74年に習った最後の噺は、この『桃太郎』の様です。で、この『桃太郎』は大須演芸場8月中席8日目がネタ下ろしになっていますので、多分大須で師匠に稽古をつけて貰ったのだと思います。
この年は4月と8月、大須へ連れて行って貰いました。東京ではまだ見習いでしたが、此処では立派な前座として、いや、前座より待遇が良かったかも知れません。
この頃は出演者はみんな寄席の楽屋に泊ります。師匠格は鍵付の個室で、それ以外は大部屋に泊りでした。勿論オイラも大部屋の方なのですが、寝る時以外はずっと師匠の部屋にいました。師匠がいれば稽古が出来るし、いなければ師匠になった気でいられます(だって個室にいられるンですよゥ)。
嬉しい事に、師匠は時々外泊する事がありましたから、その時はオイラがその部屋に寝られます。風呂も食事も付いているので、経費は一切かかりません。夜は時々師匠が飲みに連れてってくれました。
演芸場を出て左に向かって突き当たりのT字路の向かい側にある居酒屋、まだあるのかナァ~。そこの牛すじと豆腐の田楽(土手焼)が旨かったなァ。
おっと、噺の稽古の話をしているンだっけ。え~、4月は『たらちね』『浮世床』『千早振る』『鮑のし』『豆や』の五つの噺を繰り返して演っていました。帰って来て5月になった途端、『饅頭恐い』を演っているので、きっとこの大須の十日間で覚えたンでしょうね。
で、この8月の大須なんですが、ちょっと妙なんです。一日二回なのに、一回ずつしか上がってないのです。一部と二部交互に上がっている様なので、ひょっとしたら前座が二人だったのかもしりません。
あっと、余計な事書いてたもンだから仕事に行く時間になっちゃった。またネ。
( 2011年10月27日 )