そらのうえ うみのそこ

そらのうえ うみのそこ

そらまめかーさん
ストーリーテラー修行奮闘記!!
絵本読み師修行記!!!
快調連載中~!


昔話と絵本が大好きなそらまめかーさんの

おっぺけぺ~な毎日。はたして、かーさんは

理想のストーリーテラーになれるのでしょうか?
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寒さに負けて

裏起毛のスウェット買ったの。

大人な感じで ワイン色の。

 

でも、

 

着てみたら

 

なんでだろ~ なんでだろ~

なぜかなんでだろ~

 

って歌いだしたくなっちゃったんですぅ。

 

 

本当のお洒落道とは

裏起毛などに惑わされず

人が見てない部分でも

美しくあらねばならんのだな。

 

次は ヒョウ柄だな。

 

 

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円山君は絵が上手です。

円山応挙 に対する画像結果

ね?

上手でしょ?本当に咲いてる藤みたい。

いい香りがしてきそう。

お花のとこは 印象派のモネの色みたいに複雑なグラデーションなんだけど、

蔓や幹は 墨で 一気呵成に線が引かれ 迷いがありません。

うっとりしてしまう。

 

円山君が なんでこんなに絵が上手なのかと言うと

とっても勉強熱心だったからです。

円山君は丹波の国のお百姓の次男坊だったんだけど、

10代の頃 絵の修行を始めたのね。

中国の水墨画を模写したり 狩野派の画家のお弟子になって学んだり。

 

一番熱心に取り組んだのは写生!

 

円山応挙 に対する画像結果

もふもふしとる。

触れそうです。

もふもふ。もふもふ。

 

ちっこくて、よくわかんないでしょうけど、ねずみちゃんの

齧歯目爆発!な口元だけアップで描いてあるのよ。

もふ~~~~。

 

いつでも懐に 帳面を入れていて ありとあらゆるものを写し取っていたとか。

本物みたいに、描きたい。

目の前にあるこの花を そのまま永遠にとどめたい。

その力が 自分にあると自信をもって

円山君は 描いた 描いた 描いた 描いた!

円山応挙 に対する画像結果

 

生真面目で よどみない努力の連続。

誰もが親しみを持つ わかりやすい絵。

円山応挙君の世界です。

 

円山応挙 に対する画像結果

こんな現代の漫画みたいなの。

ざああああ!って文字が入りそう。

 

そんでね、

円山君が 絵がすごく上手だから、

円満院祐常っていう お坊さんが

『七難七福図』っていう絵巻を描いてって、頼んできたの。

祐常和尚さんはね 行い正しく生きれば幸福になり

悪事をなせば難訪れるという仏教の教えをなんとかして、

人々に知らしめたいと思って 目で見てすぐわかる絵巻を作ろうと考えてたのね。

だけど、これが なかなかに難しい。

世の中に 地獄絵巻などは たくさんあるのに、

これを見ても、悪行は減らない。

リアリティーがないからじゃないかなあ??

地獄なんて 実際見たことないもんは

どんなに迫力があっても、どこか、よそ事っていうか・・・う=む。

悩む祐常和尚。

 

そうか、ほんまもんの 難。実際起こりうる難を

リアルに描けば いんじゃね?

リアル。いんじゃね?

 

そう、若者言葉で言ったかどうかはさだかではなけれども、

祐常和尚計画は 発動したんだな。

自分で描けたらいちばんいいけど、そんな能力はない。

そこで、絵師に頼むが イメージ通りに出来上がらない。

 

凄く凄く、本当でなくっちゃ、この計画は完成しないの。

 

そこへ現れたのが円山君だったんだね。

祐常和尚はお願いしたのよ。

まるっきり 目の前でほんとに起きてるみたいな絵を描いてって。

そして 自分の中にある 七難七福を語って聞かせたんだと思うんだ。

 

恐ろしい 絵巻物が 出来上がったんです。

 

ちょっと・・・画像を張るのはやめときますね。

 

なんといいますか・・・

天災の場面は トラウマを呼び起こされそうですし

強盗や追剥の場面は あまりにも凄惨です。

無残とは このことである。

 

祐常和尚と円山君の イメージが

巻物を打ち破いてこちらへ 雪崩れ込んできそうなんだ。

 

とても 恐ろしい。

 

計画通りです。

祐常和尚・・・!

 

しばらく ラウンジの腰かけに座って 息を整えなくてはならないほど

そらまめは 疲れてしまいました。

 

目を閉じる。

 

すると どこかから、ふくいくと 花の香りが漂ってきて

胸の轟が引いて行きました。

 

藤・・・。

さっきの 藤の花だ・・・。

 

ああ、助かった。

 

 

 

ねえ、祐常和尚。

そらまめは すこし 文句を言います。

これは ちょこっと悪い方へ行ってる人には効果的な絵巻物だと思うよ。

でも、ごく普通の 慎ましい暮らしをしてるひとには 厳しい絵なんじゃないかしら?

この世にある 苦難と 幸福。

どちらも 身近にあって 気が付きにくい。それを絵巻物にするのなら

幸福は 裕福なお屋敷の 祝宴や 豪華なお人形

絢爛たるお花見の宴ではなくて・・・。

 

そう。

 

風にそよぐ 金色の夕暮れの藤のひと房。

あたたかく丸くなって 日向でまどろむこうさぎのしっぽ。

音もなく降り積む 白雪と 黒く濡れ 輝く松の古木。

 

美しく、どこにでもある 日常が本物の幸福なんじゃないかしら?

 

円山応挙が 愛して 写し続けた 小さなまことこそが

七福ではないのか・・・?

 

 

 

『七難七福図』は円山応挙36歳のころの作だそうです。

もう少し後になって もう一度七福を 自由に描いてと頼んだら

はたして 円山君は どんな絵を描いてくれたかしら?

 

円山君に逢うときが来たら ぜひ聞いてみたいと思ったことです。

 

おまけ。

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美人さんとか

 

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面白君とか

 

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根はいい人君とか。

愉快な 石がたくさんいて

楽しいお庭でございました。

 

またいつか、行くよ。根津美術館。