ビジネス取引において事前調査をしなかったために | 幸せな起業と新規事業とビジネスと

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 積水ハウスが東京・国立に建設した分譲マンションをいきなり解体すると発表して話題になっています。国立市中町2丁目に建設されたマンション「グランドメゾン国立富士見通り」と命名された通り、国立駅南口から南西に走る富士見通の先には富士山が見えるケーションです。 

 

 この10回建てマンションが建設されたことで冨士見通りからは、富士山頂は隠れてしまい左側の山すそだけが見えることになりました。積水ハウスが完成を直前に控えていきなり解体を発表したことで、振り上げた「建設反対の声」は行き先を失っています。 

 

 積水ハウスは数十億円の損失をだすことになると思います。AIの時代ですから専門業者に依頼し、国立の富士見通りと富士山とをバーチャルリアルティ(VR)に取り込み、バーチャル世界でロケーションを再現するような検証を何故事前にしなかったのか不思議です。 

 

 精々数百万円程度でリスクヘッジができるのに、地元住民の反対運動が起こる可能性まで考えると愚かとしか言いようがありません。実は今の日本には、似たような事前の検証をほとんどしないで大問題を引き起こしてるケースが少なくありません。 

 

 一つは大阪関西万博です。今では広く知られていることですが、当時の安倍首相と大阪維新のリーダーだった橋下氏や松井氏との個人的な話し合いのなかで決まったと云われます。事前の環境や市場の調査もなくカジノがらみで維新側の申し出に乗ったようです。 

 

 二つ目はJR東海が進めるリニア新幹線建設でも、安倍首相と東海の葛西会長の話し合いで決まったと言われています。経済再建のためアベノミクスを打ち上げた安倍首相ですが、経済の柱となる成長戦略がなく無理やり頼み込んで作った成長戦略の一環でした。 

 

  どちらも巨額の資金を使うにもかかわらず緻密な事前調査はなく、成長戦略として格好だけがつく程度の浅い考えで生まれた事業です。結局どちらの事業も、今になって現実に実施できるかどうか悩まされることになった大問題です。 

 

 現代はしっかりした課題実現の根拠が問われる時代です。裏付けもないのに付き合いのある人からの依頼だからといってほいほい賛成するのは危険です。これからもアベノミクスの遺産で苦しむ国民が多数いそうな気配が濃厚です。 

 

【ひとり言】 

 リニア建設にしても、大阪関西万博にしても、国から多額の資金が投入されている事業です。事前の事業見積もりがしっかり行われていたかどうか、今ではほとんど話題になりません。ただ次の世代に大きなツケとなって引き継がれることは確かです。こんなことをやっているから、日本はたいへんな借金大国になり、G7からも外される日が近かそうです。。