『さいはての彼女』(by 原田マハ)、読んだ。 | 気が向いたときだけの大阪日記

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タイトルのまんま、気が向いたときだけの不定期大阪日記です(笑)

 

 

 

原田マハ。先日の東野圭吾ほどではないが、そのお名前はあっちこっちで見聞きする。

 

この本は女性を主人公とした4つの短編から成り、本のタイトルの「さいはての彼女」はその一つ目の短編である。

 

一作目『さいはての彼女』は、六本木ヒルズに本社を構える女社長の話。寿退社する「有能な秘書」に最後の仕事として各種手配を指示した沖縄での二泊三日のオフが...ごにょごにょごにょ(笑)

 

最初からギャグ小説並みにガンガン飛ばしていて、「原田マハってこーゆー作風なん?」と若干引き気味に読み進めるが、数ページ行ったあたりから落ち着いた文体になってきた(笑)

 

二作目は『旅をあきらめた友と、その母への手紙』はそのタイトルのまんまの作品。5年付き合った男と別れ、勤務していた大手広告代理店も辞めた女性が、親友は母親が倒れて行けなくなったため、伊豆へ一人旅行するというお話。

 

三作目は『冬空のクレーン』。職場でトラブり、「こうなったら籠城して、根気比べだ、と休職を決め」て、「一か月間有休をいただきます、と部長宛てに有給申請を郵送」する。

 

ところが二週間たっても会社からはウンともスンとも言ってこないので、北海道へGO。

 

例年なら会議や忘年会で真っ黒な12月のスケジュール帳が「真っ白」なのと、「私はやってきたのだった。雪の白以外、ほんとうに何もない土地へ」という表現は「真っ白」でかけているのだろうか?とたまには深読みしてみる(^^ゞ

 

四作目の『風を止めないで』は、「さいはての彼女」にも登場した聴覚障害のハーレー乗り・凪(なぎ。タコちゃうよ(^^;)の母が主人公。娘の凪もメールで登場する。

 

という感じで基本的には別々の話したが、一作目と四作目はちょっと絡んでいる。

 

どの作品も、人生に挫折したりつまづいた女性が旅に出て、完全解決というわけではないが気を取り直してまた前へ進むというのが基本ストーリー。カバー裏にもあるように、そんな「人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短編集」。

 

まあ、現実の世界はこの4つの短編のように簡単に「立ち上がれる」わけはないが、読みやすくてすっきりする本である。

 

 

PS : 浜田マハ公式ウェブサイトというのもある。

  【マハの展示室】https://haradamaha.com/