で開催中の特別展「本阿弥光悦の大宇宙
」のレポートです(^o^)
レポートが遅くなってスミマセン……
・国宝 舟橋蒔絵硯箱(本阿弥光悦作)
・国宝 刀 無銘正宗(観世正宗)
・国宝 刀 金象嵌銘城和泉守所持/正宗磨上本阿
・国宝 短刀〈銘備州長船住長重/甲戌〉
・国宝 短刀 銘 吉光(後藤藤四郎)
・国宝 平家納経より
蔦蒔絵唐櫃
6件のうち4件が"刀剣"ということで、本阿弥家が刀剣の鑑定を行う家柄だったことが良くわかりますね。
それでは、1件ずつレポートしま〜す(^_^)
まずは、展覧会のキービジュアルにもなっている、こちらから。
・国宝 舟橋蒔絵硯箱(本阿弥光悦作)
東京国立博物館所有の国宝。江戸時代 (17世紀)の作。
出典:ColBase
独立展示ケースで、展示されていました。ぜひとも、くるくる回って360°から見て下さい。
三角おにぎり🍙みたいな、独特の形をした硯箱で、中には硯や水差しが入っています。(ただし、蓋をしたままの展示なので中を見ることはできません)
全体に、密に金蒔絵を施した"沃懸地(いかけじ)"という手法が使われています。磨きはマットに抑えられているので、シブイ印象。
出典:ColBase
黒く変色してしまっていますが、鉛の板が貼り付けられていて、これで「舟橋」に見立てています。おにぎり🍙の海苔みたいですね(^_^;)
出典:ColBase
↑黒い部分が、アーチ型の橋に見えますよね。
"付描(つけがき)"という手法が使われています。
そして、硯箱全体に"銀"で作った板文字が散らされています。
本阿弥光悦のアバンギャルドなデザインセンスが光ります!
・国宝 刀 無銘正宗(観世正宗)
東京国立博物館所有の国宝。鎌倉時代(14世紀)の作。
太い棒樋(ぼうひ)を一本通した、刀(打刀)です。"鎺(はばき)"付きで展示されていました。
本阿弥家が、"別格"の評価をした逸品です。
・国宝 刀 金象嵌銘城和泉守所持/正宗磨上本阿
↑colbase より
東京国立博物館所有の国宝。鎌倉時代(14世紀)の作。
本阿弥家の9代目光徳により、鑑定されたものです。
"樋"は無く、目釘孔は1つ。
刃文は、ゆったりとした"のたれ"です。
個人所有の国宝。南北朝時代 建武元年(1334年)の作。
レア国宝です\(^o^)/
個人所有の国宝は、なかなか展示されないので貴重です。私はこの国宝を見るために、東京行きを決めました!
長重(ながしげ)は、備前長船(びぜんおさふね)で活躍した刀工で、備前伝に相州伝を取り入れた"相州備前"の名手、だそうです。
本阿弥光徳唯一の"指料"と伝わります。つまり、光徳が実際に身に着けたもの……ということですね。
長さ26cmほどの短刀で、直線的な一振り。
霞がかった刃文で、目釘孔は1つ。
"茎"に「備前長船住長重」の銘が見えます。(茎の裏には「甲戌」の銘が切られているようですが、見えません)
・国宝 短刀 銘 吉光(後藤藤四郎)
徳川美術館所有の国宝。鎌倉時代(13世紀)の作。
鎌倉時代(13世紀)の作です。
三代将軍 徳川家光が、娘の千代姫の結婚相手 尾張徳川家 光友に贈った、祝いの短刀です(^_^)
長さ28cmほどの長細い短刀。
"茎"に4つの目釘穴と、"吉光"の銘が切ってあるのが見えます。
粟田口派の刀工 藤四郎吉光の作で、自分の作品の証明として、自らの名「吉光」を刻んでいます。
じゃあ、"後藤"は?というと、これを所持していた"後藤庄三郎光次"という人物からとっています。それが、流れ流れて家光→光友の手に渡ったんですねぇ。
刃文はゆるく乱れてますが、遠目から見ると直ぐ刃。
見る人が見ると「吉光の作としては珍しい乱れ刃だ」となるそうですが、私にはよくわかんないですf(^_^;
・国宝 平家納経(厳島神社)より
蔦蒔絵唐櫃
今回、国宝の平家納経は出展されていません。出展されているのは、国宝 平家納経を構成する内の1つ、「蔦蒔絵唐櫃」です。
わかりにくいですね(^_^;)
詳しく話します。
国宝 平家納経は、
法華経(開結共)30巻、阿弥陀経1巻、般若心経1巻、平清盛願文1巻の計33巻
+
金銀荘雲龍文銅製経箱
+
蔦蒔絵唐櫃
で構成されています。
今回の展覧会では、そのうちの「蔦蒔絵唐櫃」が展示されていたわけです。上記の3点で1セットとすると、経箱も唐櫃(からびつ)も見ないとね❤(^o^)
では、レポートします。
蔦蒔絵唐櫃(つたまきえからびつ)
厳島神社所有の国宝。桃山時代 慶長7年(1602年)の作。
平家納経が補修された際に、奉納されたものです。俵屋宗達が関与したと考えられています。
黒漆塗りで、蔦(つた)の金蒔絵が施されており、平家納経を納めるに相応しいものです。脚は4本ですが、唐櫃の角(かど)ではなく、各辺の中央から生えてます。
ただ、こちらの展覧会で良かったのは、重要文化財の鶴下絵三十六歌仙和歌巻でした✨
俵屋宗達が下絵を描き、そこに本阿弥光悦が和歌を書いたもので、ほぼ全巻展示でした☺
これは、圧巻でしたね~
こちら、京都国立博物館所有の重要文化財で、私も京博で数回見ていますが、いつも部分展示だったんですよ。それが今回全巻展示され、その全貌の素晴らしさに驚きました\(^o^)/
残念ながら、3/10(日)までで終了です。
お近くの方は、ぜひ足をお運びくださいね😊