(^_^)/~~