情熱の果て。 | そらのうえ うみのそこ

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そらまめかーさん
ストーリーテラー修行奮闘記!!
絵本読み師修行記!!!
快調連載中~!

出光美術館 『美の祝典・その弐』いてきました~。

午前勤務で そのあとダッシュ!

へろへろだが 伴大納言絵巻のためなら え~んやこーら。

 

伴大納言絵巻 安定の面白さです。

記事を書きたい気もしますが きっと 他で

美術愛好家のブロガーさんが そらまめよりも 上手に

このすばらしい作品の解説をするでしょうから

興味のある方は そこらへんを検索れっつらごー!ですよ。

 

 

そんでもって ワタシが今回注目したのは

この一枚です。

 

じゃん!

 

「天神縁起尊意参内図屏風」室町時代 重要美術品 出光美術館蔵

 

うう、

残念。

小っちゃすぎて 迫力がまったく伝わらない。これね、けっこう 大きいの。

そいで、屏風なのね。

観るときは 折れ折れ折れ、って 折って展示してるのよ。(詐欺ではない)

北野天神縁起絵巻という絵巻物の中から

ワンシーンを取り出してあります。

 

どんなおはなしなのか。

 

むかしむかし、平安の頃 菅原道真という 貴族がおりました。

このひとは 幼い頃から賢く 優れた詩を書く才能がありました。

 

天才少年道真 11歳にして詩を読むの図。

 

政の場においても 頭角を現し たちまちのうちに出世街道を駆け抜けて

醍醐天皇の御代にはついに右大臣にまで昇りつめます。

けれども やはりと申しますか 出る杭は 木槌でドカンと一発です。

京の都から 遠く離れた 大宰府へと流されて そこではかなくなりました。

 

ほどなくして、都に奇妙な噂が流れ始める。

大宰府の地で 亡くなった道真公が 悪霊と成って

御所に 戻られたらしい・・・。

 

噂を裏打ちするように 道真の政敵であった 藤原時平、

醍醐天皇の皇子であり時平の甥保明親王さらにその息子慶頼王までもが

次々に病死。ひいいいい!!

とどめは御所の清涼殿に雷が落ち 出火!!あわわわわ!!

朝廷要人に多くの死者がでてしまいます。おぞぞぞぞぞ!!!

また これを目撃した醍醐天皇も体調を崩し それが元で崩御されるのですな。

ひゅるるるるる~~~、ざあああ(血の引く音)

 

祟りと言わずして何でありましょうや?

 

都は震え上がりました。 

雷神となった道真公に なんとかお静まり頂こうと

朝廷は道真の左遷を撤回正一位の位につけます。

だがしかし、激おこぷんぷんになっちゃった 道真の魂は

なかなか 収まらない。

まだ、暴れまわる。

位を どんどん、引き上げる朝廷。もお、怒んないでえええええ!

 

ゆるさああああああん!

どんがらがっしゃーーーん!

爆発道真君。

 

と、まあ、これが『北野天神縁起絵巻の おはなし。

 

激しいぞ 道真。

 

 

そして、

そらまめが このたび気に入った一枚は

この激しい物語の どのへんか、と申しますとね・・・。

 

怒り狂う 道真の怨霊はいっかな 治まりません。

ついに 立派な僧侶 法性房尊意が

宮中に内参しようと牛車に乗って旅に出ました。

道真公の魂を鎮めんがため・・・。

行くうち にわかに天空かき曇り、大粒の雨が降り注ぎ雷鳴轟く!

のたうつ賀茂川を前に 宝性は印を結び経文を唱えます。

すると、あら不思議!!!!

黒い水が 逆巻きながら左右に別れ川底が現れたではありませんか!

 

お付きの少年が黒牛を促し 川を渡って行きます。

牛車の車輪は軋みながら 川底の小石を踏んでいく・・・。

さあ!とばかりに走り出す黒牛。

法力で左右に分かれた 水が恐ろしいのでしょう。

筋肉が盛り上がり 目玉は白目が見えるほど剥かれている。

蹄はがりがりと 川底を蹴るおとが聞こえてきそうです。

ピンと張った鼻とり綱を握りしめる お付きの少年。

彼は 牛車の横にいますから 法性様の 落ち着き払った

静かなお姿が よく見えるので、緊張してはいるようですが怖がってはいません。

一心に 黒牛を宥めながら、川を渡り切ろうと 頑張っています。

牛車の後ろ、簾が 勢いで翻っているのを 見ましょう。

車輪は勢いよく回っているのを表現するため ひしゃげた形に描いてある。

臨場感が 物凄いですよ!

牛車の後ろにも 三人のお付きのひとが描かれています。

三人三様の姿で。

少年一人と 僧侶が二人。

少年は 頬の横に手を添えて 口は大きく叫ぶように開いています。

踵を濡らす波に 驚いて 思わず叫び声をあげた瞬間に見えます。

一人目の僧侶は刀の柄に手をかけ もう片方の手で 衣の裾をたくし上げてる。

顔は伏せられて 表情は見えませんが大変集中している様子。

師にならって、お経を唱えているに違いありません。

そして 二人目の僧侶。この方が一番可哀想。

引き攣った額から顎にかけての線は恐怖で一杯!

顎は上がり歯を剥きだしに 悲鳴を押し殺しているんですね、きっと。

師の法力を疑うわけではないけれど 水に囲まれ 轟く車輪の横を

走り続けるのは 修行を積んだ僧侶であっても こんな顔になっちゃうよね、絶対。

右手は節が白くなるほど 拳に固められ 

全身に力が入っているのが よくわかります。

 

絵の説明だけで 長くなっちゃった。

今日はここまでにしておきましょうね。

明日はこの絵をみて、考えた

絵描きの望み、表現者の情熱の在り所などについて

暑苦しく 語ってみちゃいますよ~。

美術館レポで まさかの つづく  なのだ!

誰か 読んでくれるのか?!(笑)