鮑のし | ご機嫌菊龍気楽な毎日

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 この噺、随分後になってから習ったと思っていたンですよね。ところがギッチョン、ネタ下ろしが74年の1月5日でした。ですから73年中には稽古して貰っていたンですね。
 師匠は、この噺が大分お気に入りのようです。寄席でも良く聴きましたし、オイラが真打ち試験を受ける時、『壺算』で受けるつもりだったのに、試験前夜、急遽この『鮑のし』を演れと言って、テープに吹き込んでくれました。
『そんなんじゃ、受かりゃァしない。お前だけ落ちちまうゾ。いいか、このテープそっくりに明日まで覚えて来い』
ってんで、一晩ずっと稽古してましたァ。その内雨が降って来てねぇ。不安な一日を過ごしましたよ。翌朝7時頃に師匠宅へ行って、一席演って池袋へ向かいました。
 ですからね、この噺には一番思い入れがあるンですけど、後の記憶の方が強烈過ぎて、初めて稽古をつけて貰った時の記憶が薄れちゃってンです。
 でも、前座の時はよく高座にかけていましたねぇ。素読みにしたって受ける噺ですもんね。勿論サゲの『鮑のお爺さんでしょう』までちゃんと習いましたよ。ああ、そうだ、思い出した。一回目の稽古ン時は、『事情があって捲れねぇ』で、噺を上げて貰う時にサゲの部分を教わったンだ。この後、こんな風に続くンだって。でも、なんかいい加減だった。どうせ其処まで演らないンだからって、参考程度だった様な…
 (  2011年10月25日  )