備前長船刀剣博物館で「国宝 山鳥毛」を激写! | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2023年12月現在の国宝の総数1,137件。そのうち、美術工芸品906件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

岡山県に行ってきました(^-^)/

新大阪から40分程度なので、意外と近いです(^_^)

行き先は、岡山県瀬戸内市にある「備前長船刀剣博物館(びぜんおさふねとうけんはくぶつかん)」。
こちらで開催されている展示会「一文字と長船(おさふね)」に、国宝 無銘一文字(山鳥毛)」が今日から特別展示されていて10/8(火)~14(月・祝)の間に限り写真撮影が可能となっているんです\(^o^)/
刀剣工房や、鍛刀場も併設されているので、後ほど紹介しますね。
博物館入り口では、山鳥毛里帰りプロジェクトの寄付を募ってました。

というのも、岡山県瀬戸内市長船町は、安土桃山時代までは"備前長船"として、刀剣の一大生産地だったのです。(現代でも、国宝・重文のほぼ半数は備前刀といわれています)
ところが、この頃、豊臣秀吉の刀狩りによる需要の激減と、この地を襲った大洪水によって一気に衰退してしまいます。
国宝 無銘一文字(山鳥毛 さんちょうもう・やまとりげ)も、この地 長船で作刀されたそうです。
山鳥毛は、後に上杉謙信の愛刀となり上杉家に相続されていました。
戦後、上杉家から岡山県の個人の手に渡り現在にいたります。

で、この所有者は山鳥毛を売りたいようなんですよね~
なんと、その価格5億円!!((( ;゚Д゚)))

まずは、上杉のお膝元新潟県上越市が購入に手を挙げます。
しかし、交渉はまとまらず破談。
次に手を挙げたのが、備前刀のふるさと、ここ岡山県瀬戸内市でした。
サイトによると、4億5千万の寄附が集まっているように見えますが、経費を引いた実質金額は3億2千万程度。
対して目標金額が、6億!(山鳥毛本体5億+施設改修1億)なので、どうなんですかねf(^_^; ?

ま、そんな話は置いといてレポートです。

一文字と長船(おさふね)」には、40振りの刀剣が展示されていました。
1階の展示室には、主に長船派を、2階に福岡一文字派の刀剣を展示していました。どの部屋もこの期間は撮影可能です(^o^)

山鳥毛は2階に展示されています。

それではレポートです、

・国宝 無銘一文字(山鳥毛)

国宝 上杉家文書に、上杉景勝自筆腰物目録として、上杉景勝が好んだ35腰のうちのひとつとして山鳥毛の記載があるそうです。
太刀ですので、刃を下にして展示されています。
茎には銘は切ってありません。
特徴は、何と言ってもこの刃文でしょう(^_^)
大丁子乱れといわれる、ど派手な刃文です(^_^;)
この刃文が山鳥の羽毛のようなので「山鳥毛」の名がついたとか。

公開初日だったので、TVの取材も来ていましたよ。
平日だっためか、刀剣女子もまばらでした。

博物館自体は30分もあれば見て回れます。
1階にある展示ルーム「刀剣の世界」で、刀剣の基本的な知識について学びましょう。
ん?中央のモニターの下の絵。どこかで見たことありませんか?
そう、以前に紹介した国宝 一遍聖絵の一場面です。
弓を持つ侍を、刀を持つ侍に描き直した形跡があると言っていたあのシーンです。
あの場所はまさにここ、瀬戸内市長船町だったんですね(^o^)
解説のパネルにも説明がありました。
こちらのコーナーでは、玉鋼から刀剣を作り出す作刀のビデオ(15分ほど)が流れているので、見ておきましょう。
展示物と併せて見ると理解が深まります(^_^)
↑画像の中央の、刃文を付けるための泥の塗り方なんて、ためになります(^_^)
その他、刀剣の重さを実感できたりとか、いろいろありました。
鍛練場の中も見学できますよ。

最後に、プチ情報。
JR長船駅から備前長船刀剣博物館までの、無料送迎の車が出ていました。
私は行きはこの無料送迎車で、帰りは徒歩でJR香登(かがと)駅から帰りました。
徒歩の場合はJR香登駅の方が、長船駅より距離的に近いです。(私の足で20分ほど)
ただし香登駅は無人駅で電車の本数も少なく、交通量も多く大型車両がビュンビュン行き交う道を通るので、安全には十分注意してください(>_<)
※歩道がある側を歩いてください。(香登→刀剣博物館の場合右側。刀剣博物館→香登の場合左側。)

今週末は台風が来るようですね?
国宝鑑賞の予定をたててるんですが、どうなるかなぁ?