いゃあ、皆さんお元気でしたでしょうかf(^_^;
このブログ、1ヶ月以上放置しておりました(^_^;)
新型コロナウイルスのよる"緊急事態宣言"が明け、他府県への越境自粛も徐々に解除されてきましたので、私の国宝鑑賞も、再開していきたいと思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200616/23/osapon-ok/d2/23/j/o1080060714775264806.jpg?caw=800)
さて、復帰第一戦は平等院の鳳凰堂です。
が、昼間の拝観は初めてですf(^_^;
夜間拝観時は、鳳凰堂の内部拝観はできなかったので、この機会を待っていました(^_^)
また、6/15からはミュージアム鳳翔館も再開されています。
平等院の保有する国宝は、以下のとおりです。
建築物
・国宝 鳳凰堂
美術工芸品
・国宝 鳳凰堂中堂壁扉画(鳳凰堂内)
・国宝 木造阿弥陀如来坐像(鳳凰堂内)
・国宝 木造天蓋(鳳凰堂内)
・国宝 木造雲中供養菩薩像(鳳凰堂内とミュージアム鳳翔館)
・国宝 鳳凰(ミュージアム鳳翔館)
・国宝 梵鐘(ミュージアム鳳翔館)
です。
・国宝 平等院鳳凰堂
↑の写真中央部分が中堂。画面右手に伸びているのが北翼廊。左手に伸びているのが南翼廊。鳳凰が翼をを広げているように見えるので"鳳凰"堂なんですね~
横長のお堂ですが、これは南北に長いんですよ。
近年、屋根の葺き替え・柱の塗り直しなど外装の修理が行われ、キレイになってます。
明治・昭和の修理の際の瓦は焼きが甘く、剥がした下の屋根板が腐っていたそう。対して平安・鎌倉時代の瓦の下は、なんともなかったそうです(^o^)
今回平成の修理では、大半が現代の瓦に置き換えられました。さて、平成瓦は1000年持つのかな?
1階部分はピロティになっていて、その上に2階が乗ってます。向こう側が吹き抜けで見えますね。各翼廊の角には更に3階部分が積み上げられています。いずれも人は入れず実用性は無いようです。(入ろうと思えばなんとか入れる程度)
外見のレポートは以上です。
その頃、世の中には末法思想が広がり「死んだ後には、なんとか極楽浄土に行きたい」と誰もが考えていました。
頼道も多分に漏れず、極楽に行くために現世で功徳を積みます。
当時は、現世での功徳の多可によって、上品上生から下品下生まで、9つのランクに分けられた浄土へ行く先が決まると考えられていたそうです。
功徳の積み方は、お寺を建てたり、仏像を作ったり、お経を納めたりすることで積まれます。(貧しい人を救ったりとか、そうゆうのじゃなかったみたい)
しかも頼道「浄土に行きたい」が過ぎて、バーチャル浄土を作ってしまいました!それが、この鳳凰堂です!
それではバーチャル浄土に足を踏み込みましょう(^-^)/
北翼廊のさらに右に内部拝観の受付所があるので、まずはそちらでチケットを購入します。
内部拝観は、9:50~15:50の間、毎時10・30・50分の3回行われますので、300円でチケットを購入し、時間が来るのを待ちます。(予約はできないので、受付を済ましたら、その辺で待ちます)
人数が少なくてゆっくりと見ることができます。(私は来たときと帰りの2回見ました)
中堂内には、靴を脱いで上がります。内部の写真撮影は禁止(>_<)
さて、浄土は"西方"つまり西の方角にあるとされていて、臨終の際には西方浄土から阿弥陀如来がお迎えに来るところから始まります。
・国宝 阿弥陀如来坐像
が、頼道をお迎えに来ていますよ~
最初に鳳凰堂は"南北に長い"と書きましたが、国宝 阿弥陀如来坐像は"西方"つまり、西側から現れているんです。
丈六(仏様のリアルな大きさ)の大きな仏像です。
しかも、定朝(じょうちょう)という名仏師に作らせています。定印を結んだ、丸顔の日本風のお顔に、金箔もよく残っています。
光背の頭頂には智拳印を結んだ大日如来をはじめ、菩薩達が取り囲んでいます。
そして、忘れちゃいけないのが、国宝 阿弥陀如来坐像の上にある、
・国宝 天蓋(てんがい)
仏様の上に吊るされている"傘"のようなものです。(最近では今年あらたに答申された、法隆寺金堂の天蓋を紹介しましたよね)
こちらの天蓋は、珍しく二重構造をしています。
方形の中に、円形の天蓋が組み合わさっています。方形天蓋内部は、小組の折り上げ格子で、彩色と螺鈿が施されています。これは豪華ですよ、肉眼でもわかります(^o^)
円形の天蓋の中央には、八葉の大きな鏡が付いています。製作当初は、光が鏡に反射し、金色の阿弥陀如来を更に輝かせていたことでしょう。
中堂の内部には全面に彩色が施されています。今ではすっかり剥落していますが、当時は堂内全てが極彩色で彩られていたようです。さしずめAR浄土!
