土曜の午後は、誉田八幡宮で国宝を。 | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

大阪は羽曳野市にあります、誉田八幡宮(こんだはちまんぐう) 


へ行ってきました(^_^)/

誉田八幡宮 は、応神天皇陵に隣接する神社で、応神天皇を主祭神としています。

↑石鳥居の左手に拝観庫があって、そちらで国宝が展示されているのですが、後ほど紹介しますね(^_^)
まずは、拝殿で参拝を済ませます。
↑拝殿の中、左側に授与所がありますので、そこで400円をお納めし、「国宝を拝観したい」と申し出ますと、係の人が拝観庫を開けてくれるよう連絡してくれます。
誉田八幡宮所有の国宝は、
・国宝 塵地螺鈿金銅装神輿
・国宝 金銅透彫鞍金具
の2件です。
神職の方が出てきて、石鳥居の横にある拝観庫の扉を開けてくれます。
↑こちらが、拝観庫。毎週土曜日の1時から4時まで、要望があった時だけ開扉しているようです。

庫内は撮影禁止(^_^;)

では、レポートします。



・国宝 塵地螺鈿金銅装神輿(ちりじらでんこんどうそうしんよ)

鎌倉時代 建久7年(1196年)に、源頼朝 


が奉納したと伝わります。(亡くなる3年前なので、ちょうど今の大河ドラマと同じ頃ですね)


高さ2m、長さ3.5mほどのお神輿(みこし)です。
人間が乗るのではなく、神様が乗って、隣の応神天皇陵まで向かうためのもの。
てっぺんに鳳凰をいだき、四方に豪華な錦(にしき)が掛かっています。
この錦も鎌倉時代のものが、そのままに残っています。
"塵地螺鈿(ちりじらでん)"の名がついているので、目を凝らして見るのですが、よくわかりませんでした(^_^;)
各所に螺鈿が貼り込まれているのは見えるんですけどねぇ……
"塵地螺鈿"は、黒漆塗りの下地に、夜光貝などの貝殻の裏側部分を細かく切って蒔き、その上に透明の漆を塗って磨き上げたもの。当初は、夜空に輝く星々のごとくきらめいていた思うんですが……頼朝の時代のものなので、すっかりくすんでしまっています(^_^;)



・国宝 金銅透彫鞍金具

古墳時代の作。

江戸時代 嘉永年間に、隣の応神天皇陵に隣接する"誉田丸山古墳"から発掘されたものだそうです。

馬に乗るための"鞍(くら)"の前立て部分の装飾金具二具です。
先日レポートした、国宝 藤ノ木古墳の金銅鞍金具は、動物や鬼神などキャラクターをデザインしたものでしたが、こちらは龍を唐草文にデザインした、"グラフィックデザイン"と呼べるもの。シンプルながら緻密なデザインを、CGソフトの無い時代に描きあげたセンスに脱帽です。さらにそれを具現化する金工技術が、古墳時代にあったことにも驚きです(^o^)
その高度な技術力から、渡来品だと考えられているそうですよ。

また、附指定の
 金銅轡鏡板(1個)
 金銅花形辻金具一括(12個)
 鹿角装刀残欠一括
 馬具鉄鏃(てつぞく)及び鐙等残闕一括
も、それぞれが桐箱に入った状態で展示されていました。


前述のように、土曜の午後のみの公開です。

大阪で、常設で国宝美術工芸品が見られるところは少ないので貴重ですね。