手紙無筆 | ご機嫌菊龍気楽な毎日

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 四つ目に覚えたのが、この『手紙無筆』です。これも短いので、書き残してありませんでした。
 師匠の稽古と言うのは、寄席で演ってる様に演るワケではありません。多少抑揚が付いてるもの
の、ただ淡々と話すだけで、話し終わったあとに、此処はこう、こんな気持になって、こんなつもりで演らなくちゃァいけない、等と、細かな注意をしてくれます。
 『たらちね』の時は、実際に身をくねらせて、喉を鳴らすような声を出して演ってくれたりもしました。でも、後の三つは、こんな感じで…というような教え方でした。
 そう、後の三つの噺、寄席で師匠が演っているのを聞いた事がありませんでした。弟子になってからも聞いた事無かった様な…
 師匠も、前座二つ目の頃は、結構演っていた様です。だから稽古してくれるンですが、考えてみると、オイラも真打ちになってからは、『たらちね』以外演らなくなっちゃったですね。
 『浮世床』は、『夢』の方を覚えてから、『将棋・本』は演らないし、『お化け長屋』は一度も高座にかけてないンじゃない?
 この『手紙無筆』は、前座の時には良く演りました。二つ目時代も、時間の無い時には演ったりしましたが、真打ちになってからは、初席でも演らなかったですね。
 この噺、簡単な様ですが、考えて演ると結構難しいンですよ。知ったかぶりの先生が、丸っきりの無筆じゃァいけないンですよね。ある程度は読める。で、段々と八っつァんをからかう様に…ってぇ感じにした方が面白いンじゃないかと思うンですがね。
 まっ、前座噺と呼ばれているネタですから、此処何年も、いや何十年も演ってません。今、出来るのかナァ。  

  (2011年10月15日)