この噺も圓生門下の方が良く演っていました。初めてこの噺を聞いたのは、圓彌師匠でした。それから圓龍兄さんとか、円丈(当時ぬう生)師のも聞きました。で、円丈師に稽古をお願いしました。
円丈師は、前座の時は古典落語をみっちり演られた方で、二つ目になってから創作(新作)落語に力を入れられている様でした。なので、圓生一門ではちょっと変わった芸風に思えました。だって一門の方、皆さん圓生師にそっくりなんですもン。
稽古は前回同様、浅草演芸ホールの二階楽屋です。1メートル半程間を空けて差し向かいです。円丈師は、殆ど高座と同様に演ってくれました。目が合うと演り難いでしょうし、こちらも緊張してしまうので、相手の膝頭辺りに視線を合わせてました。しかし、この噺は仕草が多いので、その手の動きを追うウチに何度か顔を見てしまいます。円丈師は、顔をくしゃくしゃにし演っておられました。で、ついつい稽古中にウケちゃったりしちゃいました。
この噺も10分位のもンですかねぇ。余りにも馬鹿馬鹿しいので、上手くハマれば笑いが取れるンですが…。又、結末の所は、ちょっと気持悪くなる様な場面があるので、それを感じさせない様に、サラッと演らなくてはなりませんね。
寄席のネタ帳には『生兵法』と書きますが、一門の方々は『胸肋鼠』と言っていました。オイラはこれを『強力鼠』と聞き間違えていました。だって、この鼠強いンだもン。
( 2011年11月13日 )