饅頭怖い | ご機嫌菊龍気楽な毎日

ご機嫌菊龍気楽な毎日

ブログの説明を入力します。


 二月に入った頃でしたか、『饅頭恐い』を稽古していただきました。これは、ちょっとずぼらな稽古でした。
 昼食の後、掃除が終わって炬燵に入っていた時です。
「おい、暇だな。稽古するか。」
と、師匠。
「はい、あの…、じゃァお願いします。」
「じゃァ、ってぇのは何だよ。そのままでいいから聞いてなさい。」
と言って、炬燵に入ったまま話し始めました。いや、オイラは勿論炬燵から出て正座をして聞きましたよ。いくら何でも炬燵に入ったまま、稽古は受けられませんよ。
 ですから、仕草は余りありませんでした。時々は炬燵から手を出して、蛇の長さとか、螻蛄(おけら)叩くトコ、四つ足に当るモノ、最後の饅頭食う所は演りましたが、あとは背を丸くして、手は炬燵に入れたまま話してました。
 一通り話した後、いつもの様に細かく場面場面の注意を。噺の頭の好きなモノを言う件では、酒粕に乾燥芋じゃァ古いから、何か他の面白くなりそうなモノに替えろとか、饅頭の種類を色々並べろとか、古典中の古典なんだから、演り方を工夫しないと面白くないぞ、まだ、幾らでも手の加え様があるんだから、などとアドバイスを受けました。で、オイラはオカマさん等を登場させたりして楽しんでました。
 師匠から聞いた話では、志ん生師の稽古もこんな感じだったそうです。なんの前触れもなく、突然
「おい、稽古するぞ!」
なんて呼ばれて稽古になったそうです。又、急に
「この噺は此処ントコをこう演ってナ…」
などと話したりもしたそうです。志ん生師は、いつも稽古していたそうです。師匠も時々、いきなり噺の注意をする事があります。稽古も家では良くしていました。其処を見習わなきゃァいけないンですよねぇ。ダメな弟子です。
(  2011年10月15日 )