スペインと日本の政局
7月27日(23:00)
両国の抱える問題は多少違いますが、遠く離れた日本とスペインの政局は、実に多くの共通点を持っています。
順を追って列記します。
1. 菅首相もサパテロ首相も辞任を表明していますが、明確な時期は定めず、延命を計っています。
2. 日本は先の参議院選挙の結果どおり、次の衆議院選挙でも菅代表の率いる民主党の敗北
が目に見えています。
スペインも統一地方選挙でサパテロ党首の社会労働党(PSOE)が大敗し、来年の総選挙で政権が国民党(PP)に移ることは必至の状況です。
両国の政権交代はまず間違いなく実現するでしょう。
3. スペインは来年、日本は再来年に総選挙を控えていますが、日本は野党が解散総選挙を
迫り、スペインも同じく野党が前倒しを強行に迫っています。
4. スペインも日本も概ね二大政党制です。
スペインにおける政権交代は国民が納得しますが、後者日本は、民主党が駄目だから自民党という構図にはなりません。大連立が必要です。
互いに、今、総選挙を行えば、現政権党が負けるのは明白ですが、決定的な違いは、社会労働党サパテロ首相は、すでに自身の後継者を指名し、副総理、内務大臣という政府の激務から引かせ、党務に専念させています。菅総理の民主党は、辞任した後で党代表選挙を行うなど、全く先を読んでいないことです。
従って、サパテロ首相は、野党からは早く辞めて総選挙を実施しろ、と急かされてはいますが、しっかりとした方向性を定め、党内の結束を固めていますので、菅首相のように、同じ党内から辞めろコールが起きることはありません。
菅内閣の抱える問題は、東日本大震災からの復興と福島原発事故の収束ですが、「俺の顔を見るのが嫌なら早く法案を通せ」とうそぶく首相の下での復興はできません。
専門家や有識者の中には、早く三法案(二次補正予算は通りましたが)を通して辞めさせよ、とのたまう輩がいますが、何を考えているのでしょうか。
赤字国債の発行や再生エネルギー買取などは、前者は国の借金を益々増やし、その付けは必ず国民に回ってきます。エネルギー買取などは、これからのエネルギー政策の根幹を成すものです。総理の座にしがみついていたいだけの菅さんのしょうもない首と交換するようなことではありません。
総理の延命に手を貸す結果に成るかも知れませんが、十分な審議が必要です。
一方、スペイン政府の抱える問題は、拡大する失業者と、ギリシャやポルトガルに次ぐ経済の停滞、悪化です。
この問題は、EUという大きな枠組みの中ですので、可能なことは、今も推し進めてはいますが、各省庁をはじめとする政府機関の経費削減という程度のもので、政権交代したとしても、国民党が画期的な政策を打ち出せるとは思えません。ただ、人心を一新する、心機一転という、精神面での効果は多少あるかもしれません。
もう一つ決定的に違うのは、スペインには、政権交代のある無しにかかわらず、与党にも野党にも、国民が認める政治の舵取りができる船長がいますが、日本は全くのリーダー不足、舵のない船を大海に繰り出すようなものです。
いずれにしても、最近テレビで見る両首相のやつれ方はひどいですね。そんなにまでして固執する首相の座というのは、やはり魅力的なのでしょうかね。
注:
菅総理大臣を辞めさせる法律はない…と書きましたが、衆議院での内閣不信任案の提出という方法はあります。
可決されれば、10日以内に解散か内閣総辞職をしなければなりません。ただ、菅内閣は一度不信任案を提出され否決されていますので、小沢民主党元代表のように、類推解釈をすれば可能とする人もいますが、一事不再議の建前から、同一会期内での再提出は原則的に認められません。
刑事訴訟法上の「一事不再理」と同じ考え方です。
日本の「女子力」またアップ
7月26日(23:00)
日本女性、凄いですね。
フランスで行われたアメリカと欧州、二つの公認ツアー「エビアン・オープン」で、宮里藍選手が優勝、3位にも佐伯三貴選手が入りました。オリンピックで言えば、二人が表彰台に上ったことになります。
この大会は、4大メジャーではありませんが、賞金総額(325万US$)、優勝賞金(487500US$)は、女子ツアーに於ける世界最高額を誇っています。この高額賞金を足がかりに、アメリカ・ツアーの賞金女王に輝いた選手はたくさんいます。
宮里選手は、2009年に次いで2度目の優勝ですから、凄いとしか言いようがありません。
「なでしこジャパン」の女子W杯優勝については、前にもアップしています。
その栄誉をたたえ、国民栄誉賞も検討されているようですが、それ以上に話題を集めたのが、24日から始まった「なでしこ・リーグ」です。
ホームスタジアム神戸競技場で行われた「INAC神戸レオネッサ」の試合には、7人の日本代表が所属することもあり、何と18000人の観客が殺到しました。もちろん、女子サッカーとしては新記録です。
ワールドカップ前の観客動員が400人強ですから、どれほど凄まじい人気かが伺えます。彼女らによってもたらされる経済効果は、尋常なものではありません。
これからは、なでしこ・リーグの試合のほかに、ロンドン五輪の予選も控えています。世界チャンピオンが予選敗退ということは考え難いですが、油断は禁物です。晴れてオリンピックの舞台でも金メダルを獲って欲しいものです。
「なでしこジャパン」の活躍を引き合いに、菅総理が、山口だったか広島だったかの講演で、「私も、なでしこに負けずに頑張ります」と気合を入れたそうですが、なでしこジャパンには頑張って欲しいと思っても、菅総理に頑張って欲しいと思っている国民はいないのではないでしょうか。
モンテビデオからの便り
7月25日(23:00)
ウルグアイの首都「モンテビデオ」から、嬉しい便りが届きました。
いま、サッカー南米選手権の優勝で、国を挙げての大騒ぎだそうですが、ウルグアイは、ワールドカップの初代チャンピオンで、オリンピックでも2連覇したサッカーの強豪です。南米選手権も過去に6回の優勝経験があります。
しかし、今日の嬉しい便りというのは、サッカーのことではありません。
2月の南米旅行でモンテビデオを訪れた折、昨年までウルグアイの日本大使館にいらした竹元大使にご紹介いただき、ご家族を上げてお世話になった池田さんご一家からのレターです。
これまでにも、何度か懐かしい写真と共に、お便りを頂戴していますが、今回は、モンテビデオ市内にある日本庭園で撮影の写真が入っておりました。
幸せ一杯のご家族の微笑ましさと、二人のお嬢さんの和服姿が余りにも可愛く、グッと胸に迫るものがあります。
長女の有美ちゃん7歳、次女の亜美ちゃんが3歳ということで、七五三のつもりで先日撮影されたそうですが、今日、7月25日は、有美ちゃん8歳のお誕生日だそうです。
有美ちゃんお誕生日おめでとう。
私のブログは、いつも難い話ばかりですので、一服の清涼剤として、許可を頂きお写真を使わせてもらいました。
ご家族にお世話になったあれこれの話は、現在、世界日報に連載中の「ラプラタ河畔とイグアスの旅」に詳しく書きました。このブログでも、後追いでアップするつもりでおります。