壁や扉すべてに彩色絵が描かれています。それが、
・国宝 鳳凰堂中堂壁扉画(ほうおうどうちゅうどうへきひが)
です。
14面が1件の国宝指定を受けていますが、扉絵に関してはすべて取り外して保管されているので、中堂内で見ることができるのは、国宝 阿弥陀如来坐像の後ろに立っている
・仏後壁(の前面 何が描かれているかは解明されていない)
と、同じく阿弥陀如来の右手にある
・北面壁(中品中生図)
左手の、
・南面壁(下品中生図)
のみで、あとは復元図に置き換えられています。
ただ、 いずれの壁画 扉画も剥落激しく肉眼では何が描かれているか判別不明でした。
この堂内壁画扉画は、ミュージアム鳳翔館で再現されています。鳳凰堂拝観の後は、ぜひミュージアムにも訪れてください。
そして、阿弥陀如来坐像を中心に凹字型に長押(なげし)の上で、踊り 楽器を奏でているのは、
・国宝 雲中供養菩薩像
全部で52体すべてを1件として、国宝指定を受けています。
中堂内に52体ありますが、オリジナルの国宝は半分の26体。残りは複製品です。で、本物はミュージアム鳳翔館で展示されています。
つまり、鳳凰堂内部と鳳翔館の両方を見て、はじめて雲中供養菩薩52体全部を見たことになるわけですf(^_^;
鳳凰堂内部は、今も修復中のため、拝観中も作業の方々がお仕事されていました。そのため、堂内には足場が組まれており、全体を見渡すことができず残念でした(^_^;)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200616/23/osapon-ok/ad/c5/j/o1080060714775264866.jpg?caw=800)
その後は、ミュージアム鳳翔館にも再訪しました。
そちらは、夜間拝観時のレポート
も参照していただければ幸いです。
ミュージアム鳳翔館で見られる国宝は、
・国宝 梵鐘
・国宝 鳳凰
・国宝 雲中供養菩薩像
です。
久しぶりに見てみると、国宝 鳳凰が自分で自分の足を踏んでいるのを発見したり、おもしろかったですよー
おまけ
おまけは、国宝 雲中供養菩薩像の配置場所です。
鳳凰堂とミュージアム鳳翔館で色分けしてみました。〈 〉内は持ち物もしくはポーズ
北1号〈箏(そう)〉
北2号〈琵琶(びわ)〉
北3号〈合掌〉
北4号〈鼓(こ)〉
北5号〈合掌〉
北6号〈幡(ばん)〉
北7号〈合掌〉
北8号〈排簫(はいしょう)〉
[]北9号〈舞〉
北10号〈舞・桴(ふう)マイクみたいな物〉
北11号〈鼓〉
北12号〈どう・桴(ふう)〉
北13号〈香合(こうごう)〉
北14号〈欠失〉
北15号〈簫(しょう)〉
北16号〈琵琶(びわ)〉
北17号〈幡〉
北18号〈鼓〉
北19号〈欠失〉
[x]北20号〈箏〉
北21号〈華籠(けこ)〉
北22号〈舞〉
北23号〈舞〉
北24号〈鼓〉
北25号〈蓮台(れんだい)〉
北26号〈楽太鼓・桴(ふう)〉
南1号〈拍板(はくはん)〉
南2号〈天蓋(てんがい)〉
南3号〈華鬘(けまん)〉
南4号〈鈴・桴(ふう)〉
南5号〈鉦鼓(しょうこ)・桴(ふう)〉
南6号〈鐃鈸(にょうはち)シンバルみたい〉
南7号〈編鐘(へんしょう・桴(ふう))〉
南8号〈簫(しょう)〉
南9号〈宝珠(ほうじゅ)〉
南10号〈欠失〉
南11号〈簫(しょう)〉
南12号〈合掌〉
南13号〈合掌〉
南14号〈鼓〉
南15号〈欠失〉
南16号〈箏〉
南17号〈蓮華〉
南18号〈舞〉
南19号〈箜篌(くこ)〉
南20号〈舞〉(背中に「満月」の墨書)
南21号〈笙(しょう)〉(背中に「金剛光」の墨書)
南22号〈楽太鼓・桴(ふう)〉
南23号〈拍板(はくはん)〉
南24号〈欠失〉(背中に「愛」の墨書)
南25号〈鼗(とう)〉
南26号〈鐃鈸(にょうはち)シンバルみたい〉