白鶴美術館で、国宝 賢愚経(大聖武)と国宝 大般涅槃経集解を見る | 死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

死ぬまでにすべての国宝を肉眼で見る

2024年9月現在の国宝の総数1,143件。そのうち、美術工芸品912件。これをすべて肉眼で見ようという計画です。関西中心の情報をお届けします。

兵庫県にあります、白鶴美術館へ行ってきました(^-^)/

白鶴美術館は、その名が示すとおり白鶴酒造の7代目 嘉納治兵衛が、収集した多くの美術品を広く公開するため作られました。
阪急御影駅から閑静な(というか豪勢な)住宅街を15分ほど歩いたところに、白鶴美術館はあります。
けっこう坂を昇るので、ちょっと疲れます(^_^;)
巨大な石垣の表玄関を抜けると、
これまた巨大な飛び石と、良く手入れされた白砂が見えます。
こちらがエントランス。
昭和9年に建築された建物。
↑の画像左手に、受付があるので料金(800円)をお支払します。
中に入ると、正面に見えるのが本館。
八角灯籠が立派です。(国宝である東大寺の八角灯籠より巨大です((( ;゚Д゚)))
エントランス棟の中は↑こんな感じ。レトロですね(^_^)
長い渡り廊下を渡って、展示室がある本館に向かいます。
廊下の突き当たりには、これまたレトロな応接セットがあり、右手が展示室になっています。
ここから先は、撮影禁止(>_<)

数ある白鶴美術館の所蔵品から、"文字"をキーワードに作品をピックアップ。
文字の起源から、文字をデザインした品、歌やお経などの古筆まで展示されていました。
"漢字"は現代でも使われている、唯一の古代文字なんですねぇ~。


白鶴美術館が所有物する2件の国宝は、ともに漢文です。

では、国宝のレポートを(^o^)

・国宝 賢愚経(大聖武)甲巻
です。


国宝 賢愚経(大聖武)甲巻 から。

賢愚経(大聖武)は、けんぐきょう(だいしょうむ)と読みます。大聖武という別名があるのは、聖武天皇の真筆と云われていたためです。
もともとは、東大寺の戒壇院にあったものが、鎌倉時代には流出しバラバラになってしまいました。
ここ白鶴美術館には、甲乙2巻が所蔵されています。その甲巻が今回展示されていました。(11/6からの後期には、乙巻に展示替えされます)
8月に奈良博で、同じ賢愚経巻第十五見たばっかりでした(^_^;)
賢愚経とは、賢人と愚人の逸話集だそうです。ところが長い年月の間に、中身の入れ違いが生じていて、一巻を通して内容の繋がりが無くバラバラなんだとか。
特徴としては、太い文字・紙がとても白いの2点かなぁ。
太くて大きい文字は、"大"聖武と呼ばれる由縁です。いつもここで言ってますが、お経は通常一行17文字ですが、賢愚経(大聖武)は、一行12~13文字と大きな文字で書かれています。
そして、拡大するとよくわかるのですが、どの字も字をなぞって大きな字に見せています。
紙の白さは、奈良博では薄暗かったので、この紙の白さはわかりませんでした。
今回こちら白鶴美術館では、独立展示ケースでの展示で、室内照明も明るく、その白さが良くわかりました\(^o^)/
これは、胡粉(ごふん)という貝殻を焼いて作った顔料を表面に塗っていると考えられていますが、"国宝"は削ったりして成分調査をすることもできないので、真相はわかりません(^_^;)


国宝 大般涅槃経集解(だいはつねはんぎょうげ)

こちらも独立展示ケースで、巻初の60cmほどが展示されています。
全71巻あり、そのすべてが白鶴美術館に所蔵されています。今回は"巻第十"の展示ですが、すべて漢文で書かれているので内容はわかりません(>_<)
良く見ると、大きい字と小さい字があります。
大般涅槃経集解は、その名のとおり"大発涅槃経"というお経の解説書です。
大文字部分の解説を、小さい文字で説明しているそうです。
巻初部分に"西大寺"の印があります。
2階にも展示室があります。
館内がレトロなのは、雰囲気だけではありません。設備もレトロです。
展示ケースも年代物で、ガラスが平滑でなく微妙に波打ってます。古いガラスの特徴です。
お庭もキレイですよ。
ついでに新館の展示も見てきました。
新館は"絨毯"のコレクション展示です。
白鶴酒造 十代目 嘉納秀郎が収集したコレクションを展示しています。
帰りは、阪急御影駅近くの「御影ダンケ」で、
バターブレンドコーヒーとケーゼクーヘンをいただきました(^_^)
"バターブレンドコーヒー"というのはですねぇ、焙煎したコーヒーにバターを染み込ませてコクを出したものです。

名前だけみると、奇をてらったものを想像しますが、そんな事ありません。
美味しかったです\(^o^)/