犯人は誰だ?!伴大納言絵巻完結! | そらのうえ うみのそこ

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そらまめかーさん
ストーリーテラー修行奮闘記!!
絵本読み師修行記!!!
快調連載中~!

よらひくさんの記事で はっとなって、最終日寸前に

出光美術館 美の祝典Ⅲに 駆け込んできました~。

あやうく、伴大納言放火事件の 結末をみのがすところであった。

ありがとう、よらひく嬢。

 

途中で なんのこっちゃ?!の方のために

前々回の記事→☆

前回の記事→☆

 

ざっくり 言っちゃいますとこの絵巻物は平安時代の政治事件

「応天門の変」の顛末を描いたものなんですね。

応天門の変とはなんぞや?

うぃきぺであさんが 詳しくこたえてくれるので 気になるひとはレッツ検索!

 

そらまめ風に おっぺけぺ~と解説すれば

 

ある時 みやこの応天門が 突然炎をあげて燃え上がります。

すわ放火か!と検非違使たち(平安時代の警察ね)が捜査します。

犯人はどうも左大臣源のまことちゃんらしい!

しょっぴかれる信ちゃん。泣き叫ぶ女御たち!おおさわぎさ!

ところが、どうも これがガセネタらしいですぜ 山さん・・・。と

ブンヤの重からタレこみがあり、山さんは ボスにご注進申し上げるわけだ。

(注:山さん→藤原良房 ボス→清和天皇  ブンヤの重→そらまめの妄想)

源信は証拠不十分にて釈放となったが(赦免といふ。)

なーんもしてねえのに、しょっぴかれてよう~、って

まことちゃん ふてくされ~。

 

さてある日、町角で 子どもが喧嘩を始める。

片っぽは 身分の低い舎人の子。片っぽは伴大納言に仕える出納の子。

出納の男 子どもの喧嘩にしゃしゃり出て、

舎人の子どもをいやというほどどついたのね。

舎人 むかついて、

 

「わし、お前の上司の すんげー、秘密知ってんだぞー!

ここで、言っちゃうよ。言っちゃうかんなー!」

 

そして暴露!

あの火事の日に 舎人は 応天門からこそこそと逃げ出す人影を見た。

それは 伴大納言であった!

 

噂は野火のようにひろまって朝廷の耳にも届きました。

朝廷に引き立てられ 取り調べを受け すべてを話してしまった舎人。

かくして 伴大納言は流刑となったのであります。

左大臣源信に罪をなすりつけ、自分が大臣になろうとした結果

こんなことになってしまった・・・という おはなし。

 

 

 

さて、

今回は クライマックス 舎人の朝廷での告白から

伴大納言邸へ急ぐ検非違使たち。

混乱し泣き叫ぶ伴邸の人々。

牛車にて 検非違使に囲まれ 連れていかれる伴大納言

という 絵であります。

 

あいかわらず、巧みな筆さばき。

検非違使の一人ひとりの個性が描き分けられ、

人物の感情までもが 表現されています。

 

応天門の変は 伴大納言の悪事となっていますが、

この絵巻を観ると 何故だか もや~と なる。

はたして、本当か?真犯人は別に居るんじゃないか?

実際 展示もそのように、真実は闇の中よね~と 言ってました。

 

 

なんで、もや~、とするかっていうとね、

絵巻の人物の 表情のせいではないかと 思っちゃうんだよねー。

 

もしも 伴大納言が 腹黒くて嫌な男だったら

検非違使の逮捕の口上を聞き 家司がこんなに悲しそうな顔するかしら?

嘆き悲しむ女御たち。

御簾に縋りついて 去りゆく牛車を目で追う少女は 悲痛な様子。

 

そして、任務を終えた 検非違使の数人の顔つきも

名探偵そらまめは 見逃さなかった!

絵巻の ラストシーン。

牛車の中の伴大納言の 着物の裾は見えるけど 表情はわかりません。

そのすぐ近く 車の後ろについて走る三人の男。

何故だか 顔を見合わせ ほくそ笑んでいるようにも見えるんだな!

 

「おい、うまくいったな!」

「伴大納言が 罪を被ってくれりゃあ源信様は安泰。

俺らの懐にも、 あの方からの・・・」

「しぃ!声が大きいぞ!」

 

なーんて、密談してんじゃないのぉ?!

 

 

 

まったくもって、本当のことは謎のままなんですけど、

絵巻を描いた人物の 力量によって

現代のワタシ達がついつい、みんな 探偵みたいになっちゃうのって、面白いです。

美術鑑賞、最高!

 

 

 

ワタシが こんな風に絵画を 妄想スコープで眺めるようになったのは

実は 最近のことで、学生時代は向学心が(ぷ!)邪魔をして

知識だけで 絵を観てた気がします。

もちろん、大好きだったし楽しんでいたけど

こうあらねば、という 硬い枠がなくなった分

自由に 空想しながら鑑賞していいと 自分を許すようになってから

ますます、美術館巡りが 大好きになりました。

 

もちろん、軽く 予備勉強して鑑賞すると

より たのしめますが 美術館の敷居は それほど高くないって言いたいな。

昔話の楽しさと一緒に 美術館へも もっとたくさんの人を

お誘いしたい そらまめなのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

面白そー。図書館行ってみよーっと。