九博で、国宝 栄花物語と国宝 刀 無銘則房、国宝 宮地嶽古墳出土品を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

前回のブログ から、間が開いてしまいました……


自分なりの分析…と云うより、"こだわり"があって、調べものに時間がかかったのと、マンガ 

 に、ハマってまして(^_^;)

ブログに時間がかけられませんでした……


さて、気を取り直して(^o^)

九州国立博物館 の続きです。


でしたが、それ以外にも国宝が展示されるのを狙って訪問していたので、それらも紹介していきますね~



・国宝 栄花物語17帖のうち
第二十三巻
・国宝 刀 無銘 則房
の2件です。


・国宝 栄花物語17帖のうち
第二十三巻
九州国立博物館所有の国宝。鎌倉時代(13世紀)の作。
毎年1回は、ここ九州国立博物館で公開されることの多い国宝です。
全17帖あり、冊子本です。
そのうち大判のもの(縦30cmほど)が10帖(巻1〜20)、小型のもの(縦16cmほど)のものが7帖(巻21〜40)あります。
今回展示のものは、小型のものになります。
国宝 栄花物語は、10+7=17帖あることがわかりましたが、展示されている作品は第何帖なんでしょうか?

分析していきましょう\(^o^)/

まずは、キャプションに注目。
「巻二十三には…」とありますので、展示品は、"巻二十三"の含まれる帖であることがわかります。

次に、栄花物語の巻23は何のお話しかを調べると「 駒競(こまくらべ)」の段だということがわかりました。

次に、この"巻23「 駒競(こまくらべ)」"が、どの帖に含まれているのか調べます。
この帖の冒頭部分の画像 


を見て下さい。巻21〜24の段が含まれていますね。
「巻廿三 駒競」も含まれています。

先に書いたように、巻20までは、大判の帖、巻21以降は小型の帖です。
大判の帖は1〜10帖、小型の帖は11〜17帖。

これらの事から、この帖は「第十一帖」だと特定されます。

つまり、↓の写真は、第十一帖の巻23「 駒競(こまくらべ)」の段のページを開いていることが判明しました(^o^)

外形的な事はこのくらいにして、内容を見ていきましょう。
見てわかるように、仮名文字で書かれています。
この"栄花物語"は、藤原道長の時代を中心に書かれた歴史書で、女性が書いたものと考えられています。
↑展示部分のページは、藤原道長の三女 威子が作らせた"宝塔"の素晴らしさを書いた部分を開いていました。
「この塔は、法華経の"見宝塔品"に書かれている、"地面から湧き出てきた塔"のように輝いて見えた」みたいな感じかな(^_^;)?
2/20までの展示予定です。



・国宝 刀 無銘 則房

九州国立博物館所有の国宝。鎌倉時代(13世紀)の作。
"刀"なので、刃を上にして展示しています。反りはあまり大きくなく、身幅も広く、太い"棒樋(ぼうひ)"を一本通しています。
"茎(なかご)"に銘は無いので「無銘」。目釘孔は一つです。茎の終端まで棒樋が通っているので、元はもっと長い大太刀だったものを、"摺上(すりあ)げた"ものだとわかります。
刃文は、大きいが落ち着きのある丁子で、華やかですが力強さと風格を感じさせます。3/13までの展示予定です。



↑この他にも、観世音寺の国宝 梵鐘や、国宝 宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品も展示されていましたが、前回訪問時より変化がありませんでした。(前回訪問時の常設展示のレポートはこちら 


)

国宝 宮地嶽古墳出土品は、復元模造の金銅装頭椎大刀はそのままですが、それ以外は展示替えされていました。
展示替えされていたものだけ紹介しますね。

・国宝 宮地嶽古墳出土品より
金銅装頭椎大刀(かぶつちのたち)の柄頭(つかがしら)
鎺(はばき)
金銅透彫冠残欠 一括

宮地嶽神社所有の国宝。古墳時代(7世紀)の作。

↑左から、金銅装頭椎大刀の鎺(はばき)と柄頭(つかがしら)です。
↑の復元模造を見ると、見るからに鏑(かぶら)ですね。
↑今じゃ、すっかりしぼんじゃいました(^_^;)
↑鎺(はばき)部分には、鈴が付いていたようですが、
↑外れちゃっていますますね。

金銅透彫冠残欠 一括
冠の透かし彫り金具の部分のみ残っています。
国宝 藤ノ木古墳出土品など、古墳時代の冠はよく似た感じです。
↑拡大すると、こんな感じ。
コンピュータの無い時代に、フリーハンドでよくまとめたなぁって感じで、破綻のないデザインです。感心感心(^_^)

その後は、太宰府天満宮に参拝し、
帰宅の途に就きました(^_^)/~~