今では殆ど演ってない噺です。自分のネタの中にあったなんて忘れてました。ネタ下ろしが、75年の5月中席、大須演芸場で、5日目から4日間連続演ってました。
この時の一緒だった師匠が思い出せないンですねぇ。ウチの師匠ではないと思うのですよ。と言うのは、『宗論』はウチの師匠からではないし、この芝居で『よいよい蕎麦』『代脈』などをネタ下ろししてるンですよね。自信の無い噺を幾つも師匠の聞いている処で演れませんもの。
良~く考えたら、ウチの師匠、文蔵師匠の他に、一緒に大須へ行った先輩を思い出しました。その時、オイラがチョットしくじってたンですよね。それで思い出したくなかったンでしょう。その一緒に行った先輩というのは、立川流のまだ二つ目だった談平(現桂文字助師)兄さん、談十郎(現土橋亭里う馬師)兄さんと、前座だった寸志(現談四楼)兄さん、金志(現龍志)兄さんの四人です。
『宗論』は、この四人の誰方かに習ったンだと思います。談平兄さんかな?随分可愛がって貰ったから。寸志兄さんも、池袋の寄席に一緒に入った時なんか、良くご馳走になって、そのままアパートに泊めて貰ったりしました。金志兄さんは墨田区出身で、確か鐘ヶ淵だったから近くてお世話になりました。雑司ヶ谷のお宅にも伺った事がありましたネ。
多分、大須の初日か二日目に習って演ったもンだから、いい加減だったンでしょう。二つ目になってから演った覚えが無いンだもの。これも、今また覚え直さなくちゃァいけませんね。
あっ、そうそう、どんなしくじりか気になるでしょう。酒のしくじりです。本人は最良の行動だと思ったのですが、それでもしくじりになったという…話せば長くなりますンで、その内『しくじり』ばかりを集めた記事を書きますか、な~ンてネ!
( 2011年11月1日 )
( 桂文字助兄さんは、2021年10月16日に永眠されました。慎んでお悔やみ申し上げます )